
ド・ローラ節子の和と寄り添う暮らし
1,540円(税込)
発売日:2008/07/25
- 書籍
西欧で培われた審美眼と日本人ならではの感性が紡ぎだす、心を豊かにする生活術。
二十歳で出会った画家バルテュスの妻としてイタリア、スイスに暮らして四十数年。ヨーロッパに住まうからこそ、和のこころを大切にしたい――。自らも画家として活動する著者が、部屋のしつらいの工夫から手仕事やガーデニング、お茶会の愉しみ、そして、着物を装う悦びと着こなしのアイディアを色鮮やかに伝えます。

着物の残り布でつくった書帙(しょちつ/本を入れるための袋)。
写真撮影/山下郁夫


スイス・ペイダンオー地方の山村ロシニエールに建つ木造建築「グラン・シャレ」を庭側からのぞむ。この邸に居を定めて30余年。
写真撮影/山下郁夫


薄水色の紗の着物には、ピンクの長襦袢を合わせる。日が射すと色彩が透けて、よく映える。
写真撮影/山下郁夫


毎日のティータイムは、家族と過ごす大切な時間。自家製のお菓子とバラ茶で。奥はひとり娘の春美さん。
写真撮影/山下郁夫

アトリエの窓から
私の住まい
朝の食卓
本の手ざわり
手仕事の愉しみ
ピクニックは気球に乗って
猫の后の現語(うつつがた)り
動物のいる暮らし
四季のお茶会
旅は着物で
旅で見つけるもの
贈りものの歓び
聖夜の祈り
香りを纏う
新年を寿ぐ
春は忍び足で

撫子模様の思い出
受け継いでゆく着物
着想
表(あら)はす情(こころ)
着物変化
布に恋して

書誌情報
読み仮名 | ドローラセツコノワトヨリソウクラシ |
---|---|
シリーズ名 | とんぼの本 |
発行形態 | 書籍 |
判型 | A5判 |
頁数 | 128ページ |
ISBN | 978-4-10-602173-2 |
C-CODE | 0371 |
ジャンル | 社会学 |
定価 | 1,540円 |
担当編集者のひとこと
ド・ローラ節子の和と寄り添う暮らし
和服がしっくりと似合って、笑顔のまばゆいこの女性、節子・クロソフスカ・ド・ローラさんを、まだご存知のない方もいらっしゃるかもしれません。
節子さんは、“20世紀最後の画家”と称された巨匠バルテュスに見初められて妻となり、ヨーロッパに暮らして数十年。現在はスイス・ペイダンオー地方の山村ロシニエールに居を定め、自らも画家・エッセイストとして活躍しています。 節子さんの暮らしぶり、そしてそのたおやかな感性は、現代の日本に暮らす私たちが忘れかけていた大切なものを思い出させてくれます。
四季を感じ、花や木々と語らいながら庭仕事をすること。
大事な人への贈りものは、いつも手づくりで。
家族や友人と過ごすお茶の時間には、その日の出来事や思いを伝え合う。
着物は身内から受け継いだものを中心に、自分なりの着こなしを。
……などなど、ちょっとした心配りや、昔ながらの日本の習わしが、日々の生活に彩りを添えているのです。
「たとえ不便でも、使い古されていても、手のぬくもりのあるものは美しいのです」と節子さん。彼女の愛する「自然との和から生まれた日本の文化」を慈しみつつ、ゆったりと、こころ豊かに生きる術を、この本で見つけていただければと思います。
朝食はトーストと紅茶、ゆで卵など。ティーコゼーやエッグ・キャップは手作り。
写真撮影/山下郁夫
2016/04/27
著者プロフィール
節子・クロソフスカ・ド・ローラ
セツコ・クロソフスカ・ド・ローラ
東京生まれ。1962年、上智大学フランス語科在学中に画家バルテュスと出会う。1967年、結婚。ローマのアカデミー・ド・フランス館長職にあったバルテュスを支え、退任の1977年までをローマの公邸メディチ館に暮らす。1970年代より自らも画家として活動を始め、欧米で個展を開催。2001年にバルテュス没、翌年、バルテュス財団発足とともに名誉会長に就任する。2005年、ユネスコ「平和のアーティスト」の称号を授与される。同年から2006年にかけて、「節子の暮らし展 和の心」開催。随筆家としても活躍中。主な著書に『「和」をつくる美』(祥伝社)、『グラン・シャレ 夢の刻』、『グラン・シャレの手作り暮らし』(ともに世界文化社)、『見る美 聞く美 思う美』(祥伝社、朝日文庫)、『めぐり合う花、四季。そして暮らし』(角川マガジンズ)、『きものを纏う美』(扶桑社)、『バルテュスの優雅な生活』、『ド・ローラ節子の和と寄り添う暮らし』(ともに新潮社)などがある。在スイス、ロシニエール。