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今月は、創刊600号記念(イラストは100%ORANGEさん)。

波 2019年12月号

(毎月27日発売)

100円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2019/11/27

発売日 2019/11/27
JANコード 4910068231291
価格 100円(税込)
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【創刊600号記念】
[短篇]筒井康隆/南蛮狭隘族
[座談会]藤原正彦×檀ふみ×阿川佐和子/文士の子ども被害者の会 Season3 前篇
【恩田 陸『歩道橋シネマ』刊行記念特集】
[エッセイ]恩田 陸/短編集はチョコレートの箱
大森 望/裏切られる快感――名手の十八問
【小野不由美「十二国記」最新作『白銀の墟 玄の月』全四巻刊行記念特集】
読者の声/「十二国記」と「私」
北上次郎/私たちの読みたかった物語
阿川佐和子/やっぱり残るは食欲 第27回
千葉雅也『デッドライン』
朝吹真理子/この得も言われぬいとしさはなんだ

ドメニコ・スタルノーネ、関口英子/訳『靴ひも』(新潮クレスト・ブックス)
角田光代/軽やかな混沌

諸田玲子『別れの季節 お鳥見女房』
諸田玲子/私の理想の女性です。

井上荒野『あたしたち、海へ』
河合香織/偽物の笑顔が写った鏡

川島幸希『直筆の漱石―発掘された文豪のお宝―』(新潮選書)
門井慶喜/漱石の「新作」が読める

西條奈加『せき越えぬ』
ペリー荻野/関所の内側にドラマがある

大竹 晋『「悟り体験」を読む―大乗仏教で覚醒した人々―』(新潮選書)
玄侑宗久/悟りと未悟

熊谷達也『我は景祐』
縄田一男/知られざる北の戦い

越谷オサム『四角い光の連なりが』
吉田大助/鉄道がなければ存在しなかった感情

清水裕貴『ここは夜の水のほとり』
辛酸なめ子/玉川上水の残留思念

島田潤一郎『古くてあたらしい仕事』
津村記久子/誠実に仕事をすることはまだ可能だ

松原実穂子『サイバーセキュリティ―組織を脅威から守る戦略・人材・インテリジェンス―』
大澤昇平/サイバー攻撃の脅威 AIが脅かすプライバシー
【『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』四冠達成記念】
[座談会]ブレイディみかこ×瀧波ユカリ×劔 樹人/100万光年先の日常から、子どもと社会を描く
ブレイディみかこ/ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 第24回
【短篇小説】北村 薫/ゆき 後篇
【私の好きな新潮文庫】
高見 浩/“井上文学”の源流を求めて
 井上靖『しろばんば
 井上靖『夏草冬濤(上・下)』
 井上靖『北の海(上・下)』
【コラム】
[とんぼの本]
とんぼの本編集室だより

三枝昂之・小澤 實/掌のうた

[新潮新書]
中條誠一『ドル・人民元・リブラ―通貨でわかる世界経済―』
中條誠一/通貨の未来をどう形作るか
【連載】
土井善晴/おいしく、生きる。 最終回
バリー・ユアグロー 柴田元幸 訳/オヤジギャグの華 第8回
会田弘継/「内なる日本」をたどって 第6回
瀧井朝世/サイン、コサイン、偏愛レビュー 第117回
はらだみずき/やがて訪れる春のために 最終話
川本三郎/荷風の昭和 第19回
曽野綾子/人間の義務について 第11回
編輯後記 新潮社の新刊案内 編集長から

立ち読み

編集長から

今月は、創刊600号記念(イラストは100%ORANGEさん)。

◎同業者、それも歳下の同業者の素晴らしい仕事を目にするのは、羨望や発奮が入り混じった感情をおぼえて、いつだって刺激的です。わたしは今、国書刊行会の編集者樽本周馬さんのことを書こうとしています。
◎樽本さんは昨年も『笠原和夫傑作選』全三巻という大著を編んでいます。その編集過程で、笠原さんの『映画はやくざなり』を作ったわたしにちょっとした問合せがあり、彼から聞かされた企図の壮大さに仰天しました。実際に刊行された本を手にとって、こいつは造本も内容も(ほんの少しだけ大仰に言うと)空前絶後の映画本だなあと感嘆したのですが、絶後じゃなかった!
◎今秋、樽本さんが出したのは『映画監督 神代辰巳』。B5判上製本全七〇四頁という凄まじい(編集者が「枕か武器になる」と呼ぶ類の)本。無論本当に凄いのは内容で、あの「青春の蹉跌」「赫い髪の女」「棒の哀しみ」等の名匠をめぐって、同時代の作品評や対談から、CM作品や未映画化脚本(沢田研二主演の「みいら採り猟奇譚」!)まで渉猟し、さらに神代組俳優やスタッフへの新たな取材や評論を加えて、全貌を余すところなく伝えます。盟友萩原健一が「たった一人の大切な、大切な師匠」と呼びかける弔辞も収録(監督は「傷だらけの天使」も二話撮っている)。ショーケンファン必読。邦画ファン必読。同業者が対象に心底惚れ込んで作った本を見たい編集者必読。
◎『映画監督 神代辰巳』は「映画芸術」誌の追悼号がきっかけになった由。『映画はやくざなり』も同誌に載った笠原さんの短文が基です。それが片や五時間の歴史大作、片や一時間半のB級アクションみたいになる。編集者の資質の違いに呆然としますねえ。
▽次号の刊行は十二月二十七日です。

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雑誌から生まれた本

波とは?

1967(昭和42)年1月、わずか24頁、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後といった時代でした。この後、1969年に隔月刊に、1972年3月号からは、毎月刊行の月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしました。

 創刊号の目次を見てみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行した北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイ。続く「最近の一冊」では、小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイ。続いて「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 以来41年、2007(平成19)年6月号で通巻450号を迎えました。読書情報誌としての重要な役割の情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。小川国夫『青銅時代』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、遠藤周作『イエスの生涯』(「聖書物語」を改題)、小林信彦『ちはやふる奥の細道』『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』などなど。

 2007年1月号からはレイアウトもリニューアル、頁数も増え128頁となりました。これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みで、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。