ホーム > 書籍詳細:「文豪とアルケミスト」文学全集第二期

これは、ただの「本気の文学書」にすぎない――。
「文アル」文豪たちのリアルを伝える傑作集第二弾。

「文豪とアルケミスト」文学全集第二期

神楽坂ブック倶楽部/編

2,376円(税込)

本の仕様

発売日:2018/10/31

読み仮名 ブンゴウトアルケミストブンガクゼンシュウダイニキ
装幀 DMM GAMES/装画、新潮社装幀室/装幀
発行形態 書籍
判型 A5判
頁数 287ページ
ISBN 978-4-10-304873-2
C-CODE 0093
ジャンル 文学・評論、文学・評論
定価 2,376円

大ヒットゲーム「文豪とアルケミスト」(DMM GAMES)登場の文豪たちの素顔と関係性を伝える傑作選第2弾。朔太郎は師の白秋に犀星への思いを伝え、安吾は織田作・太宰の死に涙をそそぎ、中野重治は労働者のために歌い、夢野久作は乱歩への複雑な感情を記す。新発見された四迷「其面影」生原稿、安吾「復員」なども掲載、研究者も必読の一冊! ゲームの内装アイテム「猫扉付きの窓」と交換できる特典シリアルコード封入。

著者プロフィール

目次

I 彼らの白鳥の歌を 太宰治/坂口安吾/織田作之助
  坂口安吾 復員
  太宰治 満願
  坂口安吾・太宰治・織田作之助・平野謙
   座談会 現代小説を語る
  織田作之助 可能性の文学
  【追悼文集 友は野末に】坂口安吾 大阪の反逆/太宰の死/志賀直哉に文学の問題はない

II 詩人を友達にする方法 北原白秋/萩原朔太郎/室生犀星
  北原白秋 桐の花より
  萩原朔太郎 殺人事件/天景/猫/山に登る/旅上/利根川のほとり
  室生犀星 萩原に与へたる詩/忘春詩集より
  萩原朔太郎 詩人の手紙 北原白秋・室生犀星宛/処女詩集を出すまで
  室生犀星 昨日の風景
 【写真版】北原白秋詩稿

III 歌のわかれ「文豪とアルケミスト」詞華集 佐藤春夫/堀辰雄/中野重治/石川啄木
  堀辰雄 詩集(全)
  佐藤春夫 太宰治よ/ただ若き日を惜め/カリグラム
  中野重治 豪傑/雨の降る品川駅/十月
  石川啄木 一握の砂・悲しき玩具より
 【写真版】石川啄木書簡

IV 日露戦争と文豪たち 森鴎外/田山花袋/正宗白鳥/国木田独歩/二葉亭四迷/夏目漱石
  森鴎外 書簡集
  田山花袋 東京の三十年より
  正宗白鳥 日露戦争時分の文壇
  国木田独歩 号外
  二葉亭四迷 其面影 草稿写真版
  夏目漱石 三四郎(一)

V 最後の一皿としてのミステリ 江戸川乱歩/夢野久作/坂口安吾
  夢野久作 瓶詰の地獄/江戸川乱歩氏に対する私の感想
  江戸川乱歩 夢野久作/坂口安吾
  坂口安吾 阿部定さんの印象/アンゴウ

インタビュー/対談/エッセイ

一家に一冊、「文アル」×新潮社第二期!

谷口晃平

昨秋、「文豪にまつわる歴史的新資料、ゲームとのコラボ本に掲載!」という異例さが話題になった『「文豪とアルケミスト」文学全集』。若い女性を中心に熱い人気が続いている「文アル」ですが、プロデューサー・谷口氏が『全集第二期』刊行に際して、文学への深い愛を語ります(!)。

――昨秋の『「文豪とアルケミスト」文学全集』発売を皮切りに、新潮文庫六冊のフル帯カバーコラボ、「文豪たちと新潮社」展の開催、そして今年は夏の「新潮文庫の100冊」で描き下ろしの太宰治とゲーム登場前のお披露目となった山本有三のイラストを使用したプレミアムカバー(『斜陽』と『心に太陽を持て』)など、多岐にわたって「文豪とアルケミスト」というゲームと新潮社はコラボレーションを実施してきました。
 中でも「文豪たちと新潮社」展の開催はやはり一番感動しました。2017年11月1日が「文豪とアルケミスト」の一周年にあたったのですが、その直前に「文アル」×新潮社のコラボレーションを記念して記者会見をしたことをよく覚えています。もちろん様々な文学館で文豪にまつわる展示が行なわれるなど、「文アル」と文学館とのコラボレーションも盛んです。しかし、いろんな文豪たちの、発掘された新資料が一堂に会するというのは実に壮観でした。そもそもこのゲームは文豪たちの関係性を描いてそれを楽しんでもらいたいというものですので、新潮社さんとの取り組みによって、ファンの人たちに空間ごと楽しんで貰える場が出来たというのは非常に良かったと思います。


――展示は『斜陽』の原稿をはじめ、文豪たちの生原稿や書簡類などが新潮社の関係者宅から発見されたことがきっかけでした。資料の一部を『「文豪とアルケミスト」文学全集』に写真で掲載したことも話題になりました。ちょうど一年たって、この十月末に『文学全集第二期』が刊行されます。
 一巻目が発売された時から、続編を待ち望むファンの声は届いておりました。文豪たちの作品や書簡などはもちろん各文豪の全集や「青空文庫」などのサイトでも見ることは出来ますし、開発チームもびっくりするほど深く調べ込んでいるファンにとっては「読んだことがある」作品が多いかもしれない。けれど、純粋にゲームで文豪に興味を持ったファンにとっては、作品が膨大にありすぎて一体どこから読んでいけばいいのか、とっかかりがわからないこともあると思います。この『文学全集』は文豪同士の関係性がよくわかる作品を選んで下さっているので、入門書としてすごく良いものだと思います。
 今回の『第二期』でしたら、私は特に第二章「詩人を友達にする方法」にある、北原一門(白秋朔太郎犀星)の詩や書簡、エッセイについてまとめている部分を読んでもらいたいですね。詩は膨大にあるので、ここをまずおさえればいい、というのが示されているのも良いですし、書簡の、ある種衝撃的な内容も彼らを知る上で是非読んでもらいたい。また、私は歴史好きなので第四章「日露戦争と文豪たち」に田山花袋「東京の三十年」が入っているのは個人的に凄く嬉しいです。歴史の授業や教科書などでは、年号や事実、その結果どうなったかという過程が書かれますが、そこからはその時代を生きた人たちの日常風景がどうしても抜け落ちてしまう。花袋のこの作品はそこが描かれているのが魅力的です。文豪の残した文章を通じて、その時代を生きた人たちのまなざしを追体験できる素晴らしさを感じて欲しいですね。

――谷口さんは昔から本好きと伺っています。
 ちょうど高校生ぐらいの時、それこそぼろぼろになるまで読んだ新潮文庫があって、それは芥川龍之介の『侏儒の言葉・西方の人』でした。小説というより自己啓発本みたいな、格言めいたものが短く列挙されている本ですが、中二病を拗らせていた自分にはとても響きました。さすがに書き写すまではいきませんでしたが(笑)。今読み返すと、読み込んでいた自分のことも思い出してだいぶ気恥ずかしいです。
 最近でしたら村田沙耶香さんの『地球星人』に衝撃を受けました。「文アル」における主人公、プレイヤーである特務司書には人物設定をしてありません。私自身がそうなのですが、予め規定してしまうと、どうしてもそちらに囚われて、文豪たちの関係性を楽しむことに集中出来なくなると思ったからです。村田さんの作品は、「自分の存在を意識したくない」という感覚のファンに刺さるのではないでしょうか。

(たにぐち・こうへい DMM GAMES「文豪とアルケミスト」プロデューサー)
波 2018年11月号より
単行本刊行時掲載

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