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スノードロップ

島田雅彦/著

1,760円(税込)

発売日:2020/04/24

  • 書籍
  • 電子書籍あり

「立憲君主国」日本の最後の「良心」はどこにあるのか? 禁断の「皇室小説」! 

「あなたは考えたことがありますか? 自分がラストエンペラーになるかもしれないって」――私は東京の空虚な中心に広がる森に住む憂いの皇后。ハンドルネームはスノードロップ。花言葉は「希望」「慰め」。腐敗した泥舟政権は国民を国家に奉仕させる倒錯を繰り返す。さあ、「ダークネット」を駆使し、「令和の改新」を実行すべし!

書誌情報

読み仮名 スノードロップ
装幀 菊地信義+新潮社装幀室/装幀
雑誌から生まれた本 新潮から生まれた本
発行形態 書籍、電子書籍
判型 四六判
頁数 200ページ
ISBN 978-4-10-362210-9
C-CODE 0093
ジャンル 文芸作品
定価 1,760円
電子書籍 価格 1,760円
電子書籍 配信開始日 2020/10/02

インタビュー/対談/エッセイ

皇后陛下が立ち上がる時

島田雅彦望月衣塑子

「令和」改元から1年。新しい天皇陛下の世がいよいよ本格的に始まる今、小説家の想像力が未来の皇室像を予言する……。日本の政治の最先端に立ち、首相官邸での「質問」により世論を動かす新聞記者がどう読んだか。禁断の「皇室小説」をめぐるスリリングな対話!

新しい皇室像へ

望月 去年、「令和」改元の際、マスメディアは天皇制が抱える問題やタブーに斬り込まずにお祭り騒ぎを展開しました。天皇が生前退位するという特殊な状況だったにせよ、安倍政権の狙いに乗ったわけで、皇室が政治利用される時代に一歩近づいた印象があります。『スノードロップ』は、皇室が時の権力の要請に左右されず、人類がどんな価値を求めるべきか、旗印を築くために立ち上がる物語です。格差が広がり、感染症が蔓延し、不安や憎悪が広がる今こそ、皇室が世界に本来進むべき道を指し示すというのは、理想的なヴィジョンだと痛感しました。

島田 遡ればもう20年前、『無限カノン』というシリーズの三部作を書いたんです。三島由紀夫が同じ年ごろに書いた『豊饒の海』を強烈に意識したのですが、第一部『春の雪』は発表当初からモデルが皇族だと分かる小説で意図的な「不敬文学」と捉える読み方がありました。何しろ、大蔵官僚だった三島と正田美智子さんが見合いしたという噂があるくらいですから、リアルな設定でした。美智子さんはたくさんお見合いをしていて、三島もその中のひとりだったというんです。

望月 そんな話があったのですか。

島田 そうした先達のひそみに倣い、一世一代の大恋愛小説を書いたのです。ところが、出版時期と雅子妃のご懐妊が重なり、世論の反発や右翼の攻撃が予想され、出版延期になりました。皇室の微妙なタブーに触れた小説を書くと自粛を迫られる「言論の自由」問題に触れ、意気消沈しましたが、作品は一応全力を尽くして書きました。

望月 前段があったわけですね。

島田 しかし、あの三部作を発表して20年経ったら、政治は著しく劣化し、国会やメディアにおいて、民主主義的な議論そのものが成り立たない、独裁マフィア政権になってしまいました。市民の良識や法治主義、立憲主義が機能不全に陥り、希望が消えかかっている状況の中、小説家としてできることを精一杯やってみようと「アラ還」の我が身を奮い立たせてみました。

望月 小説の中では、皇室を意のままに動かそうと試みる腐敗した政権に対して、不二子という名の皇后とその娘の舞子さまが立ち上がる設定になっています。母と娘が作中のように現実政治から距離を取りつつ、しなやかな自由を確保して活動する存在ならば世の中変わるのでは、と思いながら一気に読了しました。

島田 ありがとうございます。21世紀の初頭は「菊のタブー」が厳然と残っており、皇族の恋や本音を書くだけでまだ危険を感じました。しかし、平成の天皇がより「開かれた皇室」を実現し、ネガティブキャンペーンも含めた記事や報道が大量に出て、いつの間にかタブーもどこかに行ってしまいました。とりわけ、皇后陛下は皇太子妃の時代、ネトウヨと思われる人たちの手によって読むに耐えないほどひどい人格攻撃を受けています。当然、眼にしていたら傷つくでしょう。

望月 高学歴のバリキャリで仕事もしていた雅子さんがお妃候補として登場した時は、私たちの前に新しい皇室像が展開される期待感が強かったのです。しかし、皇室に入った瞬間からバッシングを受けて、どんどん精神的に追い込まれてゆくのを見るのはショックでした。そして、私が職業として選択したメディアもまた雅子妃に対する抑圧を仕掛ける側だったことに、深い闇を感じます。

島田 新聞記者の世界でも依然ジェンダー差別は色濃く残っていますか?

望月 昔は「妊娠しました」と打ち明けると周囲に嫌がられて、「申し訳ございません」と謝るような感じでした。幹部マニュアルが出来て、マタハラは許されなくなっていますけれど、2人目の妊娠を告げたある幹部からは「頭では理解したが、心では泣いていた」と後日、打ち明けられました。出産で記者が欠けるのは会社にとって痛手だ、という認識はまだあるように感じます。長い目で見れば、記者個人だけでなく、会社や社会にとっても意義のあることだと思いますが。私の10歳上くらいの世代の女性記者だと、周囲から「産まない前提で仕事やっているんでしょう」という感じでみられ、結婚や出産に踏み出せない先輩もいたのだと思います。

島田 どの業界でも変わらないですね。

望月 いつ産むかというタイミングを自由に決められるようになったのは、私ぐらいの代からでしょうか……。最近は子供を産んで仕事も続ける、という選択は自然になりましたから、社内の環境もずいぶん変わったと思います。
 ただ、この数年間、首相官邸の記者会見に出席し、政治の表舞台に入ってゆくと、女性に対する蔑視や軽視がまだまだひどいと感じます。私自身は、ジェンダー問題については大学の一時期、関心があり学びましたが、社会人になってからは距離を置いてきたような所がありました。男上位の政界や社会の閉塞を体感している今は、過去のジェンダー的な規範から男性も女性も解き放たれるべき時だと強く感じます。
 かつて、雅子妃が適応障害という診断を受けた頃、皇室担当記者に状況を聞くと、「旦那さんはすごくいい人なんだけれど、雅子さんがちょっと……」という答えが返ってきました。この考えは宮内庁の旧態依然さの反映であり、政治報道の現場よりひどいのでは、と思いました。島田さんは、市民が皇室に入ると女性の人権が蔑ろにされる、という問題意識を一貫して持っておられたのですね。

島田 もともと天皇家に生まれた方々は、自分の境遇を受けいれるほかありません。でも、普通に育った人が皇族となりいきなり因習だらけの環境に置かれたら、適応障害にならない方がおかしい。雅子皇后は外交官としてのキャリアを捨てる際、皇室外交という活躍の場がある、と言い含められたそうです。しかし、外務省に邪魔されて、外遊の機会など数えるほどしか与えられません。皇太子妃時代の、あの「人格否定発言」は、そうした環境を如実に現しています。世間の方も世継ぎに対する期待しかなく、ほとんど「産む機械」扱い。今からでも雅子皇后は#MeToo運動に加わるべきだと思いますね。

望月 皇室を見渡すと、新たに強いメッセージを発信できる人は、長くメディアの攻撃を受け皇室への「適応障害」に苦しんできた雅子皇后しかいないのではないか。島田さんは、その期待を小説として書いたわけですね。普通の小説の読み方から外れている気もしますけど(笑)。

島田 いや、目指したところはまさに望月さんの読み通りです。日本で男女平等の実現は、ワールドスタンダードからかなり立ち遅れています。現状の改革は当然必要として、一方で皇后の役割は歴史的に小さいものではないのです。天武天皇の没後、称制した後即位し、白村江の戦いの戦後処理に功績のあった女帝持統天皇。近代に入っても、ハンセン氏病救済事業に尽力し、戦中には神がかりになって昭和天皇に大きな影響を与えた貞明皇太后、平民初の皇后として大衆天皇制下のスターであり続けた美智子上皇后など、国母の影響力は大きいのです。ですから、皇后の地位はジェンダー論的な議論よりも上位の概念として考える必要があるかもしれません。雅子妃も、皇后になれば権威も違いますし、自由度が増してさまざまな活動が可能になります。皇后として存在感を増すことが、結果的に「人格否定」への最良の復讐となるかもしれません。

望月 復讐ですか(笑)。なるほど。

島田 天皇が一貫して雅子皇后を守っているのも大きいです。彼は歴代天皇の中で最高のフェミニストかもしれません。

望月 平成の代とはまた違う斬新な皇室像を思い描いていますね。

「ダークネット」の可能性

島田 雅子皇后は父親が外務省の高官だったので、官僚組織側からのプレッシャーも受けていたのです。最近になってようやく桎梏から解き放たれたのではないでしょうか。しかし、宮内庁はどうしても政権の側に立って発言を調整するので、本当のご意志はわかりません。そこで、現上皇ご夫妻が自分の言葉で国民に語りかけた先例を進めて、折々の政治に対する不満や自分の意見をカジュアルに公表できるようになれば、どれだけ刺激的だろうと想像してみたんです。

望月 で、不二子皇后は「ダークネット」での活動を始めるわけですね。とても面白かったです(笑)。ジャスミンというハッカーを私的に雇い、クローゼットの中のPCから「スノードロップ」というハンドルネームで本音を発信する。まるで北村滋国家安全保障局長のような人が登場して、ネット上での発言を止めさせようとするけれど、強い意志で調査を拒絶します。ジャスミンのような侍女がいれば、閉じられていた世界がワッと開く可能性がありますね。

島田 実際、高円宮様のお宅では大学の学生課に侍女の公募を出していたんです。

望月 そんな風に集めてる……(笑)。

島田 侍女は公務員ではなく、宮家が個人的に雇うものです。で、久子さんが面接し、個人の裁量で決めているんです。だから、こっそりネットスキルの高いハッカーを雇っても不思議じゃない。

望月 ネットの影響力は増しています。3年前から官邸会見に出ていますが、昨年11月8日に共産党の田村智子議員が「桜を見る会」について質問し、安倍首相の後援会のご接待ではなかったか、という疑惑を追及した時に大きく空気が変わりました。質問が出た直後は世間ではあまり話題にならなかったのですが、ネットでは最初から大騒ぎだったのです。

島田 そう、「桜疑惑」はテレビも新聞も、最初はスルーしたり、表面的に触れるだけだったり、という状況でした。

望月 土日を挟んですごく広がって、私がSNSでフォローしている人はみんな怒っていて、「炎上」という現象を体感しました。でも、大きく新聞に取り上げられていなかったのです。私が菅義偉官房長官に疑惑について質問すると、秘書官がすごい勢いで走ってきて、用意された紙をパッと渡しました。ちょっと前までは官邸も「テレビや新聞を抑えていればいい」という感じでしたけど、今はネット世論が影響を与えていると実感しました。もちろん、安倍シンパも政権支持のツイートをがんがん広めていますが、市民が怒りを発信するパワーもすごい熱量です。森友・加計が盛り上がっていた頃と比較しても、ネット上での市民の分析力、情報発信力が格段に上がっています。

島田 桜疑惑ならば法的規定をどう適用するか、今のコロナウィルス禍ならば防疫上の問題について、研究者などの専門家が積極的に見解を公表しています。もう、為政者側が「由らしむべし知らしむべからず」という態度を貫くことはできません。その空間に皇后が自ら参加するわけですから……。

望月 ぞくぞくします。

島田 もともと、文学などたいしたものではないけれど、時の政治からは自由でいることはできます。世間からドロップアウトした人間の営みですから、公的権力にはすがれないし、行政に便宜を図って貰えない。でも、それを覚悟すれば、好き勝手に書けるのです。そして、私のような立場から見れば、自由な発言や行動を許されない皇族は待遇改善が必要だと判断し、小説の形で余計なお節介をして、可能性を示唆してみたわけです。

望月 2年前、私の書いた『新聞記者』という本を河村光庸さんというプロデューサーから映画化したいというお話を頂きました。安倍政権を批判したノンフィクションを、映画のようなフィクションの形にしたらメッセージ性が弱まる気もしたのですが、作品はいくつもの映画賞を受賞するなど大きな反響がありました。文学や映画などの芸術作品は日々のニュースとは別の形で、人々の心にダイレクトに突き刺さっていく力を持っています。ですから、『スノードロップ』のメッセージが、皇族を含めて、この国を動かすといいですね。

島田 組織の都合に服従しなければならない官僚たちも相当のストレスを感じているはずです。頭の悪い政治家の尻拭いばかりでは疲れるでしょう。でも、官僚の自己実現は同期の中で一番出世するかどうかだけですから、模擬試験で全国一位を獲るような感覚で残る人が出世し、平気で嘘をつくようになります。
 しかし、その出世競争から抜けた人たちは生き生きしています。外交官、警察官、裁判官や検察官、あるいはジャーナリストを含めて、虚構という形式で、実は内部告発に近い作品を書いており、面白いものが多いです。覚悟して職を捨て表現することを択ぶわけですが、自分が所属してきた組織を裏切ったわけではなく、風通しの良さを取り戻して欲しい、という祈りと共に書いているはずです。

望月 日本は同調圧力に屈するだけの国になると危ないです。権力に都合の悪い情報でもあえて追求し、表現する自由を確保する道にこそ、強い社会を作るために必要な人間と思想の多様性を育むことになると気づいていい時です。

島田 匿名が多いですけど、ディープな内容の匿名の書き込みや告発がSNS上に出ています。もちろんフェイクも混ざっていますが、私が作家になった30年前と比較したら、情報の入手が圧倒的に容易になっています。本当に食えなくなったらユーチューバーになればいいし、生き方の選択肢が増えています。皇室もその流れに乗って欲しい(笑)。

皇族も自由を求めている

望月 「生前退位」は、天皇の側からの「自由」を求める行動とも解釈できます。島田さんは、どうお考えですか?

島田 政治的な制約から自分のご意志を発揮できない中、よく決断されたと思います。しかも、理由が国民目線で、昭和天皇のご病気による「自粛」は当時の日本経済に途轍もないブレーキを掛けましたし、文化、芸術活動も止まって市民生活が停滞しました。だから、自分が高齢で長患いした場合、同じような停滞をもたらすことを避ける配慮もあった。

望月 政権の改憲圧力に対して、護憲のためのタイミングを択んだという説もありますが、いかがでしょうか?

島田 上皇は不偏不党という原則を忠実に守っています。同時に、護憲天皇というイメージを強烈に打ち出してきました。憲法1条の規定により自らの身分や地位を担保されているのだから自然な選択ですが、日本国憲法を蔑ろにする政権とは本来相容れないんです。
 戦後の昭和天皇と平成の代で共通するテーマは平和への希求です。「象徴」として政治的な実権を伴わない存在がなすべきことは、もう突き詰めて考えると、ローマ教皇やダライ・ラマが果たしているような世界平和の提唱しかないと思うのです。理想主義に過ぎないのかもしれませんが、今上陛下には、前天皇がやり残した仕事をもう一歩進めて、パワー・ポリティクスの対抗軸たりうる国際協調の象徴になられることを期待します。もともと、天皇は宗教の祭祀であり、メンタルな面、スピリチュアルな領域の権威でもあるので、ダライ・ラマやローマ教皇のような役割は果たせるはずです。

望月 『スノードロップ』を読んで、皇族でもいろんなことができるものだな、と妙に感心しました(笑)。

島田 ナチスは選挙で第一党になり、その後、国会を停止し、独裁政権を作りました。権力を握った後は、勝手に法律を変え、やりたい放題でしたが政権の座にいたのはそう長い期間ではありません。現政権はナチスの手法を真似ていますが、ヒトラーは天皇に嫉妬していたんです。自分の権力は力ずくで奪ったものだけれど、天皇の権力は伝統に基づいており、何もしなくてもみんな崇拝し、服従してくれる。どんな独裁者も天皇のようにはなれないのです。

望月 天皇が背負っている歴史と伝統に希望を託されているわけですね。私も、プロンプターの原稿を読むだけの総理大臣とは別の権威があって欲しいです……。

島田 でも、大日本帝国の「大元帥」としての天皇という形の超越的な権力は置くべきではないと考えています。やはり、政治的な実権を持っていない「象徴」が最良の形です。しかし、天皇は国事行為として、行政府の人事や決定事項を追認するという形で政治利用されてきました。時の権力から完全に自由な立場はありえませんが、政権がはっきり間違った決定をしていると判断できる場合、天皇はどこまで自分の意志、良心に忠実でいられるのか。ギリギリまで法解釈してみると、サボタージュという方法ならば可能なのです。御名御璽する手が痛いとか、判子が割れてしまったとか(笑)。

望月 島田さんは、対政権だけでなく、対米関係にもかなり踏み込んだ認識を示されています。安倍政権下ではより対米従属の流れが強まりました。天皇皇后両陛下も影響を受けますか?

島田 日米安保体制が続く限り、日本は実質的にはアメリカの従属的同盟国です。日本の総理大臣の上にアメリカ大統領がいる。天皇も、歴史的には戦後、アメリカにより退位という方向に行かず、「象徴」という形でリサイクルされました。ただ、今、対米従属が当然の前提となり、日本とアメリカが戦争したことすら忘れられている中、日本国憲法に規定された天皇の存在は、権力構造の埒外にあると受け取ることもできるのです。

望月 確かに憲法を決めたアメリカ人たちの影響力など、みな消えています。

島田 日本の総理大臣の指示にも距離を置くし、アメリカ大統領の言いなりにもならない。天皇は誰にも従属せず、より強力に国際協調のスタンスで世界と連帯する「象徴」となるほかないんですよ。

望月 私たち庶民は、当然に時の政治に翻弄されるわけです。でも、皇室が「もっと自由であれ」といった風を吹かせてくれたら励まされますね。

島田 今上陛下が上皇と違う天皇像を模索しようとする時、次はどこを狙うのか。とりあえずの処方箋を書いてみたわけです。そういえば、今上陛下はよく山登りをしていて、すごい脚力らしいですね。

望月 自然保護という目標もありえます。

島田 反原発や地球温暖化対策も視野に入ってきますね。

望月 ところで、この小説は内閣情報調査室にチェックされますかね?

島田 政権は読むんじゃないですか。まあ、総理大臣は無理としても、皇族の方々にはぜひ読んで頂きたいです。

望月 年末、永田町界隈の人から、「女性天皇の実現を予言したすごく面白い小説がある」という噂を聞きました。私はその現物を見ていませんが、もしかしたら、島田さんの仕掛けじゃないですか?

島田 いや、何もしていません(笑)。舞子天皇の誕生を国民が望んでいる、という小説を書いただけです……。

(もちづき・いそこ 新聞記者)
(しまだ・まさひこ 作家)
波 2020年5月号より
単行本刊行時掲載

著者プロフィール

島田雅彦

シマダ・マサヒコ

1961年3月13日東京都生まれ。東京外国語大学外国語学部ロシア語学科卒業。小説家。法政大学国際文化学部教授。1983年、大学在学中に「優しいサヨクのための嬉遊曲」を発表し注目される。主な著書に『夢遊王国のための音楽』(野間文芸新人賞)、『彼岸先生』(泉鏡花文学賞)、『退廃姉妹』(伊藤整文学賞)、『カオスの娘 シャーマン探偵ナルコ』(芸術選奨文部科学大臣賞)、『虚人の星』(毎日出版文化賞)、『君が異端だった頃』(読売文学賞)、『小説作法ABC』、近刊に『スノードロップ』『パンとサーカス』等。戯曲、オペラ台本、詩集、随筆、対談集など著書多数。

島田雅彦オフィシャルサイト (外部リンク)

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