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今月の表紙の筆蹟は、南沢奈央さん。

波 2023年12月号

(毎月27日発売)

100円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2023/11/28

発売日 2023/11/28
JANコード 4910068231239
定価 100円(税込)
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筒井康隆/アルコール・煙草・ジャズ シリーズ第10回
阿川佐和子/やっぱり残るは食欲 第75回
【加納愛子『行儀は悪いが天気は良い』刊行記念】
[対談]加納愛子×綿矢りさ/最強にハートフルな“しゃべくりエッセイ”、爆誕!

【南沢奈央『今日も寄席に行きたくなって』刊行記念】
[対談]南沢奈央×蝶花楼桃花/ゴールのないこの世界で 後編

河崎秋子『ともぐい』
東山彰良/ゆらめく野性に喰らいつくもの

古川日出男『紫式部本人による現代語訳「紫式部日記」』
いしいしんじ/クラインの壺におさめられた「いま」

コスタンティーノ・ドラッツィオ、上野真弓 訳『ミケランジェロの焔』(新潮クレスト・ブックス)
一色さゆり/ミケランジェロの知られざる「焔」

中山七里『絡新婦の糸―警視庁サイバー犯罪対策課―』
若林 踏/変わりゆく悪と、変わらぬ刑事の目

山下澄人『FICTION』
山﨑 努×山下澄人/この「箴言」を自室のドアの内側に貼っています。

荻上チキ『もう一人、誰かを好きになったとき―ポリアモリーのリアル―』
吉川トリコ/「不倫はずるい!」と言う前に

ペギー・オドネル・ヘフィントン、鹿田昌美 訳『それでも母親になるべきですか』
中江有里/母も、そうでない人も

スズキナオ『思い出せない思い出たちが僕らを家族にしてくれる』
齋藤陽道/めくるめく輪廻の尻尾に触れたナオさん

高坂正堯『歴史としての二十世紀』(新潮選書)
中西 寛/「但し書き」の精神

【こいしゆうか『くらべて、けみして 校閲部の九重さん』プレ刊行企画】
[アンケート]私は見た…! 校閲の正体
石井光太/「校閲」という名の20年の呪い
今村翔吾/マモりのカナメ
芦花公園/私ほど校閲さんに助けられている作家もいないと思う
飯間浩明/著者を信用しないでください
北村 薫/姫君
尾崎世界観/正しく間違える
酒井順子/「べき」と「べし」
【特別企画】
南陀楼綾繁/84冊! 新潮文庫の池波正太郎を全部読む 後編

【私の好きな新潮文庫】
塚本晋也/人間に潜む暴力性
 フランツ・カフカ、高橋義孝 訳『変身
 遠藤周作『沈黙
 大岡昇平『野火

【今月の新潮文庫】
望月諒子『大絵画展』
大森 望/アート×コンゲームの大興奮傑作ミステリ

【コラム】
[とんぼの本]編集室だより

三宅香帆/物語のふちでおしゃべり 第21回

三枝昂之・小澤 實/掌のうた

崎山蒼志/ふと、新世界と繋がって 第15回

加藤梨里『世帯年収1000万円―「勝ち組」家庭の残酷な真実―』(新潮新書)
加藤梨里/「異次元」に置き去りにされた人たち
【連載】
橋本 直(銀シャリ)/細かいところが気になりすぎて 第14回
エリイ(Chim↑Pom from Smappa!Group)/生時記 第16回
近藤ようこ/家守綺譚 原作 梨木香歩 第15回
梨木香歩/猫ヤナギ芽ぶく 第11回
内田 樹/カミュ論 第22回
坪木和久/天気のからくり 第4回
伊与原 新/翠雨の人 第23回
川本三郎/荷風の昭和 第67回
編輯後記 いま話題の本 新刊案内 編集長から

立ち読み

編集長から

今月の表紙の筆蹟は、南沢奈央さん。

◎編輯後記というくらいですから、本当に編集作業の最後、〈いま話題の本〉も今月は僕が書いた後で、この欄に向っています。『エロチック街道』愛が止まらなくなったので、あの短篇集の話をもう少し(まずこのページから読んでやってください)。
◎最近某人気番組から「早口ことば」の使用願いがあり、筒井さんに許可を貰ったものの、再度連絡があって、「収録したのですが、タレントが誰もきれいに読めなかったのでボツになりました」。しかし昔の番組で、タモリさんがこの「早口ことば」をどんどん読みあげるのを見たことがあります。「焼け爛れた客食った柿は隣りの竹屋の客」等々スルスル読み「凄い」と山下洋輔さんが驚くと、タモリ「を思い浮べると簡単なんだよね」洋輔「どんな画だよ!」。
◎塙嘉彦編集長時代の「海」に発表され、蓮實重彦氏も賞賛する「遠い座敷」も、全ての行をギャグで進めていく「日本地球ことば教える学部」や「インタヴューイ」も、ツツイ的ノスタルジイが横溢する「かくれんぼをした夜」も只管素晴らしいのですが、唯々爆笑するのは「時代小説(文庫版で三十四ページ)」。全三巻(天の巻、地の巻、地底の巻)三十一章(ぬはの章、玄関の章、その次の章etc.)からなり、無限大のものものしさとゼロに等しい物語内容に井上ひさしさんが文芸時評で感嘆した傑作。こんな作品が十八篇も並び、もうダダもシュールもマジックリアリズムもあるものかという気分になります。
◎「ジャズ大名」のテーマも佳曲ですが、〈作曲家筒井康隆〉からもう一曲選ぶなら『美藝公』の「活動写真」。これをスローバラードにした中村誠一のテナー版(「寿限無/山下洋輔の世界Vol.2」)が素晴らしく、〈漫画家筒井康隆〉から一作選ぶなら……。
▽次号の刊行は十二月二十七日です。

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雑誌から生まれた本

波とは?

 1967(昭和42)年1月、わずか24ページ、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後という時代でした。こののち1969年に隔月刊に、1972年3月号からは月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしています。

 創刊号の目次を覗いてみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行したばかりの北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイがあって、続く「最近の一冊」では小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイで、続いての「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 創刊から55年を越え、2023(令和5)年4月号で通巻640号を迎えました。〈本好き〉のためのブックガイド誌としての情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。安部公房『笑う月』、遠藤周作『イエスの生涯』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』、池波正太郎『原っぱ』、小林信彦『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』、椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』、橘玲『言ってはいけない』、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』などなど。

 現在ではページ数も増えて128ページ(時には144ページ)、定価は100円(税込)となりました。お得な定期購読も用意しております。
 これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みを続けながら、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。