反骨の画家 河鍋暁斎
1,650円(税込)
発売日:2010/07/23
- 書籍
正統と異端を同時に生きた万能の絵師!
浮世絵師・歌川国芳に師事した後、狩野派で研鑽を積んだ「画鬼」暁斎。本格的な仏画から戯画まで何でもござれの売れっ子絵師として、八面六臂の大活躍!! 幕末から明治にかけての激動の時代を生き抜いた稀有なる画家の、波乱万丈の人生と多彩なる作品世界を余すところなく紹介し、その才能を再検証する!
暁斎万華鏡……その壱
風流、美女づくし
ホラー&グロテスク
動物百態
正統と異端を同時に生きた画家
解説 狩野博幸[同志社大学文化情報学部教授]
暁斎万華鏡……その弐
爆裂! コミック・ワールド
狩野派仕込みの本格技
「下絵」を見よ!
今こそ暁斎
河鍋楠美[(財)河鍋暁斎記念美術館館長]
狩野博幸
暁斎万華鏡……その参
こだわりの春画ワールド
1 やっぱり猫が好き……
2 薄命の美少女への哀悼歌《地獄極楽めぐり図》
3 青い目の友人たち「お雇い外国人」
4 いつでもどこでも何でもスケッチ! 写生マニア
5 伝説の人物の痛快冒険譚《朝比奈三郎絵巻》
6 意匠作家も顔負け、驚異のデザイン力
或る画鬼の一生
書誌情報
読み仮名 | ハンコツノガカカワナベキョウサイ |
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シリーズ名 | とんぼの本 |
発行形態 | 書籍 |
判型 | A5判 |
頁数 | 128ページ |
ISBN | 978-4-10-602205-0 |
C-CODE | 0370 |
定価 | 1,650円 |
美人図は暁斎の十八番のひとつ。
河鍋暁斎記念美術館
担当編集者のひとこと
幕末の志士たちもすごいが、同じ江戸から明治への転換期に活躍した、この画家もすごい! 驚くのは作品の幅の広さ。狩野派仕込みのオーソドックスな仏画があるかと思えば、諧謔精神に満ちた戯画がある。おどろおどろしい幽霊画がある。愛らしい動物画もある。もちろん、たおやかな美人画も……。とにかくオールマイティ、しかもどの作品も完成度は並みじゃない。
ところが、この河鍋暁斎という絵師、何故か久しく忘れられていたのだ。海外では、常に北斎と並び称されてきたというのに! しかし、2008年、京都国立博物館で開催された大回顧展をきっかけに、ようやく再び脚光を浴びることになった。
本書では、上記展覧会の立役者である同志社大学教授・狩野博幸さんと、暁斎の曾孫にあたる河鍋暁斎記念美術館館長・河鍋楠美さんが、熱き思いをこめて、暁斎の多岐にわたる作品群と数奇なる生涯を紹介している。稀代の画家の尽きせぬ魅力を、とくとご堪能ください。
2010/07/23
著者プロフィール
狩野博幸
カノ・ヒロユキ
1947年福岡県生まれ、同志社大学文化情報学部教授。九州大学大学院博士課程中退。京都国立博物館を経て、現職。博物館時代には「没後二○○年 若冲展を手掛け、若冲ブームの火付け役に。専門は桃山絵画、江戸絵画。著書に『異能の画家 伊藤若冲』(新潮社、共著)、『江戸絵画の不都合な真実』(筑摩書房)など。
河鍋楠美
カワナベ・クスミ
(財)河鍋暁斎記念美術館理事長・館長。蕨眼科院長・東京大学医学部医学博士。河鍋暁斎の曾孫。1977年11月3日、自宅を改装して、河鍋家に伝わる画稿・下絵類を中心に暁斎とその一門の作品を収蔵・展示する河鍋暁斎記念美術館を開館。同館は1986年、財団法人の認可を受けた。