今月の表紙は尾崎世界観さんと千早茜さん。
波 2018年11月号
(毎月27日発売)
発売日 | 2018/10/29 |
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JANコード | 4910068231185 |
定価 | 102円(税込) |
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阿川佐和子/やっぱり残るは食欲 第14回
【対談特集│ダイアローグ!】
尾崎世界観、千早 茜『犬も食わない』
尾崎世界観×千早 茜/半分の「わからない」をぶつけあう
相場英雄『血の雫』
相場英雄×中川淳一郎/やっぱりネットはバカと暇人のもの
竹宮ゆゆこ『あなたはここで、息ができるの?』
竹宮ゆゆこ×中川翔子/「貪欲」は女子の強さの証
五木寛之『七〇歳年下の君たちへ―こころが挫けそうになった日に―』
五木寛之×中瀬ゆかり/後ろ向きに前へ歩め
小野寺史宜『夜の側に立つ』
矢部太郎『大家さんと僕』
矢部太郎×小野寺史宜/ひとつ、お願いがあるんですけど……
大宮エリー『なんとか生きてますッ』
大宮エリー×小木博明/不謹慎なオトナの友情
押切もえ『永遠とは違う一日』(新潮文庫)
押切もえ×阿川佐和子/キャラでもアクセサリーでもなくて
尾崎世界観、千早茜『犬も食わない』
宮下奈都/たくさん笑う
村田喜代子『エリザベスの友達』
六車由実/人生の終焉を包み込む幸福な時間
宮部みゆき『宮部みゆき全一冊』
佐藤誠一郎/進化をやめない大器の三十年
ガブリエル・ガルシア=マルケス、木村榮一/訳『ガルシア=マルケス「東欧」を行く』
三輪太郎/スターリンの手
パオロ・コニェッティ、関口英子/訳『帰れない山』
松家仁之/死んだ父が動かす
町田そのこ『ぎょらん』
大矢博子/断絶を乗り越えた先にあるもの
杉山隆男『デルタ―陸自「影」の兵士たち―』
関川夏央/日本はセンカクを守れない
乾 緑郎『見返り検校』
大森 望/大胆不敵・前代未聞の時代ノワール大作
佐藤 卓/編著『ケの美―あたりまえの日常に、宿るもの―』
佐藤 卓/あたりまえの日常に、宿るもの
小谷みどり『没イチ―パートナーを亡くしてからの生き方―』
小谷みどり/哀れみの言葉に抱いた違和感
佐藤健太郎『世界史を変えた新素材』
横山広美/「材料」の進化から見る世界史
神楽坂ブック倶楽部/編『「文豪とアルケミスト」文学全集第二期』
[インタビュー]谷口晃平/一家に一冊、「文アル」×新潮社第二期!
中島国彦/「矢来町のたからもの」という展覧会
村上春樹『騎士団長殺し―第1部 顕れるイデア編―』『騎士団長殺し―第2部 遷ろうメタファー編―』
[インタビュー]村上春樹/「我々の見慣れた世界のすぐそばにある、もう一つの世界」について
【コラム】
とんぼの本編集室だより
岡崎守恭『墓が語る江戸の真実』
[新潮新書]岡崎守恭/墓石から覗く愛憎劇
【連載】
[新連載]土井善晴/おいしく、生きる。
ブレイディみかこ/ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 第11回
伊藤比呂美/URASHIMA 第6回
大塚ひかり/女系図でみる日本争乱史 第4回
津村記久子/やりなおし世界文学 第54回
瀧井朝世/サイン、コサイン、偏愛レビュー 第104回
川本三郎/荷風の昭和 第6回
編輯後記 新潮社の新刊案内 編集長から
立ち読み
編集長から
今月の表紙は尾崎世界観さんと千早茜さん。
◎『「文豪とアルケミスト」文学全集第二期』を編集しました。「文アル」登場の文豪たちのアンソロジーですが、何を探し出し、何を捨て、どう並べ、などと凝り出すとキリがなくなって〆切が大変なことに……。
◎編者の癖がうまく出せたアンソロジーは楽しいもので、例えば最近英国で出たジェイ・ルービン編の「The Penguin Book of Japanese Short Stories」(PENGUIN CLASSICS)。近現代日本文学の短篇選ですが、「自然と記憶」「現代生活とその他のナンセンス」「災厄、天災と人災」など項目(全七部)の立て方も作家の選び方も、編者の文学観が露わでにやにやしてきます。作家名を収録順に挙げてみますね。
◎谷崎潤一郎。永井荷風。夏目漱石。森鴎外。三島由紀夫。津島佑子。河野多惠子。中上健次。吉本ばなな。大庭みな子。円地文子。阿部昭。小川洋子。国木田独歩。村上春樹。柴田元幸。宇野浩二。源氏鶏太。別役実。川上未映子。星新一。芥川龍之介。澤西祐典。内田百閒。芥川龍之介。大田洋子。青来有一。川端康成。野坂昭如。星野智幸。村上春樹。佐伯一麦。松田青子。佐藤友哉。面白そうでしょ?
◎ジャズ・ドラマーのバディ・リッチは病院で「何かのアレルギーはありますか?」と訊かれた時、「カントリー&ウエスタンだけはどうもね」と答えた、というゴシップから始まる村上春樹さんの長い序文は、腹蔵なく日本文学観を吐露した必読もの(村上さんも若い頃星新一を楽しんでいた!)。
◎今月の表紙は小説『犬も食わない』を共作した尾崎世界観さんと千早茜さん。尾崎さんはかつて加藤製本で働いた経験がありますが、その加藤製本さんが……紙幅がないので七〇頁の新潮講座広告をご覧下さい!
▽次号の刊行は十一月二十七日です。
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雑誌から生まれた本
波とは?
1967(昭和42)年1月、わずか24ページ、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後という時代でした。こののち1969年に隔月刊に、1972年3月号からは月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしています。
創刊号の目次を覗いてみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行したばかりの北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイがあって、続く「最近の一冊」では小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイで、続いての「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。
創刊から55年を越え、2023(令和5)年4月号で通巻640号を迎えました。〈本好き〉のためのブックガイド誌としての情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。安部公房『笑う月』、遠藤周作『イエスの生涯』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』、池波正太郎『原っぱ』、小林信彦『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』、椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』、橘玲『言ってはいけない』、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』などなど。
現在ではページ数も増えて128ページ(時には144ページ)、定価は100円(税込)となりました。お得な定期購読も用意しております。
これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みを続けながら、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。