今月の表紙の筆蹟は、宮本輝さん。
波 2018年10月号
(毎月27日発売)
発売日 | 2018/09/27 |
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JANコード | 4910068231086 |
定価 | 102円(税込) |
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「流転の海」シリーズ名言集
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【コラム】
林洋子/監修『旅する画家 藤田嗣治』
とんぼの本編集室/乳白色の裸婦像と戦争画をつなぐ(とんぼの本)
とんぼの本編集室だより
森口 朗『誰が「道徳」を殺すのか―徹底検証「特別の教科 道徳」―』
森口 朗/いまこそ「道徳」を大人が語ろう(新潮新書)
冨田浩司『マーガレット・サッチャー―政治を変えた「鉄の女」―』
君塚直隆/国家と個人の関係を考えさせる肖像画(新潮選書)
【連載】
ブレイディみかこ/ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 第10回
伊藤比呂美/URASHIMA 第5回
堀部安嗣/ベーシックハウスを考える 最終回
大塚ひかり/女系図でみる日本争乱史 第3回
津村記久子/やりなおし世界文学 第53回
瀧井朝世/サイン、コサイン、偏愛レビュー 第103回
川本三郎/荷風の昭和 第5回
編輯後記 新潮社の新刊案内 編集長から
立ち読み
編集長から
今月の表紙の筆蹟は、宮本輝さん。
◎他愛のない連想ですが、完結した宮本輝さんの大河小説「流転の海」全九冊を積み上げて、第一部からタイトルを眺めていると、まるで交響曲全集だなあと思えてきます。九つというのがベートーベンやブルックナーなどの交響曲の数と同じだし、もう一つ、『仁義なき戦い』の脚本家笠原和夫さんの言葉を思い出したからでもあります。
◎「わたしは脚本というものをしばしば交響曲に
◎これは脚本のみならず、長い小説についても当て
◎「細部のメロディ」という意味では、とりわけ第二部『地の星』末尾の房江(主人公の妻)が川で鮒を手掴みでとる場面が忘れ難いのですが、あまりに印象深くて、それを損なうのが怖いので読み返せずにいます。
▽次号の発売は十月二十六日です。
お知らせ
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雑誌から生まれた本
波とは?
1967(昭和42)年1月、わずか24ページ、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後という時代でした。こののち1969年に隔月刊に、1972年3月号からは月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしています。
創刊号の目次を覗いてみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行したばかりの北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイがあって、続く「最近の一冊」では小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイで、続いての「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。
創刊から55年を越え、2023(令和5)年4月号で通巻640号を迎えました。〈本好き〉のためのブックガイド誌としての情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。安部公房『笑う月』、遠藤周作『イエスの生涯』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』、池波正太郎『原っぱ』、小林信彦『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』、椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』、橘玲『言ってはいけない』、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』などなど。
現在ではページ数も増えて128ページ(時には144ページ)、定価は100円(税込)となりました。お得な定期購読も用意しております。
これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みを続けながら、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。