友近の思い立ったらひとり旅
1,815円(税込)
発売日:2024/10/30
- 書籍
- 電子書籍あり
旅好き芸人友近が本当のお気に入りだけを案内する、とっておきガイド!
愛読書は旅行雑誌。仕事の合間に旅行サイトを徘徊するのが日課で、全ての都道府県を制覇してもなお、一日に約五時間も旅のことを考える。地方ロケの後に足を延ばした温泉宿、稽古中に見つけた美味しいお店、自宅でも旅気分が楽しめるグッズたち。温泉、グルメ、鉄道、絶景を網羅したごきげんなひとり旅のススメ。
まえがき
週末ひとり旅の楽しみ ●岐阜・下呂温泉「しょうげつ」
松山よいとこ一度はおいで ●愛媛・道後温泉
観光列車で移動メインの旅 ●新潟・上越妙高
贅沢旅で自分と向き合う ●石川・能登「よしが浦温泉 ランプの宿」
観るたびに感動する「女将劇場」 ●山口・湯田温泉「西の雅 常盤」
行ったのにまたすぐ行きたくなる宿 ●新潟・妙高高原「赤倉観光ホテル」
友近流「いい店うまい店」 ●東京、名古屋
富士山が見える快適グランピング ●山梨・富士忍野「グランドーム富士忍野」
美味しくて楽しい下町をぶらり ●大阪・西成
仕事が旅、旅が仕事の日々です
ディープタウンの魅力を再発見 ●北海道・帯広
本当に美味しいお土産はこれだ! ●愛媛、広島、名古屋、福岡、北海道
やっぱり最高なハワイ旅 ●ハワイ「トランプ・インターナショナル・ホテル・ワイキキ」
すべてを忘れてリセットできる島 ●愛媛・馬島「GLAMPROOKしまなみ」
今熱い! 全国おすすめ公園ベスト3 ●大阪、熊本、東京
白川郷で感動の連続 ●岐阜・平瀬温泉「藤助の湯 ふじや」
たまらなく好きな硫黄泉 ●大分・日田温泉「奥日田温泉 うめひびき」
「家にいるのに旅気分」を味わう方法
大好きな先輩と大好きな黒豚を ●鹿児島・霧島温泉「霧島国際ホテル」
万座の湯にハマってしまいました ●群馬・万座温泉「万座プリンスホテル」「万座高原ホテル」
一男ちゃんだって旅をします
お花見全国行脚と春爛漫ツアー ●東京、愛媛 ほか
金曜日は千葉にラジオ旅行 ●千葉・海浜幕張
森下グルメに詳しくなりました ●東京・森下
テンション上がる博多へGO! ●福岡・博多
秋キャンプのすすめ
第二の故郷のお気に入りグルメ ●愛知・名古屋
バリ島でセレブ気分! ●バリ島「ジ・アプルヴァ・ケンピンスキー・バリ」
一年の旅の思い出を振り返る ●佐賀・嬉野温泉「嬉野 八十八」ほか
あとがき
書誌情報
読み仮名 | トモチカノオモイタッタラヒトリタビ |
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装幀 | 加藤正臣/装画、新潮社装幀室/装幀 |
雑誌から生まれた本 | 小説新潮から生まれた本 |
発行形態 | 書籍、電子書籍 |
判型 | 四六判 |
頁数 | 208ページ |
ISBN | 978-4-10-355821-7 |
C-CODE | 0095 |
ジャンル | エッセー・随筆、ノンフィクション |
定価 | 1,815円 |
電子書籍 価格 | 1,815円 |
電子書籍 配信開始日 | 2024/10/30 |
インタビュー/対談/エッセイ
「段取り力」がすごい!
ロケや単独ライブの全国ツアーだけではなく、プライベートでも全国各地を飛び回っているという友近さん。公私ともに親しい後輩芸人・ガンバレルーヤの二人が、旅の極意と爆笑必至な道中を大解剖!
よしこ 友近さんとは、ロケだけじゃなく、プライベートでも一緒に旅行に行かせていただいてます。最近だと、星野リゾートが経営してる五反田のホテルに泊まりましたね。
友近 夜景が綺麗で良かったね。今度、私のライブのゲストにガンバレルーヤが出てくれることになってて、ネタ合わせをしなくちゃいけなくて。実はあそこ、「ヒルナンデス!」のロケで行って、ここで二人とネタ合わせしたいなあって思ってたんよ。
よしこ ロケの後すぐに行きすぎて、インサート(映像)を撮るために来てたスタッフさんと鉢合せそうになりましたよね(笑)。
友近 見つかったら恥ずかしいから、めっちゃこそこそしてた(笑)。放送後だと予約が取りづらくなる! って思ってすぐ行ったら、まさかの。
まひる ロケ隊より早いって、友近さんらしいですよね。
よしこ ほんと、行動力の鬼! その日のご飯は、近くでテイクアウトして部屋で食べたんですけど、お店もメニューも友近さんが「ここのこれがええよ」ってテキパキ教えてくれて。それが全部めっちゃおいしいんですよ。本にも書かれてましたけど、食べログの点数とかじゃなくて、友近さん独自の目利きがありますよね。しかもそういう情報のストックが、メモもないのにスッとすぐ出てくるのがすごい。
友近 頭で覚えてるのもあるし、ここ気になる! って思ったらすぐ検索するからスマホに履歴も残ってんのよ。
まひる 写真一枚じゃ判断しないのも鉄則なんですよね。
友近 そうそう。公式写真はライティングが明るすぎて、なんか嘘くさいなって(笑)。口コミはめっちゃ見るよ!
旅が仕事で、仕事が旅
よしこ 友近さんの段取り力が爆発してたのが「友近ツーリスト」で連れて行ってもらった愛媛旅行だよね。
まひる ほんと楽しかったです。一泊二日でしたけど、二日目は朝ごはんを食べたらすぐに帰らないといけなかったから、実際には丸一日。なのに大充実でした!
よしこ 数えたら二十五個も行程がありましたもん!
友近 細かいのも入れて、やけどね。まーちゃん(まひる)が「千と千尋の神隠し」を好きだから、モデルになった道後温泉本館に連れて行こうとか、二人に愉しんでもらいたいと思っていろいろ組んだらそのくらいになって(笑)。
よしこ 全部楽しかったです。「坊っちゃん列車」っていう路面電車の駅で電車が来るのを待ってたら、そこに電車にめっちゃ詳しい男の子がいて、友近さんが普通に話したりしてましたよね。
まひる 友近さんとはロケをご一緒することも多いんですけど、仕事だってことを忘れそうになるくらい、いつも本当に楽しい。この時は、友近さんがあまりにも自然に男の子に話しかけるから、プライベートなのに「ロケだっけ?」って錯覚しそうになりました。お仕事とプライベートの境目があんまりないというか。
友近 そう、まさにこの本でも書いたけど、旅が仕事で、仕事が旅っていう毎日を送りたいんよ。だからロケも大好きだし。ロケで知り合ってお友達になった人もたくさんおる。
よしこ 少年と別れて路面電車に乗って、本でも紹介されている「でゅえっと」でミートソーススパゲッティを食べて、それでもまだお昼前とか。とにかく動線に無駄がなさすぎて(笑)。そのあと、港町のオシャレなかき氷を食べに行ったり、友近さんのお友達に会いに行ったり……。
友近 この時は会えなかったけどね。お店をやってるNaomi*キャンベルさん。愛媛ではちょっと有名なんですけど。この人と知り合ったのもロケだったかな。そして私の思い出の地を巡って、ちゃんとした観光地も入れようと思って松山城に行ったり。私が松山城に行くときはロープウェーじゃなくてリフトとか、小ネタも入れつつ(笑)。
まひる それから私が大好きな霧の森大福を食べに行きました。
よしこ そのあと、友近さんが急遽思い立って奥道後温泉にアポを入れてくださったんです。今話題の「友近サスペンス劇場」の舞台にもなってる場所!
友近 温泉だけ入りに行ったね。「壱湯の守」さんの貸切露天風呂。
まひる ツルッとした卵のようなお湯も最高で景色も綺麗だったけど、何が素敵って、友近さんのカラダ……思わず「キレイねえ」って溜息が。
よしこ それも含めて、ほんと、最高の景色でした!
友近 何言ってんの! 嬉しいけど(笑)。そのあとタクシーで「道後御湯」っていうホテルに行ってチェックインして。全室露天風呂付きで、ここのテラス風呂も最高! また一風呂浴びた後に、西尾一男のモデルになった大将がいる焼肉屋に行ったね。
よしこ 大将、ほんとに「段取り」って言ってましたね。極上のお肉でした! しかもそこにさっき会えなかったNaomi*キャンベルさんが登場! 友近さんが愛媛に帰ってるっていう情報が回ってたらしく、現れるなり「ほらおったー」って。初対面なのにめっちゃテンション上がりました。
まひる そして、焼肉屋さんの後に行ったストリップ劇場が、もうほんとすごかったです。
友近 まーちゃん、ほんとに気に入ってくれてたなあ。
まひる 気に入ったなんてレベルじゃなくて。ストリップ、初めて見たんです。ショーとしても素晴らしかったし、怪談の演目だったんですけど、ちゃんとストーリーがあって、いやらしいとかじゃなく、芸術って感じで魅了されちゃいました。思わず涙しちゃって……。
友近 あの世界にぐっと入ったよね。あれ? まーちゃん!
(まひるによるストリップの再現)
友近 一回見ただけなのに完コピやん! しかも踊り子さん三人分!!
まひる 自分たちでプランニングしても絶対に行けないようなディープな場所に連れて行ってもらって、友近さんには、ほんと感謝してます。思い出すと、あの時の光景が蘇って体が動いちゃう。
友近 まーちゃんが全部覚えてるの凄いわ。いい経験したなあ。
まひる ストリップっていう文化を、絶対に日本から絶やしてほしくないって思いました。
友近 昭和っていいよなあ。私もそう思って「友近サスペンス劇場」を作ったもん。
よしこ そのあとはホテルに戻ってぐっすり寝て、次の日の朝ごはんも美味しかった……。
友近 あそこは朝ごはんもめちゃくちゃ美味しいからね。絶対食べてもらいたかった。
よしこ ホテルから空港へは友近さんのお母さんが車で送ってくださったんですけど、お母さんがまた面白くて。車の中でも笑いまくって、至れり尽くせりでした。愛媛に旅行に行くときは、いつもこんな感じなんですか?
友近 いやいや、一緒に行く相手によって結構変えてるよ。もちろん定番の、鉄板スポットみたいなんもあるけど、この人とここに行きたい! って考えて連れていくことが多いなあ。
よしこ 私たちのために色々考えてくれてたんですね! 友近さんって地元愛すごいなあと思うんですけど、ウチの地元すごいやろ! どや! みたいな感じじゃ全然なくて。押し付けがましくないっていうか、ほんとしみじみと素敵なところやなあ、楽しいなあって思えたんですよね。プレゼン能力がめちゃくちゃ高い。
まひる 友近さんの視点で、ほんとに面白いって思ったものだけ厳選してくれてる感じですよね。Naomi*キャンベルさんなんて絶対にガイドブックに載ってないし。旅行中にお会いした人も、お仕事とプライベート関係なく友近さんが出会って、今でもずっと仲良い人ばっかりで。友近さんは「これ面白そう!」って思ったら躊躇いなく飛び込む行動力とか瞬発力がめっちゃ高いですよね。そして、その時間を誰より楽しんでるのが友近さんだから、空気感も一緒に伝わってきて、素直に楽しいなあって思えます。
ひとりで行くか、誰かと行くか
よしこ 友近さんってほんと行動に無駄がなくて、移動中とかもずーっと何かしらやってるんですよね。私なんて新幹線とか飛行機に乗った瞬間に寝ちゃうんですけど、友近さんは台本読んだり、パンフレット読んだり、ペチャンコのパン取り出して食べたり(笑)。エッセイも移動中に書いたりしてたんですか?
友近 いや、原稿は家で書くことが多かったかなあ。私、原稿用紙に鉛筆で手書きなのよ。下書きもせずに。だから二、三時間、時間を取って、何書くかが降りてきたら、書くぞ! って気合いを入れてばーっと書いてた。大体、原稿用紙で八枚くらいだったかな。
よしこ えー! 昭和の文豪みたい。
友近 そうかも(笑)。たまにロケ先とか旅館でも書くんやけどさ、そういう時はレターパックが入るポストとか郵便局が近くにあるかどうかをまずチェックしとく段取りが重要(笑)。我ながら、よく筆が止まらずにここまで書き切ったなあって思うわ。
まひる すごすぎる……。そういえば、うちのお父さんが、私が友近さんと一緒に道後温泉に行った写真を見て「十五歳くらいの時、三ヶ月住み込みで道後温泉の非常階段のペンキを塗ったんだよ。懐かしいな」って連絡くれたんです。
友近 へえ! お父さんいくつやったっけ?
まひる 五十一歳です。
友近 あ、同じ歳やね。その頃すれ違ってるかもな。
まひる それまで知らなかった一面が分かって、お父さんを道後温泉に連れて行ってあげたいなって思いました。旅行って、行きたいなあとは思うけど、どうしても腰が重くて。でも、友近さんみたいに「思い立ったら」で行く気軽さ、真似したいです。乗る電車とかも細かく書かれてるから、この本の通りにすればいいだけやし(笑)。
よしこ この本は「ひとり旅」ってついてますけど、ひとり旅にするか、誰かと行く旅にするかって、どうやって決めてるんですか?
友近 完全にスケジュールやね。みんな忙しいから予定を合わせるところから大変だし。あー温泉行きたい! って思ってすぐ調べて予約して……って行くことも多いから、そういう時はひとり旅。それはそれで楽しい。でもスケジュールが合えば、また二人とも行きたいな。
よしこ えー、めっちゃ嬉しい! 次はどこに行きますか?
友近 本にも書いたけど、やっぱり山口の「女将劇場」?
まひる 気になってました! お供します!
(ともちか 芸人)
(ガンバレルーヤ まひる・よしこ 芸人)
波 2024年11月号より
単行本刊行時掲載
著者プロフィール
友近
トモチカ
1973年、愛媛県松山市生まれ。2000年入学の吉本興業の若手タレント養成所NSC第23期生。ピン芸人として活動し、2003年にはNHK上方漫才コンテスト優秀賞、NHK新人演芸大賞を、2004年にはABCお笑い新人グランプリで優秀新人賞を受賞。ひとりコントやものまねには定評があり、数多くのバラエティー番組やCMに出演、人気を博している。ドラマ、映画等で女優としても活躍。コンスタントにコントライブを開催するほか、芸能生活50年の水谷千重子、中高年プロアルバイター西尾一男などと共に全国を駆け巡る。