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会う力─シンプルにして最強の「アポ」の教科書─

早川洋平/著

1,870円(税込)

発売日:2025/03/17

  • 書籍
  • 電子書籍あり

この1冊だけあればいい。インタビューのプロが明かす完全マニュアル。

アポの結果は、連絡を取る前にほぼ決まっている。会える確率を高める準備からスムーズな対話への入り口、効果的な質問、関係を深めるための気遣いまで。コネゼロ、知名度ゼロから2000人以上への取材を成功させたインタビューのプロが失敗しない「人との会い方」のコツを包み隠さず大公開。公私で使えるノウハウ満載。

目次

はじめに

序章 会うことの効力
人付き合いが苦手でも大丈夫
会いに行くことの価値(1)相手を総合的に知ることができる
会いに行くことの価値(2)「人生の教科書」をつくることができる
対話で人生をアップデートする
すべては1枚の「会いたい人リスト」から

第1部 会う前編
第1章 リサーチから「会う」は始まる
リサーチにはふたつの種類がある
お相手のプロフィールやSNSを見る(パブリックリサーチ無料編)
お金を払ってでもチェックすべきこと(パブリックリサーチ有料編)
「カラーバス効果」を使おう(オリジナルリサーチ(1))
自分の得意ジャンルから考えてみる(オリジナルリサーチ(2))
足で得たリサーチに勝るものなし(オリジナルリサーチ(3))
共通点と地雷点をピックアップ(オリジナルリサーチ(4))
リサーチした情報はふたつの「箱」に分ける
会う前からメモをとろう

《コラム》おすすめのメモ術・ツール

第2章 アポ取りのチャンスはどこにでもある
アポ取り前のマインドセット
アポ取りには「直接」と「紹介」の2パターンしかない
相手の心を動かす三つのポイント
直接型のポイント(1)相手に会える場・サービスを見つける
直接型のポイント(2)まっさらからの申し込みにもチャンスはある
直接型のポイント(3)わずかな接点でも「接点」に変わりはない
紹介は「お願い」してはいけない
紹介型のポイント(1)タイミングを考える
紹介型のポイント(2)いつでも・どこでも想いを語る
紹介型のポイント(3)リマインドは控える
紹介型のポイント(4)時には勇気をもって断る

《コラム》謝礼・手土産の流儀

第3章 「段取り」がスムーズな対話への入り口
お礼と報告はマスト
できるだけ「生」に近いリサーチでイメトレを
お相手がリアルタイムで注力していることをチェック
リマインドは3日前に
資料・企画書は紙で用意する
ロケハンをする
空白のスケジュールを確保する
90分前には現地入りする

第2部 当日編
第4章 質問がお互いにとってよい時間をつくる
「なぜその人に会いたいのか」を自問する
相手が答えやすい質問から対話を始める
自分にも相手にもプラスになる質問を用意
質問のストックが違いを生む
実際に使っている47の質問リスト
年表で相手のバックグラウンドを俯瞰する
最適な質問の量は6割
質問の優先順位の決め方
縁を紡ぐ質問をする
相手からフィードバックをもらう
日頃からできる四つのトレーニング

第5章 会っている時間をワンランク上の体験にするには
時間を作ってくれたお礼は絶対に
対面時にまず確認する三つのこと
緊張で頭が真っ白になったら
すべてのリサーチはいったん忘れる
話題の “ホットポイント”の見つけ方
相手のふところに飛び込む
会っている間のメモのとり方

第3部 会った後編
第6章 会った「後」こそ大切にする
周囲の方にもお礼を忘れずに
お礼はメールと手紙をセットで
お相手へのホウレンソウも必ず
「初めてのお誘い」は断らない
相手のために考える時間を予定する
「その先」の人まで喜んでもらえることを考える
尊敬はしても、ファンにはならない距離感を
「相手にとって特別な日」を最大限活用する
三方よしの場づくりのすすめ
自分に合う場は「好き」を基準につくる

第7章 会うと、あなたに起きること
人間として成長できる
自分の中のメンタルブロックが外れる
どんどん色々な人に会えるようになる
どこでも、誰にでも臆せず想いを伝えられるようになる
インスピレーションが湧きやすくなる
貴重な一次情報が入ってくる
自分が何者かを知ることができる
センスや能力が磨かれる
さまざまな知恵が血肉となる

おわりに

書誌情報

読み仮名 アウチカラシンプルニシテサイキョウノアポノキョウカショ
装幀 加納徳博/装画、新潮社装幀室/装幀
発行形態 書籍、電子書籍
判型 四六判変型
頁数 288ページ
ISBN 978-4-10-356191-0
C-CODE 0030
ジャンル 実用・暮らし・スポーツ
定価 1,870円
電子書籍 価格 1,870円
電子書籍 配信開始日 2025/03/17

書評

洋平くんの『会う力』

石田衣良

 記憶に残る限り、早川洋平くんときちんと言葉を交わしたのは、今から一〇年前の冬のことだった。集英社から『オネスティ』を上梓したばかりで、まとめて取材をこなしていた時期で、ぼくは通常の著者インタビューのひとつと気軽に考えていた。その取材の終わり近く、洋平くんは真剣にいった。
「おもしろい本はたくさんあるのに、どうして紙の本ってこんなに売れなくなったんですかね。なにかできることはないかなあ」
 胸をぐさりと刺された気分だった。ぼくもまったくの同意見だったのである。西側諸国のあいだで紙の本の売り上げが急落している国は、悲しいけれど日本だけだ。新刊インタビューでは何人もの出版関係者と話をしたが、実際に自分で行動して現状を打開したいと口にしたのは、洋平くんひとりだった。ぼくの返事はつい前のめりになった。
「本の世界を元気にするために、ぼくたちにもなにかできることはないか。つぎの打ち合わせまでに、各自アイディアひねってこようよ」
 二〇歳年下の洋平くんとぼくは、そのときから同志になった。何度かミーティングを重ね、まずメールマガジンや読書会から手をつけた。それが形を変え、進化して、五年ほど前からユーチューブ、ニコニコ動画、アップルポッドキャスト、スポティファイなどで、動画や音声の配信をするようになった。毎週約九〇分ほど、木曜公開の本のトークショーである。
「大人の放課後ラジオ」は、本の紹介を中心とする肩の凝らない愉快な番組で、洋平くんにも共演者として登場してもらっている。ときにボケたり、鋭くツッコんだりと、ぼくの心強い相方なのだ。今興味を惹かれる必読のお勧め本、驚くような切り口の新書、単純におもしろい小説、そして半期に一度の直木賞予想ダービーなどがメインの内容だ。炎上はしない、人気の芸能ネタはない、過激な右翼プロパガンダもない。けれど、地味ながらじりじりと着実に支持を集め、各プラットフォーム合計の登録者数は二万五〇〇〇人を超えて伸び続けている。つぎは一〇万人を目指そうと、スタッフ全員が燃えているのだ。
 ぼくが洋平くんに本を書いてみたらといったのは、気まぐれでも思いつきでもなかった。彼には特異な才能があったからである。例えば打ち合わせである本の話題が出る。ぼくなら「あの本おもしろかったね」で終わるのだけれど、洋平くんはさりげなくいうのだ。
「上手くアポが取れたので、来月あの本の著者に会いにいってきます」
 そして実際にフランスやイギリスやアメリカに飛んでいき、英語で取材をこなしてくるのである。こんなにフットワークが軽くて、好奇心旺盛で、気難しい人物の多い書き手の懐にさっと入っていける人を、他にぼくは知らない。彼は最初から「会う力」が抜群だったのだ。
 洋平くんのデビュー作には、たいへんな元手がかかっている。二〇〇〇人を超える国内外、有名無名の人々に取材を重ねたプロ・インタビュアーとしてのノウハウを、出し惜しみなくすべて一冊の本にまとめているからだ。アナウンサーやマスコミ志望の学生、広報や広告部に籍を置く会社員、フリーランスのライターやインタビュアーなら、仕事の中核的なスキルだけでなく、生きていくうえで役立つヒントを、この一冊から幾つも発見できることだろう。『会う力─シンプルにして最強の「アポ」の教科書─』は必ず元が取れるめずらしい本である。
 洋平くんが七年がかりで仕上げた最初の作品がようやく本になる。自分が年を取ったせいか、友人のデビュー作に立ちあうのは、思っていたより遥かにうれしい経験だった。ずいぶん昔のことに感じるけれど、第一稿を読ませてもらいわずかながらアドバイスをしたこともある。何度も書き直しを重ね、呻吟しているところを目撃もしてきた。本を書くのは誰にとってもたいへんな苦行で力業なのだが、洋平くんは見事に乗り越えてみせたのだ。
 つぎは読者のあなたが、自分の一冊に「出会う力」を試される番だ。『会う力』を読んで、あなたの人生の「会う力」を高めてください。その先にはきっと想像もしない未来と未知の懐かしい人たちが、待ってくれているはずだ。

(いしだ・いら 作家)

波 2025年4月号より
単行本刊行時掲載

著者プロフィール

早川洋平

ハヤカワ・ヨウヘイ

1980年、横浜生まれ。中国新聞記者等を経て2008年起業。羽生結弦、吉本ばなな、高田賢三、ケヴィン・ケリーら各界のトップランナーから市井の人々まで国内外分野を超えてインタビューを続ける。2013年からは戦争体験者の肉声を発信するプロジェクト『戦争の記憶』にも取り組む。『We are Netflix Podcast@Tokyo』『横浜美術館「ラジオ美術館」』『石田衣良「大人の放課後ラジオ」』等メディアプロデュースも多数。インタビューメディア『LIFE UPDATE』配信中。

プロインタビュアー早川洋平Webサイト (外部リンク)

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