新装版 斎王夢語
2,750円(税込)
発売日:2019/07/29
- 書籍
少女漫画界のレジェンドの描く、壮大な歴史絵巻が今蘇る!
画業50周年を迎えた漫画界の至宝による、幻の戯曲が完全復活! 国の安寧を祈るため、神に人生を捧げた乙女たちがいた。選ばれし神の巫女は、アマテラスと対話しながら成長する。歴史に翻弄されながらも純真な心を持ち続けた乙女の姿を描く、流麗な古代ロマン。描きおろしカバーに加え、創作メモ、直筆原稿も初収録。
第一幕 倭姫・国
第二幕 稚足姫
第三幕 大伯皇女
第四幕 井上内親王
第五幕 祥子内親王
『新装版 斎王夢語』あとがき
創作メモ
直筆原稿
「伊勢まほろば語」衣装デザイン画
書誌情報
読み仮名 | シンソウバンサイオウユメガタリ |
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装幀 | 萩尾望都/装画、新潮社装幀室/装幀 |
発行形態 | 書籍 |
判型 | 四六判変型 |
頁数 | 164ページ |
ISBN | 978-4-10-399603-3 |
C-CODE | 0093 |
ジャンル | 文学・評論 |
定価 | 2,750円 |
刊行秘話とデザイン画発掘!
担当編集者
本作は1994年に刊行された戯曲の復刊である。今年で画業50周年を迎える萩尾氏の輝かしいキャリアの中でも戯曲はかなり珍しいが、新潮社から出版するにあたってはある人物の紹介があった。
それは、今もカリスマ的な人気を誇る、故・氷室冴子氏がきっかけだったという。二人に親交があったことは広く知られているが、新潮社から『いもうと物語』を出版したばかりだった氷室氏が、「あなたも出してもらったら」と担当者に萩尾氏を紹介し、刊行に繋がったのだそうだ。そんな話を聞いてしまうと、それだけで興味が湧くファンも多いのではないだろうか。
『新装版 斎王夢語』は伊勢の遺跡を訪れた学者が、かつてその地で生きた、神の花嫁・斎王の姿を幻視することから始まる幻想的な戯曲だ。斎王の祖となった
萩尾氏らしい流麗な筆致で描き出される古代ロマン溢れる物語は勿論見逃せないが、復刊にあたっての特別附録として、巻末には創作メモ、直筆原稿と併せ、「伊勢まほろば語」衣装デザイン画を収録した。
「伊勢まほろば語」は萩尾氏が友人から依頼され、バレエ公演の原作、脚本を担当した作品で、本作と執筆時期も近く、また時代設定や登場人物も一部重なることから、アナザーストーリーとも呼べる存在であった。
萩尾氏が手掛けた衣装デザイン画は初公開となるが、ページに限りがあり、残念ながら収録を見送ったものも多い。
波 2019年8月号より
単行本刊行時掲載
著者プロフィール
萩尾望都
ハギオ・モト
1949(昭和24)年、福岡県生れ。1969年、『ルルとミミ』でデビュー以来、SFやファンタジーなどを取り入れた壮大な作風で名作を生み出し続けている。1976年、『ポーの一族』『11人いる!』で小学館漫画賞、1997(平成9)年、『残酷な神が支配する』で手塚治虫文化賞マンガ優秀賞、2006年、『バルバラ異界』で日本SF大賞ほか受賞多数。2012年には少女マンガ家として初の紫綬褒章を受章。2017年、朝日賞を受賞。2019(令和元)年、文化功労者に選出。