ホーム > 書籍詳細:アコーディオン弾きの息子

アコーディオン弾きの息子

ベルナルド・アチャガ/著 、金子奈美/訳

3,300円(税込)

発売日:2020/05/27

書誌情報

読み仮名 アコーディオンヒキノムスコ
シリーズ名 新潮クレスト・ブックス
装幀 Takeo Chikatsu/イラストレーション、新潮社装幀室/デザイン
発行形態 書籍
判型 四六判変型
頁数 574ページ
ISBN 978-4-10-590166-0
C-CODE 0397
定価 3,300円

僕の父はファシストとして人を殺したのか。現代バスク語文学を代表する巨編。

カリフォルニアで死んだ幼なじみが書いていた「アコーディオン弾きの息子」と題された私家版の回想録。親友はどんな思いで故郷バスクを去ったのか。作家は遺された言葉を元に、少年時代からの二人の物語を紡ぐ。スペイン内戦から民族解放運動まで、波乱の近現代史を描き、美食だけではないバスクの真の姿を伝える長篇小説。

短評

▼Higashiyama Akira 東山彰良
台湾出身の私はバスクのことなどなにひとつ知らない。しかし、アチャガの描くディアスポラの悲哀と故国に対する憧憬はよくわかる。想い焦がれている粗野で幸福な世界から切り離され、その反動で過激な祖国愛に走らずにはいられない主人公のダビ。あがけばあがくほど、その理想郷から遠ざかってしまう。挫折と苦痛の果てに彼が掴み取った真実はごくありふれたものだけど、それは唯一無二で、こんなにも力強い。ダビの心は少年のころの無垢なる世界を目指す。それこそが著者の描く、美しくも単純な人生の真実なのだ。

▼Ibon Egana イボン・エガニャ
『アコーディオン弾きの息子』は深く息づいたヒューマニズムに満ちている。人生、死、そして愛。そうした文学の古典的で永遠のテーマは、本書においても軸となり、羅針盤となっている。『アコーディオン弾きの息子』は、文学と人生を信じ続けるための理由を私たちにあらたに思い出させ、確認させてくれる。

▼The Independent インディペンデント
『アコーディオン弾きの息子』はアチャガのもっとも優れた小説であり、また1936年から1999年までのバスクの歴史を含み込む、彼のもっとも野心的な作品である。

二人の主人公の子ども時代へと読者を導いてゆくみごとな語り口、感情について語るときの直截さ。死と子ども時代をめぐる繊細な感情が、シンプルかつ優雅な言葉で表現されている。

▼La Vanguardia バングアルディア
それぞれの登場人物がひとつの世界、ひとつの物語であり、全体へと見事に統合されている。巧みな語り手が、現実の素晴らしい記録者となる。『アコーディオン弾きの息子』は我々を魅了し、心動かす。

著者プロフィール

1951年スペイン・バスク地方のギプスコア県生れ。ビルバオ大学(現バスク大学)とバルセロナ大学で経済学と哲学を学び、1970年代からバスク語文壇で頭角を現す。1988年刊行の連作短編集『オババコアック』でスペイン国民小説賞を受賞、一躍国際的な注目を集め、世界各地の26言語に翻訳される。1999年には英オブザーバー紙の「21世紀に活躍が期待される書き手」の一人に選ばれた。2003年に出版された『アコーディオン弾きの息子』は、これまで16言語に翻訳されたほか、舞台化、映画化されている。

金子奈美

カネコ・ナミ

1984年秋田県生れ。東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士後期課程单位取得满期退学。2020年5月現在、福岡大学共通教育研究センター専任講師。専門はバスク文学、スペイン語圏現代文学、翻訳研究。訳書にキルメン・ウリベ『ムシェ 小さな英雄の物語』(第2回日本翻訳大賞受賞、第2回エチェパレ=ラボラルクチャ翻訳賞受賞)、同『ビルバオ―ニューヨーク―ビルバオ』(いずれも白水社刊)。

この本へのご意見・ご感想をお待ちしております。

感想を送る

新刊お知らせメール

ベルナルド・アチャガ
登録
金子奈美
登録

書籍の分類