
ひとりでこの世に
1,980円(税込)
発売日:2025/11/27
- 書籍
- 電子書籍あり
死んでからも魂は忙しい──。没後一年、遺作を含む最後の最新詩集。
21歳でのデビュー作『二十億光年の孤独』から72年、つねに第一線に立ちつづけ、2024年92歳で旅立った唯一無二の国民的詩人、谷川俊太郎。遺作となった対詩のほか、未収録の詩を厳選し、コロナ禍、家族のために書いた連作を加えた最後の最新詩集。90歳を超えてもなお新境地に挑み続けた詩人が辿りついた場所とは。
死んでから
*
内なる子ども
言葉に言わせる
未知のふるさと
わたしの大磯
午後二時の
岩
さて
*
であう
(おなかのなかは)
(ほんとをおしえて)
(そらにかかる)
(まんびきは)
(えだをひろげる)
(かぎりないそらから)
(わらわないのは)
(およいでいるようで)
(わたしのなかの)
(みみがさわる)
(ひとつ)
(あなたをしりたいんじゃ)
(ここどこか)
(おっかしいね)
(みちにぼうっきれが)
(かどがあるから)
(ここからあそこへ)
(わたしはともだちに)
*
言葉の方舟
言葉の放恣
あら
自分だけ
小さな他人
かくれんぼ
カンチェンジュンガの蠅
テーブルと仔ライオン
死神
桜の詩
静かな画
風
丘
木
知らない人
舌を噛む
ふと 1
ふと 2
enigma
意味の美味
*
piano tweet
*
対詩 いつかなじんだ靴を履いて
谷川俊太郎 覚 和歌子
*
その猫 岡崎乾二郎に
ひとりでこの世に
*
付録 「詩」というもの
書誌情報
| 読み仮名 | ヒトリデコノヨニ |
|---|---|
| 装幀 | 酒井駒子/装画、新潮社装幀室/装幀 |
| 雑誌から生まれた本 | 新潮から生まれた本 |
| 発行形態 | 書籍、電子書籍 |
| 判型 | 四六判 |
| 頁数 | 176ページ |
| ISBN | 978-4-10-401809-3 |
| C-CODE | 0092 |
| ジャンル | 文学・評論 |
| 定価 | 1,980円 |
| 電子書籍 価格 | 1,980円 |
| 電子書籍 配信開始日 | 2025/11/27 |
著者プロフィール
谷川俊太郎
タニカワ・シュンタロウ
(1931-2024)1931年東京生まれ。1952年第一詩集『二十億光年の孤独』を刊行。以来8000を超える詩を創作、海外でも高い評価を受ける。数多くの詩集、エッセイ、絵本、童話、翻訳があり、脚本、作詞、写真、ビデオも手がける。1983年『日々の地図』で読売文学賞、1993年『世間知ラズ』で萩原朔太郎賞、2010年『トロムソコラージュ』で鮎川信夫賞、2016年『詩に就いて』で三好達治賞など。その他の作品に『六十二のソネット』『ことばあそびうた』『夜中に台所でぼくはきみに話しかけたかった』『定義』『よしなしうた』『はだか』『私』『ベージュ』『虚空へ』など。2024年、92歳で逝去。


































