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典奴どすえ――こんなフレーズでご記憶の方も多いでしょうか。森下典子さんはかつて週刊朝日の名物連載「デキゴトロジー」の取材記者でした。巷の面白話を追う突撃取材が売りもので、ネタを求めて東へ西へ。祇園で舞妓にもなって、お座敷名を典奴。その名から最初の著作のタイトルは『典奴どすえ』になりました。
記者になる少し前の二十歳の時、森下さんはふとした縁でお茶を習い始めます。『日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ―』は、それから二十五年間の「お茶」をめぐる日々を綴ったエッセイです。就職に悩み、失恋に傷つき、最愛の父との別れに悲しんだ時、いつもそばに「お茶」がありました。何度も挫折しそうになりながら、ただひたすらお稽古を続ける日々。やがて静かな茶室のなかで、うつろう季節を全身で味わう歓びに気づき、日日是好日――毎日がよい日という言葉の本当の意味を知ります。
たくさんの読者から「人生のバイブル!」と深い共感を集めている本書が映画になりました。
監督は大森立嗣さん。主演の典子に黒木華さん。お茶の師匠に樹木希林さん。樹木さんは公開をひと月後に控えた九月十五日に息を引き取られ、本作は最後の出演作品群の一本となりました。
映画「日日是好日」は十月十三日全国公開です。
著者紹介
森下典子モリシタ・ノリコ
1956(昭和31)年、神奈川県生れ。日本女子大学文学部国文学科卒業。「週刊朝日」の人気コラム「デキゴトロジー」の取材記者を経て、エッセイストとして活躍。2018(平成30)年、ロングセラー『日日是好日』が映画化される。同年、続編となる『好日日記』、2020(令和2)年、『好日絵巻』を出版。他に『猫といっしょにいるだけで』『前世への冒険』『いとしいたべもの』『こいしいたべもの』などの著書がある。