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フェルメール巡礼

朽木ゆり子/著 、前橋重二/著

1,760円(税込)

発売日:2011/11/25

  • 書籍

彼の絵は、美しさとたくらみに満ちている。心震わす作品のすべてを訪ね歩く書中の旅。

プルーストが「世界でもっとも美しい絵」と賞賛した《デルフト眺望》、近年の小説・映画で話題を呼んだ《真珠の耳飾りの少女》ほか、17世紀オランダに生きた天才画家の全作品を訪ねて、世界16の美術館を巡る。透視図法の種明かし、33億円絵画の真贋など、画中の秘密を探訪し、作品の辿った数奇な運命を追跡する、驚きの新知見も満載。

目次
巡礼の道1 オランダ
文*朽木ゆり子
マウリッツハイス美術館
アムステルダム国立美術館
巡礼の道2 ヨーロッパ
文*朽木ゆり子
ドレスデン国立絵画館
ベルリン国立絵画館
シュテーデル美術館
アントン・ウルリッヒ公美術館
ウィーン美術史美術館
ルーヴル美術館
スコットランド・ナショナル・ギャラリー
ロンドン・ナショナル・ギャラリー
ケンウッド・ハウス
バッキンガム宮殿ステート・ルーム
アイルランド・ナショナル・ギャラリー
巡礼の道3 アメリカ
文*朽木ゆり子
フリック・コレクション
メトロポリタン美術館
ワシントン・ナショナル・ギャラリー
コラム 誰も知らないフェルメール
文*前橋重二 ほか
1 お住まい拝見!
2 カメラを使った?
3 同時代画家との「往復書簡」
4 エコノミカル画法
5 《小路》は実在した
6 悲運の“師匠”
7 33億円絵画のいま
8 そこまでやるか! 画中の実物探し
9 盗まれた《合奏》
10 驚愕のピンぼけテクニック
11 鏡から消えた画家
所蔵美術館一覧
年譜
全作品
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ワシントン・ナショナル・ギャラリー 撮影 筒口直弘
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ベルリン国立絵画館 撮影 小野祐次
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デルフト市街風景 撮影 野中昭夫

書誌情報

読み仮名 フェルメールジュンレイ
シリーズ名 とんぼの本
雑誌から生まれた本 芸術新潮から生まれた本
発行形態 書籍
判型 B5判変型
頁数 128ページ
ISBN 978-4-10-602227-2
C-CODE 0371
定価 1,760円

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Looking for Johannes Vermeer

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Produced By 6次元
Art Direction Imagaki Chisako

担当編集者のひとこと

フェルメール巡礼

 フェルメールの世界的な人気は、近年ますます加速中。その理由として、清廉で穏やかな画風、稀少性、小さめサイズ……などが挙げられることが多い。いずれも、なるほど、と納得させられる根拠である。とはいえ、なにより私たちを魅了してやまないのは、それぞれの作品に秘められた(と、現代人が感じる)さまざまな物語、モチーフの意味、光と影の織りなすハーモニー、そして構図の妙を「読み解く」愉しみではないか。フェルメールの絵を前にすると、何故だか誰もが、探偵のような気分になる。美術史家のみならず、異分野の研究者、そして純然たる美術愛好家を含めて、観賞者ひとりひとりが史料を漁り、検証し、空想を膨らませ、推理する悦びに取り憑かれてしまうのだ。いったん、この「フェルメール病」にかかってしまったら……もう諦めるしかない。誰もが、「自分だけのフェルメール」を探し続けることになる。
 本書は、現在、観ることのできる世界各地のフェルメール作品と所蔵美術館ガイド、そして、“理系”の視点を交えて細部を解読する驚きのコラム集など、既刊『謎解きフェルメール』(小林頼子、朽木ゆり子著)とは全く異なる角度から、この画家にアプローチしている。臨場感溢れる展示風景の写真も満載。ぜひとも、2冊併せてお楽しみください。

2011/11/25

著者プロフィール

朽木ゆり子

クチキ・ユリコ

東京都生れ。国際基督教大学教養学部社会科学科卒。同大学院行政学修士課程修了。コロンビア大学大学院政治学科博士課程に学ぶ。1987(昭和62)年から1992(平成4)年まで「日本版エスクァイア」誌副編集長。1994年よりニューヨーク在住。著書に『東洋の至宝を世界に売った美術商―ハウス・オブ・ヤマナカ―』『フェルメール全点踏破の旅』『盗まれたフェルメール』などがある。

前橋重二

マエハシ・ジュウジ

ライター。1953年生れ。慶應義塾大学経済学部卒。美術雑誌、自然科学書などの編集にたずさわる。2007年より「芸術新潮」ワールド欄に寄稿中。著書に『フェルメール巡礼』『五重塔入門』(ともに新潮社とんぼの本)。

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