沢村貞子の献立日記
1,760円(税込)
発売日:2012/09/24
- 書籍
高橋みどり「私の仕事、生きかたのお手本です」
沢村貞子さんが84歳までの27年間、毎日続けた献立日記。それは名女優にして名文家でもあった沢村さんという人の、暮しかた、愛しかたの記録でもありました。フードスタイリストの高橋みどりさんが、その全36冊を読みこみ、料理を作り、思いを語ります。「貫いた人」(黒柳徹子)にいまこそ学ぶ、暮しを見直すための本。レシピ付き。
――「献立日記」を読み、つくる 高橋みどり
一行目
魚屋さん
使いきる
〆の紅鮭
真夏の天ぷら
献立の基本
朝ごはん
おやつ
書誌情報
読み仮名 | サワムラサダコノコンダテニッキ |
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シリーズ名 | とんぼの本 |
発行形態 | 書籍 |
判型 | B5判変型 |
頁数 | 128ページ |
ISBN | 978-4-10-602236-4 |
C-CODE | 0377 |
ジャンル | クッキング・レシピ |
定価 | 1,760円 |
担当編集者のひとこと
フードスタイリストの高橋みどりさんが、雑誌「芸術新潮」で続けていた料理本についての連載(10月末に『私の好きな料理の本』として刊行します)の最終回で、沢村貞子さんの『わたしの献立日記』のことをお書きになっていました。その回の主役は別の本だったのですが、沢村さんを語る高橋さんの言葉が胸に落ちてきて、学生のころ引きこまれた沢村さんの文章、『私の浅草』や『貝のうた』を読み返しました。そして、やっぱりいいなあと思いました。ちょっと、忘れていた「よさ」でした。
そのあと、高橋さんとお眼にかかったおりに、今回の本のことを相談しました。そのとき、かなり長い時間だったと思いますが、みどりさんがお話しくださったことが、この本の骨組になっています。子どものころの記憶、母親のこと、ひとり暮しをはじめたころ、仕事とは、生活ってなんだろうと立ちどまった時期…本の帯に、高橋さんが手書きで、「私の仕事、生きかたのお手本です」と書いてくださいましたが、まさに、そういうお話でした。それから、沢村さんの長年のマネージャーだった山崎洋子さんにお眼にかかり、貴重な献立日記(全36冊が大切に残されています)をお借りしたり、お話をうかがうことができました。沢村さんの文章は推敲をかさねて、とにかく「削る」人だったそうです。料理の盛りつけがとても美しかった、とも。
料理の撮影のとき、高橋さんが「沢村さんの家の食器棚をつくるつもりで器を集めました」といっていたことも、印象に残っています。スタイリストという仕事は、音楽の演奏家のようなものなのかもしれませんね。聞えていなかった音を聞かせてくれる、眼に見えなかったものを、かたちにしてみせてくれる、ということでは、と思ったりもしました。
2012/09/24
著者プロフィール
高橋みどり
タカハシ・ミドリ
フードスタイリスト。1957年東京都生れ。女子美術大学短期大学部で陶芸を専攻後、テキスタイルを学ぶ。大橋歩事務所のスタッフ、ケータリング活動を経て、1987年フリーに。おもに料理本のスタイリングを手がける。著書に『うちの器』(メディアファクトリー)、『伝言レシピ』(マガジンハウス)、『ヨーガンレールの社員食堂』(PHP研究所)、共著に『毎日つかう漆のうつわ』『沢村貞子の献立日記』(ともに新潮社とんぼの本)など。
黒柳徹子
クロヤナギ・テツコ
東京乃木坂生れ。東京音楽大学声楽科卒。NHK放送劇団に入団、NHK専属のテレビ女優第一号となる。文学座研究所、ニューヨークの演劇学校で学び、テレビ、ラジオ、舞台女優として活躍。また、ユニセフ親善大使、トット基金理事長を務め、長年にわたり活動を続ける。著書は、ベストセラー『窓ぎわのトットちゃん』をはじめ『トットの欠落帖』『小さいときから考えてきたこと』『新版 トットチャンネル』『トットひとり』など。
山田太一
ヤマダ・タイチ
1934年東京浅草生まれ。脚本家。早稲田大学卒業後、松竹大船撮影所入社。演出部で木下恵介監督の助監督に。1965年独立。以後約半世記にわたって、「岸辺のアルバム」「早春スケッチブック」「ふぞろいの林檎たち」「キルトの家」など多くの名作テレビドラマを手がける。1988年『異人たちとの夏』で山本周五郎賞受賞。主な小説作品に『飛ぶ夢をしばらく見ない』『冬の蜃気楼』『終りに見た街』『空也上人がいた』ほか。
笹本恒子
ササモト・ツネコ
1914(大正3)年東京生れ。日本初の女性報道写真家。1940(昭和15)年、財団法人写真協会に正式に入社、報道写真の道に入る。戦後、千葉新聞の記者を経てフリーとなり、激動の昭和に生きる人々の取材を続ける。1950年、日本写真家協会創立時に会員となる。その後、現場を離れるも71歳で開いた写真展で完全復帰。2011(平成23)年吉川英治文化賞、日本写真協会賞受賞。写真集には、『恒子の昭和』『100歳のファインダー』、著書には『好奇心ガール、いま97歳』『97歳の幸福論。』『お待ちになって、元帥閣下』『99歳、現在進行形ね。』など多数。2014年、写真展「笹本恒子100歳展」「100人の女性たち」を開催。