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死の淵から生還した94歳、はじめての闘病記。元気と長寿の秘訣とは?

老いも病も受け入れよう

瀬戸内寂聴/著

1,080円(税込)

本の仕様

発売日:2016/05/31

読み仮名 オイモヤマイモウケイレヨウ
発行形態 書籍、電子書籍
判型 四六判変型
頁数 159ページ
ISBN 978-4-10-311226-6
C-CODE 0095
ジャンル エッセー・随筆
定価 1,080円
電子書籍 価格 864円
電子書籍 配信開始日 2016/11/04

脊椎圧迫骨折で入院中にガンが見つかり摘出手術、半年間寝込んでもすっかり元気に復活された寂聴さんの力の源はどこにあるのか? 泣くほどの痛みに苦しんだ闘病生活、その後のリハビリと今の日常生活など、94歳でなお書き続けられる、若さと長寿の秘訣を初めて綴ります。老いも病も前向きに乗り切る力が湧いてくる一冊です。

著者プロフィール

瀬戸内寂聴 セトウチ・ジャクチョウ

1922(大正11)年、徳島生れ。東京女子大学卒。1957(昭和32)年「女子大生・曲愛玲(チュイアイリン)」で新潮社同人雑誌賞受賞。1961年『田村俊子』で田村俊子賞、1963年『夏の終り』で女流文学賞を受賞。1973年11月14日平泉中尊寺で得度。法名寂聴(旧名晴美)。1992(平成4)年『花に問え』で谷崎潤一郎賞、1996年『白道』で芸術選奨、2001年『場所』で野間文芸賞、2011年に『風景』で泉鏡花文学賞を受賞。著書に『比叡』『かの子撩乱』『美は乱調にあり』『青鞜』『現代語訳源氏物語』『秘花』『爛』『わかれ』『いのち』など多数。2002年『瀬戸内寂聴全集』が完結。2006年、文化勲章を受章。

書評

[瀬戸内寂聴『老いも病も受け入れよう』刊行記念特集] 
寂聴さんの元気と長寿の秘密がわかる本

柴門ふみ

 郷里徳島の大先輩・瀬戸内寂聴さんと最初にお目にかかったのは、もう二十年以上も前のことです。まだ三十代半ばだった私は、学生時代に瀬戸内晴美の小説の大ファンであったこともあり大変緊張していたのですが、
「丸い顔の阿波女というところが、似ているわ。まるで娘のよう」
 そう気さくに話しかけてもらい、以来ずっと交流が続いております。
 やがてお付き合いを続けるうちに、
「瀬戸内寂聴は、超人である」
 そんな感想を抱くようになりました。講演、執筆、対談、法話。七十代を過ぎ八十代に入ってからもますますエネルギッシュに活動されていたからです。そして寂聴さんは超人なのだからできるのであり、私のような凡庸な人間は決して真似をしてはいけないと、肝に銘じておりました。
「サイモンさんは何で恋をしないの? 何で徳島で後輩を育てようとしないの? 何でもっと仕事をしないの?」
 お目にかかるたびに、そのような言葉を矢継ぎ早に投げかけられるのですが、いやいや私と寂聴さんではエネルギー総量が違いますからと答えるのが精一杯でした。
 ところが近年、寂聴さんが体調を崩されたという報を耳にするようになりました。が、しばらくすると以前よりさらにパワーアップして元気な姿で現れるので、
「やっぱり、超人だ」
 と思っておりました。腰が悪いとか、どうもガンらしいという噂も、どこか嘘だろうと。そのぐらい、お目にかかると二十年前と変わらぬお元気さだったのです。
 しかし、寂聴さんが自身の病と闘病について書いた『老いも病も受け入れよう』を読んでみて、
「九十四歳になってようやく、超人から人間レベルに降りてきてくれたのだなあ」
 私はそんな感想を抱いたのでした。

「はじめて老いを意識した」のは九十二歳だったという冒頭の言葉に、まずは驚かされました。圧迫骨折で入院してみて、初めて老いに気づいたというのです。
 それ以前にも、八十八歳の時に腰部脊柱管狭窄症と診断され、入院をします。しかし原因は疲労が蓄積したせいであり、老化が原因ではないらしいのです。詳しい検査の結果、第三腰椎の圧迫骨折も見つかり半年の絶対安静を言い渡されます。
 そこまで読んでみて、並の人より数百倍エネルギーを持つ寂聴さんにとってなにもせず半年も寝たきりというのはさぞかし退屈であっただろうと私は推測したのです。が、退屈よりなにより痛くて痛くてただそれだけだったと、書かれているではないですか。
「神も仏もあるものか」
「地獄へ行ってこれ以上痛い目に遭うのはごめん」
 さらに痛みのあまり死んだ方がましとまで思い始め、鬱になったとか。
 もちろん、超人・寂聴さんはその後見事に鬱から立ち直り、そこから「病」と「老い」に立ち向かう心得を習得されるのですが。
 本書を読んで、寂聴さんが本当に痛みに弱い体質だというのがよくわかりました。
 ガンがみつかっても「知らないことが経験できる」とわくわくする好奇心でいっぱいになれるけれど、痛みには全面降伏なのですね。そんな弱みもまた、私には彼女の魅力に思えます。
 痛みを知り病を体験した寂聴さんは、超人から人間に戻って考え抜いた末、「老いも病も死も、受け入れよう」という結論に至るのです。
 すると、心の安らぎを得たというのです。「超人」ではなく「人間」の言葉ですから、読者は今まで以上に親近感を抱いて、深く頷くはずです。

(さいもん・ふみ 漫画家)
波 2016年6月号より

目次

はじめに
第一章 老いに挑戦
1 老いを受け入れる
2 病院と仲良くしよう
3 老いてもきれいに
4 やせてはいけない
5 食事はしっかり、お酒は適量
6 常識の非常識
7 よく眠ることが元気のもと
8 ときめきは若さの秘薬
9 笑いは健康の秘訣
10 好奇心は老いの良薬
第二章 病に負けない
1 身体の声に耳をかたむける
2 医者の言葉をよく聞く
3 「神も仏もあるものか?」
4 私が鬱になるなんて
5 治ったらあれもしたい、これもしよう
6 手術なんか怖くないよ
7 正しい診断こそが必要
8 元気という病気
9 老人はがんばらない
10 セカンドオピニオンを聞いてみる
11 寝込んでいる間に、自分と向き合う
12 おなかに指で般若心経を書いてみた
13 「日にち薬」は効く
14 絶望するな
15 治ると信じる力
第三章 長生きしよう
1 足腰の筋肉の強化
2 日常生活で続けるリハビリ
3 治ってもリハビリ
4 肉親よりも友人
5 想像力が介護の柱
6 ボケると楽よ
7 祈りは人のために
8 あの世はある
9 年をとるのを恐れない
10 死ぬのは怖くない

瀬戸内寂聴さんインタビュー

病のおかげで、いちばん大切なことがはっきりしました。

瀬戸内寂聴

――今年九十四歳になられた瀬戸内寂聴さんは、八十八歳の秋に腰椎圧迫骨折で半年間寝込みました。まったく歩けない状態から二〇一一年の震災をきっかけに復活、その後は元気に活動されていました。しかし九十二歳の春に再び圧迫骨折で入院、そこで胆のうガンが見つかり、全身麻酔で摘出手術をされました。
 現在はリハビリを重ねて回復され、お元気になられましたが、長く寝込んでしまった状況から、二度も復活された寂聴さんの力の源はどこにあるのでしょうか。病になってつかんだ元気と長寿の秘訣を、はじめての闘病記『老いも病も受け入れよう』でお読み下さい。


本書「はじめに」より
 人間が生まれてくるのは、必ず死ぬためです。
 現在、日本は世界一の長寿国になっています。百歳以上の人は六万人を越えているそうです。しかし、長寿の人が必ずしも健康体とは言えません。動けなくなり、下の始末も人まかせになり、認知症になっている人もたくさんいます。その介護に家族は泣かされています。
 そうした逃れられない老いの行く手には、これもまた逃れられない、死が待ちうけています。
 医療は目覚ましい進歩をとげ、たいていの病気を治す薬を発明し、手術も進化の一途をたどっています。
 あらゆる宗教も、人間の老いと死を考えぬいた結果、生まれています。
 それでも人間は、必ず襲い来る老いと死に脅え、恐れ、厭わないではいられません。
 私は、二〇一六年五月十五日に満九十四歳(数え九十五)になりました。
 これまでにさまざまな病気にもかかっています。最近では、九十二歳で胆のうガンの手術もしています。
 足腰は相当不自由になりましたが、まだ一人で歩けるし、毎月、締め切りのある小説を書き続け、僧侶として月に何度か法話も続けています。
 身の回りの肉親も友人も、次々に波にさらわれるように慌ただしくあの世へ去っていきました。
 今夜死んでも不思議ではない自分の、老いと死を見つめ、どのように最期を迎えようかと考え続けています。
 結論として、今のところ、「老いも病も死も、受け入れよう」という考えにたどりつきました。闘うことも、逃れる方法もあるかもしれません。でも、私のいま行きついた気持ちは、それが持って生まれた人間の運命なら、すべてをすんなり受け入れようというものです。そしてそれは思いの外に、心の休まる結果を招いています。
 やがて必ず迎えられるあなたの老いと死の参考にしていただければ幸いと思います。


(せとうち・じゃくちょう 作家)
波 2016年6月号より

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