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いま注目の1冊!

執筆37年、大河巨篇ついに完結!


 一九八二年に「海燕」で連載を開始して以来(第二部「地の星」以降は「新潮」に連載)、三十七年に及ぶ歳月を書き継ぎ、宮本輝さんのライフワークとなった大河小説『流転の海』がついに完結しました。自らの父をモデルとした実業家・松坂熊吾とその宿命に翻弄される妻と子の、波瀾の人生を描いた、シリーズ累計二百三十万部のベストセラー大作です。最終巻『野の春―流転の海 第九部―』では、昭和四十二年、熊吾が五十歳で授かった息子・伸仁が二十歳の誕生日を迎えます。伸仁が生まれた時、「俺はこの子が二十歳になるまでは絶対に死なん」と誓いを立てた熊吾。しかし熊吾の人生の最期には、何が待ち受けていたのか――。涙なしでは読めない感動の最終幕です。
 そしてこの日本文学史の金字塔となる大作の完結を記念した愛蔵版も限定三百部で刊行されます。「なにがどうなろうと、たいしたことはありゃあせん」など松坂熊吾の名台詞を著者自ら手書きした直筆色紙、「流転の海」連載第一回冒頭の直筆原稿レプリカ、自作について語る著者の肉声を収録したCDの三大付録を、特装本全九冊と共に画家・榎俊幸氏によるオリジナル装画の函に収めてお届けいたします。「波」10月号の特集もあわせてお楽しみください。

波 2018年11月号「新潮社の新刊案内」より

著者紹介

宮本輝ミヤモト・テル

1947(昭和22)年、兵庫県神戸市生れ。追手門学院大学文学部卒業。広告代理店勤務等を経て、1977年「泥の河」で太宰治賞を、翌年「螢川」で芥川賞を受賞。その後、結核のため2年ほどの療養生活を送るが、回復後、旺盛な執筆活動をすすめる。『道頓堀川』『錦繍』『青が散る』『流転の海』『優駿』(吉川英治文学賞)『約束の冬』(芸術選奨文部科学大臣賞)『にぎやかな天地』『骸骨ビルの庭』(司馬遼太郎賞)『水のかたち』『田園発 港行き自転車』等著書多数。2010 (平成22)年、紫綬褒章受章。2018年、37年の時を経て「流転の海」シリーズ全九部(毎日芸術賞)を完結させた。

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