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これだけは観ておきたい、厳選37点+本書初公開作品7点。

いちからわかる 円山応挙

岡田秀之/著

1,760円(税込)

本の仕様

発売日:2019/09/26

読み仮名 イチカラワカルマルヤマオウキョ
シリーズ名 とんぼの本
装幀 円山応挙筆《子犬図》部分 天明7年(1787)個人蔵/カバー表、中村香織/ブックデザイン、nakaban/シンボルマーク
発行形態 書籍
判型 B5判変型
頁数 127ページ
ISBN 978-4-10-602289-0
C-CODE 0371
ジャンル 芸術一般
定価 1,760円

かの伊藤若冲や曾我蕭白ら名だたるライバルたちを抑え、18世紀京都で人気No.1を勝ち得た応挙。その絵はいったい、どこがどういうふうにスゴイのか? 写生画で一世を風靡し、近代日本画の源流となった巨匠、その実力と人間力、見どころを再発見します。

著者プロフィール

岡田秀之 オカダ・ヒデユキ

1975年、大阪府生れ。福田美術館学芸課長。関西学院大学大学院文学研究科前期課程修了後、MIHO MUSEUM学芸員、嵯峨嵐山日本美術研究所学芸課長を経て現職。専門は江戸絵画。MIHO MUSEUMでは2009年「若冲ワンダーランド」展、2011年「長沢芦雪 奇は新なり」展、2015年「生誕三百年 同い年の天才絵師 若冲と蕪村」展、嵯峨嵐山文華館では2019年「いろトリどり―描かれた鳥たち」展などを担当。著書に『与謝蕪村』『若冲百図』『長沢芦雪』(いずれも平凡社別冊太陽、共著)、『若冲ワンダフルワールド』(新潮社とんぼの本、共著)、『かわいい こわい おもしろい 長沢芦雪』(新潮社とんぼの本)など。

目次

応挙の絵は、ここがすごい
文・作品解説=岡田秀之
応挙の何がすごいのか
ほんもの以上にほんものらしく描く
見たこともないのに見てきたように描く
見えないものも見えるように描く
元ネタよりうまく描く
まじめにきっちり描く
こわく描く
かわいく描く
応挙の人生、この人間力がすごい
文・作品解説=岡田秀之
こうして絵師・応挙は生まれた 新しい表現を模索した青春の日々
高貴なる理解者のもとで 新しい可能性を追究した30代
新たなるパトロンを得て 屏風画に打ちこんだ黄金の40代
円熟の時 後継者たちを育てた50代から晩年まで
京都「応挙さん」めぐり
文・作品解説=岡田秀之
「応挙さん」が生きている町
コラム
文・作品解説=岡田秀之
応挙にしかできなかった表現――日々進化した技
同時代ライバルたちとの意外な関係
応挙の誤算とは――19世紀京都画壇
略年譜 円山応挙の生涯
応挙に出会える主な美術館・寺社ガイド

インタビュー/対談/エッセイ

応挙の衝撃

とんぼの本編集室

 円山応挙といえば、すごい日本画家、巨匠として、その名を知らないひとはいないかと思います。以後の画家たちに大きな影響を及ぼした、まさに近代日本画の祖というべき存在です。しかしその知名度のわりには、いまひとつ人気がないのはなぜ!? 同じ時代に競い合った伊藤若冲や曾我蕭白らにくらべると、応挙の絵はまじめすぎる、上手すぎてつまんない、なんてイメージを持たれてしまっているようなのです。
 応挙は、描く対象をそのままに写すという「写生」を重視したことで有名です。見たものをそのまま写す応挙の絵は、誰もがスマホで簡単に見たものを写真に写し、自由自在にトリミングできるのがあたりまえの私たちにとって、とくに新鮮に感じないのかもしれません。
 しかしじつは、応挙の成した写生や、そこからさらに成し遂げたハイパーな表現は、当時の世間では、とてつもなく衝撃的なことだったのです。
 というのも、応挙たちの生きた18世紀絵画界の主流は、決まった「型」どおりに描く狩野派の絵画であって、画家はその「型」が描けるようにトレーニングし、絵の注文者も鑑賞者も「型」を評価し楽しむものでした。応挙も、当時の常道として、まずは狩野派の画家に入門し、与えられた絵を繰り返し写し描いて「型」を習得しています。
 だがそれで満足しないのが、われらが応挙。
 中国の絵画や、眼鏡絵の制作から得た西洋絵画の技術をバックボーンに、新たな境地へと分け入っていきます。
 本草学に詳しい円満院の祐常門主との出会いによって、絵空事でないリアルな現実感を追求した作品に挑んだり、老若男女の全身ヌードや手や顔のパーツを緻密に描くことで人体の骨格を理解し、その骨格に肉を付け衣を着せて、より自然な人物表現を完成させたり。
 さらに、付立つけたてなどの技法も駆使し、単なる写生とは異なる、応挙にしかできない、応挙オリジナルの表現世界へと到達する……。ほんもの以上にほんものらしく、見たこともないのに見てきたように、見えないものも見えるように、元ネタよりもうまく、描ける画家。それが応挙でした。
 こわい幽霊もさらにこわく、ふわふわ兎、ころころ子犬も一層かわいく。画業の幅はライバルたちの誰よりも広く、おそらく誰よりも巧い画家と言えるのではないでしょうか。
 応挙こそ、狩野派の「型」を破った「型破り」。多くの弟子たちが応挙の画風を継承し、19世紀京都画壇を席巻、近代絵画へとつながっていくのです。
 ちょうど「円山応挙から近代京都画壇へ」展が東京藝術大学大学美術館(9月29日まで)と京都国立近代美術館(11月2日〜12月15日)で開かれています。まず応挙をさらっと知りたい方にも、展覧会の応挙作品が思ったより少なくて物足りないな〜という方にも、たっぷり応挙を楽しめる本書をどうぞ。

波 2019年10月号より

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