FICTION
1,870円(税込)
発売日:2023/11/29
- 書籍
- 電子書籍あり
作り話の世界で生きてきた。芥川賞受賞作『しんせかい』に連なる反自伝小説。
演劇する集まりを立ち上げ、「FICTION」と名付けた。人が入れ替わりながら、わたしは残り、十六年つづけ、小説も書くようになった。仲間のひとりは夭逝し、もうひとりは体が半分しか動かない身で小説を書こうとしている。二度の大病をしたわたしは回顧し始める。死と生、芸術を奔放なスタイルで思索する連作短篇集。
FICTION 02 楽園
FICTION 03 ラボ
FICTION 04 変転する北極星
FICTION 05 サンパヤ テレケ
FICTION 06 黄金の馬車
FICTION 07 助けになる習慣
書誌情報
読み仮名 | フィクション |
---|---|
装幀 | 横山雄/カバー装画、新潮社装幀室/装幀 |
雑誌から生まれた本 | 新潮から生まれた本 |
発行形態 | 書籍、電子書籍 |
判型 | 四六判変型 |
頁数 | 160ページ |
ISBN | 978-4-10-350362-0 |
C-CODE | 0093 |
ジャンル | 文芸作品 |
定価 | 1,870円 |
電子書籍 価格 | 1,870円 |
電子書籍 配信開始日 | 2023/11/29 |
インタビュー/対談/エッセイ
この「箴言」を自室のドアの内側に貼っています。
俳優の山﨑努さんに山下澄人さん著『FICTION』の帯に推薦コメントをお願いしました。この間、ふたりのあいだで取り交わされたやりとりをご紹介します。
▼山﨑さんから山下さんへ
「目が悪くなり、活字は少し読むと霞んでしまう。第一章(=「FICTION 01 象使い」)を拝読した感想を短い文章にしました」(感想は下の直筆です)
▼山下さんから山﨑さんへ
「ああすごい。役者だからこその実感が、この感想に記されています。ぼくはまさにそうなんです。演劇と小説のつながりをこれまで何度も聞かれましたが、うまくこたえられたことがなかった。だけど、小説とつながるのは役者の感性なんです。反自伝小説とも言える『FICTION』で、ぼくは演劇と生について小説で書いてみたかった。『個』とは何か。とてもうれしいです」
▼山﨑さんから山下さんへ
「推薦コメント、送ります」(推薦コメントは下の直筆です)
▼山﨑さんから山下さんへ
「推薦コメント、気に入って頂けたら本当に嬉しいです。僕はこの『箴言』を自室の ドアの内側に貼っています。部屋を出る時必ず目につく位置に。この本を読み始めて、直ぐに、あ、迷人は山下澄人さんなんだ! と」
▼山﨑さんから山下さんへ
「続きです。『僕も迷人の名人になりたいけど俗人』、です」
(やまざき・つとむ 俳優)
(やました・すみと 作家)
波 2023年12月号より
単行本刊行時掲載
著者プロフィール
山下澄人
ヤマシタ・スミト
1966年、神戸市生まれ。富良野塾二期生。劇団FICTIONを主宰。2012年『緑のさる』で野間文芸新人賞、2017年『しんせかい』で芥川賞を受賞。著書に『ギッちょん』『砂漠ダンス』『君たちはしかし再び来い』『おれに聞くの? 異端文学者による人生相談』など。