ホーム > 書籍詳細:【中東大混迷を解く】シーア派とスンニ派

【中東大混迷を解く】シーア派とスンニ派

池内恵/著

1,540円(税込)

発売日:2018/05/25

  • 書籍
  • 電子書籍あり

ますます広がる亀裂。
イスラーム2大宗派の対立が全ての根源にあるのか?

イランとサウジのにらみ合い、シリアやイエメンでの内戦やテロの拡大、進まないイラクの復興など、どの問題の陰にも正統・多数のスンニ派と異端・少数のシーア派の対立がある――この理解は、物事の半面しか見ていないに等しい。シーア派への警戒感は、なぜ高まったのか。宗派対立への誤解を意味ある議論に変える意欲的な試み。

目次
はじめに
第1章 中東問題は宗派対立なのか?
1 決まりきった問いかけ
2 中東現代政治の「宗派対立」
3 レバノン――宗派対立の「元祖」
4「アラブの春」と宗派対立
5 宗派の相違は「原因」か「結果」か
6 「宗派対立」概念への批判
7 宗派対立の虚実
第2章 シーア派とは何か
1 「宗派」と「宗教」
2 シーア派は「少数派」なのか?
3 シーア派は「異端」なのか?
4 シーア派の誕生
5 ムハンマド死後の政治権力――正統性と実効性
6 実効支配か血統か
7 アリーの血統への「あるべきだった権力継承」
8 歴史の肯定と否定・優越感と劣等感
第3章 それはイラン革命から始まった
1 イラン革命の衝撃
2 イラン革命の四つの要素
3 イスラーム革命の思想
4 革命の輸出と反発
5 一九七九年という年
6 「一九七九年以前のサウジ」?
第4章 イラク戦争が解き放った宗派対立
1 イラク戦争
2 「任務完了」果たせず
3 「同盟者としてのシーア派」
4 イラク新体制の設立と宗派問題の浮上
5 米国のイラク三分割論
6 「シーア派の弧」への警戒
第5章 レバノン――宗派主義体制のモデル
1 レバノンという国
2 ブッシュ再選に沸いた民主化勢力
3 聖ヴァレンタイン・デーの爆殺と「レバノン杉革命」
4 レバノン政治の複雑怪奇
5 二〇〇六年夏――レバノン戦争という転換点
第6章 「アラブの春」と「まだら状の秩序」
1 「アラブの春」がもたらしたもの
2 「まだら状の秩序」の時代
3 非国家主体の台頭
4 地域大国の台頭と「拒否権パワー」
あとがき

書誌情報

読み仮名 チュウトウダイコンメイヲトクシーアハトスンニハ
シリーズ名 新潮選書
装幀 駒井哲郎/シンボルマーク、新潮社装幀室/装幀
発行形態 書籍、電子書籍
判型 四六判変型
頁数 144ページ
ISBN 978-4-10-603825-9
C-CODE 0331
ジャンル 宗教
定価 1,540円
電子書籍 価格 1,100円
電子書籍 配信開始日 2023/05/26

インタビュー/対談/エッセイ

やわらかい頭で中東を知りたい人に

池内恵

――“中東ブックレット”待望の第二弾がようやく刊行です。当初は年二、三冊ペースでとのことでしたが、『【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』から丸二年です。どうなさっていたのでしょう?
 大変お待たせしました。“中東ブックレット”シリーズを構想した時には、もっと気軽に頻繁に出すつもりだったのですが……。時間がかかった理由は、一つ挙げれば一冊目に力を入れすぎたことですね。『【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』は、ブックレットと銘打っていても、結局、単行本を一冊書くのと同じ労力を割いて、けっこう大掛かりな本になっています。しかも最新の中東情勢を盛り込んだので、短時間に尋常ではない集中の仕方をして、本を出しました。編集も校正も印刷も、特別体制を組んでもらったので出ましたが、普通ならあの質と量をあの短期間では書けません。まあそのおかげで、『【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』は、ベストセラー狙いの奇をてらったものではないにもかかわらず、かなり売れたんですよね。やっぱり潜在的な読者がいるんだな、と感じて心強く思うのと同時に、質を落とせないというプレッシャーもかかり、結局二年間、第二弾『【中東大混迷を解く】シーア派とスンニ派』の準備に費やしました。ですが、このテーマは、シリーズを考案した時から、続刊リストの筆頭にありました。中東について、世の中の人が知りたいと思っているテーマに、専門的な見地から根拠のある答えを、コンパクトに与える、というシリーズの狙いにぴったりです。

――たしかに、「シーア派とスンニ派」の宗派対立こそが中東問題の鍵だという見方は最近広まっていますね。私も、そうなのではないかと思っていました。
 講演などの際、主催者側から「シーア派とスンニ派の問題をぜひ」とよく言われます。また、質問でよく聞かれることの筆頭でもありますね。ただ「中東の紛争の原因は宗派対立なんでしょう?」と聞かれて、「はい、そうなのです」とは言い切れない。そう言い切ってしまえば、まあ楽なんでしょうけど。頭からそう決めつけて、もう他のことは聞きたくないという人もいるようです。「中東紛争はイスラーム二大宗派の積年の対立なんだから解決不可能なんだ、われわれは分からなくていい、何もしなくていいんだ!」と言いたい気持ちも分からなくはない。今、中東発のニュースは、あまりにも複雑で展開が激しすぎる。面倒臭いから「二大宗派の対立」ということにしてしまっていいよね? と思うのも無理もない。そういう読者・視聴者の心の隙につけ込む上手な解説者もいるわけで……。いいえ誰とは言いませんよ、一般論です。

――誰とは言えませんか(笑)。それにしても、中東にからむニュースが、メディアを賑わしています。少し前までなら、新聞の国際面を開いても、何日も何週間も、中東関連ニュースが見当たらないこともありました。隔世の感がありますね。
 東大でも、十年前は、中東やイスラームの授業には、ごく少数の、すごい変わり者がやってくるという印象でした。中東についてはものすごく熱心に勉強するけれども、他のことには全然興味ない、社会性もない、という少々手を焼く感じの学生が(笑)きていたのですが、今は、普通の、よく勉強している学生が、大勢やってきます。一番大きかったのは2011年の1月に始まった「アラブの春」ですね。あの時に、中東に関する日本語での報道が爆発的に増えた。3月に東日本大震災があり一時的に報道は減ったはずですが、それでも、チュニジア、エジプトからリビアやシリアに「アラブの春」が波及して行く過程で報道が多くなされ、それが13年のエジプトのクーデタや、14年の「イスラーム国」の台頭、世界各地で相次ぐテロ、といった新たな事象を生んでいくことで、「飽きさせない」のか、断続的に報道されています。
 中東やイスラームの問題が、国際社会の普遍的課題として認知されるようになり、「中東を専門にしよう」という少数の人だけでなく、これから会社に勤めたり役所に入ったりしようと考えている人たちが、「必修科目」のように中東について勉強する。そんな学生が増えたので、授業を開くとたいてい部屋がいっぱいになってしまい、学期始めには大きい教室に変えてもらわないといけません。

 大きく変わった中東情報の取り方

――そんな時代に池内さんは、どうやって情報を取捨選択しているのでしょう?
 インターネット、特にSNS経由で情報を取ることが、以前にまして多くなりましたね。「アラブの春」で若者たちに用いられて変動のツールとなったフェイスブックやツイッターが、政府や政党や新聞・テレビ局の公式ツールとしても定着してしまったので、使わざるを得ません。以前は衛星放送やネット上の新聞・ブログが重要だった。それらのメディアも今もありますが、全てSNSを通じて記事や映像を拡散するようになりました。また、中東や欧米の政治家や専門家、ジャーナリストが、SNSを通じて中東の出来事を即座に伝え、論評を加えていきます。この流れがどんどん早くなっている。
 現地で、ある日の午後に起きた事件について、日本では時差の関係でだいたい夜中にすぐにSNSで伝わってくるのですが、数時間、いや近頃は数分以内に、当事者や有力な専門家が事件にコメントをつけます。カタールの衛星放送アル=ジャジーラやニューヨーク・タイムズ紙といった有力メディアが事実関係や主要な論調を早速まとめて記事にし、ウェブ版で出す。記事を書いた記者も盛んにSNSで要約してリンクを貼って流します。日本では深夜から明け方ですね。つい事態の推移と報道・論評・検証を見ていると眠れなくなります。
 朝になって日本の新聞を見ても、まだ載っていないわけです。早くて夕刊、でも夕刊は薄いですから、たいていは翌日の朝の国際面まで待たないと載らない。そうすると、最初の情報が現地語と英語でSNSで入ってから、ふた晩経っているわけですから、「あれ、古いな」と。

――具体的にどのようなメディアに目を通しているか教えてください。
 んー、少し前までは、聞かれるとこんな感じに答えてきましたね。とりあえず英BBCの英語版の中東コーナーをチェックして、今この瞬間に何がニュースになっているかを確認し、次に、ロイター通信のこれも英語版で、国の名前で検索して、時系列で何が起こっているかを見ればいいですよ、と。今もこれは基本は変わりないのですが、なにしろSNSを通じた情報の拡散が早く、量が多く、より正確になっていますから、もっとウェブ上の情報を集める、より高度なテクニックが必要です。SNSを適切な語で検索することと、各分野で有力な専門家のアカウントを押さえておいて、何かあった時に、彼らが何を言っているかを見ることで、事情が飲み込めてきます。
 でも、誰が有力な専門家なのか、どこでどのように発信しているかを知っていなければならないので、これができる人はもう専門家みたいなものですよね。ある程度専門能力があるとどんどん情報が入るが、そうでない人は置いていかれてしまう。

――しかも池内さんが読んでいるメディアは英語とかアラビア語などですよね。
 そうです。

――そうなると大多数の読者にはちょっと敷居が高い……。
 ですので、“中東ブックレット”を読んでください、となるのです(笑)。新潮社のウェブ版「フォーサイト」でも、「中東の部屋」に加えて「池内恵の中東通信」コーナーを設け、リアルタイムで今何が起こっているのかを伝えています。これが発展していくといいですね。

 本の読者もSNSを常時見ている

――しかし、それだけ幅広く目を配り書くとなると、寝る時間もないのでは?
 中東の変化が、メディアの変化を通じて加速していくのを追いかけているうちに、生活も変わりました。今もどんどん変わっていっています。そもそも、私はゆっくり紙の本を読んでいたいタイプです。まだ読んでいない本があるからという理由で、英語圏でも仏・独語圏でもなく、アラビア語圏に踏み入ったのです。ウェブだのSNSだのに関心はそれほどなく、そういうものが出てきても、すぐには手を出しませんでした。しかしアラビア語の世界が、おそらく日本よりも早く、徹底して、インターネットとSNSに移行してしまった。これはもう、ついていくしかありません。ブログやSNSを読み、ユーチューブで流れてくる流行りの映像に目を通すようになったのは、「アラブの春」の直前ぐらいです。
 やがて、読むだけでなく、自分でもブログやフェイスブックで発信するようになりました。近頃はツイッターも使うようになり、最初はリツイート、つまりニュースが流れてきたら転送したり、専門家の発信したアイデアを私の読者に紹介したり、ということだけに使っていたのですが、だんだん、よせばいいのに自分の意見もつぶやくようになり、最近は炎上というものも経験しました(笑)。

――『【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』も『【中東大混迷を解く】シーア派とスンニ派』も、「ちょっと物事が分かった人」の思い込みを覆す、あるいは正しい軌道に戻すことを狙っていますね。どんな読者を想定していますか。
 面白いことに気づいたのですが、私のいくつかのSNS実名アカウントをフォローする人の数は、どれも同じぐらいなんですね。で、私の本は、ほぼフォロワーの数だけ売れます。フォロワー全員が買うわけではないでしょうが、結果的に、同じぐらいの数の人が私の本を買ってくれるのです。ベストセラー的な数ではありませんが、一部の特殊な専門家に限られたものでは全くない。仕事である程度中東について知っておかねばならないなと気づいた人、増えてきた中東報道を見てなかなか面白そうだと感じた知的好奇心の高い人たちが、SNSで私をフォローして日々知識を蓄え、本が出ると買って読む。そういうサイクルができてきたようです。ですので、中東を「ある程度知っている人」が読者と言えるのですが、専門家ということではありません。
 今時、仕事で海外に出れば、実は必然的に中東やイスラーム世界との関係が出てくる。お役所でも中東に関与する機会が増えてきました。ですので、準備しておかなきゃ、と仕事のかたわら私のSNSの解説を読み、私が転送するニュースも読んで、じわじわと視野を広げ認識を深めている人たちが、かなりの数いることがSNSを通じて把握できます。おそらくそういう人たちが第一の読者なのではないかと思います。

 議論はどこで形作られているのか

――『【中東大混迷を解く】シーア派とスンニ派』をお書きになる上で、最も苦心されたところは?
 とにかく中東で実際に起こっていることは何かを描こうとしました。同時に、宗派に代表される人間の根源的なアイデンティティ、帰属意識というものの重要性、影響力の大きさは、中東の社会に触れれば感じます。「シーア派とスンニ派」というのは、中東の人々が心の支えにし、社会や政治のつながりの根拠としている、根源的な、アイデンティティの核となるものの、代表的なものです。確かに宗派によってまとまる力は強い。素人の直感は侮れない――これは“中東ブックレット”の共通テーマかもしれませんね。素人の直感は、少なくとも、何かを知る手がかりにはなっているのです。

――今回は、英語圏の中東関連書籍についても詳しく論じていますね。
 われわれがなんとなく考えていることは、最初に誰かが考え出して、流通させたものなのです。近年は特に、中東についても、アラビア語などよりも英語圏で、中東出身者が関わり米国などの有力者が介在して広められた考え方が、世界の標準となり、中東の現地の議論や現実すらも、形作っていくようになった。「中東問題はシーア派とスンニ派の宗派対立だ」という考え方にしたって、日本に伝わりあまり深く考えてなさそうな解説者によって流布されるより前に、英語圏で誰と誰がこの本で言い出したから広まったんだよ、という背景が実はあります。それを知っておけば、中東で起こっていること、今後起こってくることを理解し見通すのに役立ちます。

――さて、第三弾のブックレットは?
 うーん、結局今回も、かなり苦労して書き終えたばかりなので、とっさに言うことが思いつきません。まあパソコンの中には第三弾、第四弾のテーマの候補がリストアップしてありますが、今のところは企業秘密ということで……。でも、次回からはもっと肩の力を抜いて書きます。そしてもっとしょっちゅう出します。そしてそう宣言しておきます。

(いけうち・さとし 東京大学先端研准教授)
波 2018年6月号より

索引

[関連コンテンツ]

〈欧文〉

AKP(公正発展党) 143
BBC 119
CIA(米中央情報局)75
CNN 119
CPA(連合国暫定統治機構) 25、95
EU(欧州連合) 139
GCC(湾岸協力会議) 35、41
KRG(クルディスターン地域政府) 139
ORHA(復興人道支援局) 95
PKK(クルディスターン労働者党) 139
PLOパレスチナ解放機構) 122
PUK(クルド愛国同盟) 100
SAIS(ジョンズ・ホプキンズ大学高等国際問題大学院) 106
SDF(シリア民主部隊) 134
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) 128
UAE(アラブ首長国連邦) 31、35、120、129、139
YPG(人民防衛隊) 134

〈あ〉

アーイシャ 61、63、64、65
アウン、ミシェル 112、120、121、122、123、125
アサド、バッシャール 118
アサド政権 27、30、31、34、137、138、139、140
アジャミー 80
アーシューラー 65、66、96、97
アスカリーヤ廟 102
『新しい宗派主義――アラブの反乱とシーア派・スンニ派の分裂の再生』 41
『新しいムスリムの秩序――シーア派と中東の宗派危機』 40
アッバース朝 63
アッラー 54、59
アッラーウィー、イヤード 99、101
アフガニスタン 81
アフガニスタン侵攻 84、85
アフガニスタン紛争 81
アブー・バクル 61、62、63、65、67
アブド、ジュネイヴ 41
アブドッラー(サウジアラビア前国王) 86
アブドッラー二世(ヨルダン国王) 104、105
「アメリカ・ファースト」 138
アーヤトッラー(位階の一つ) 71、77
アラウィー派 30、34、35、132、133
『アラビアのロレンス』 23
アラビア半島 69、82、88、105、109、139
アラブ首長国連邦(UAE) 31、120
アラブ人(シーア派アラブ人、スンニ派アラブ人も含む) 17、25、69、80、90、99、101
「アラブの春」 19、21、30、31、32、41、81、125、126、128、130、131、133
アラブの反乱(第一次世界大戦時)109
アラブ民族主義 17、27、134
アリー 20、55、61、62、63、64、65、66、76、78、80、96
アルジェリア 53
アル=カーイダ(イラクの) 26、30、97、101、102、132
アル=ジャジーラ 119
アルバイーン 66、96、97
アル=マナール 120
アル=ハラーム・モスク 82
アンバール県 102

〈い〉

イエス 59
イエメン 13、31、88、129、135、137、140
イジュティハード 77
イスタンブール 90
イスラエル 22、87、91、93、104、108、123、124、137、139
イスラエル軍 28、123、124
イスラエル・ヒズブッラー戦争 28
イスラーム革命 35、71、72、75、76、78、84、91
イスラーム過激派 101、122
イスラーム教 22、33、35、49、50、51、52、53、54、59、60、64、65、68、69、70、73、78、80、82、83、84、109、110、117、127、128、132
イスラーム教団 20、57、58、60、61、62、67、69、80
イスラーム教徒 17、35、50、51、52、81、82、111、112
「イスラーム国」 30、101、129、130、132、134、135、136、138
イスラーム主義 21、73、75、76、82、84、122、131、132、135
イスラーム主義勢力 30、72、75
『イスラームの哲学者たち』 106
異端 30、35、52、53、54、55、68、82、83、102、132、133
イマーム 55、63、66、68、76、77、78、82、96、102
イラク 13、17、22、24、25、26、27、28、29、30、31、40、41、42、52、53、65、66、74、80、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、106、107、108、112、114、115、116、119、125、129、130、132、134、135、136、137、138、139、140、142
イラク軍 26、91
イラク国民合意 100
イラク三分割論 102
イラク人 17、95、97、98、99、115、116
イラク新憲法 100
イラク戦争 17、19、24、25、29、32、42、89、94、115、142
イラク統治評議会 25、99
『イラクの終焉』 102
『イラクの宗派主義――統一への対立するヴィジョン』 40
イラン 13、14、19、20、26、27、28、29、30、31、32、34、35、36、45、52、53、66、69、70、72、73、74、75、76、78、79、80、82、84、85、86、91、92、93、94、99、104、106、113、119、123、125、130、133、135、136、137、139、142
イラン・イスラーム革命 71、75
イラン革命 19、70、71、72、73、74、75、76、78、79、80、81、84、85、88、91、93
イラン共産党 72
イラン人 80、104、106
インターネット 128
インド亜大陸 53
インドネシア 53、55
インド洋 31

〈う〉

ウィラーヤト・ファキーフ 74、76、77、78
ウィーリー、フレデリック 42
ヴェラーヤテ・ファギーフ → ウィラーヤト・ファキーフ
ウスマーン 61、67
ウタイビー、ジュハイマン・アル 82
ウマイヤ家 65
ウマイヤ朝 63、65、67
ウマル 61、62、65、67
ウラマー 72、73、77
ウラマー・ファキーフ 77

〈え〉

英国(「英」表記も含む) 17、23、37、38、39、40、42、51、75、78、87、88、99、105、119
衛星放送 116、119、120、128
エコノミスト誌 87
エジプト 22、31、36、53、93、105、126、128、132、139
エスノ・ナショナリズム論 43
エルドアン政権 36、140

〈お〉

欧州連合(EU) 139
王党派 71
お隠れ 66、76、77
オーストラリア 110
オスマン帝国 70、79、90、109、141、143
オバマ政権 103、136
オリエンタリズム 17

〈か〉

カアバ神殿 82
階級闘争 78
カイロ 126
化学兵器 137、138
革命思想 78、80、97
ガザ 122
仮想現実 86
カソリック 29、50、109、112
カダフィ政権 129
カタール 29、35、36、120、125、139
ガーナー、ジェイ 95
カラーミー 118、121
カリフ 62、63、65、67、94
カルバラー 65、66、96、104
カルバラーの悲劇 65
ガルブレイス、ジョン・ケネス 103
ガルブレイス、ピーター 102、103

〈き〉

北アイルランド紛争 42
キャンプデービッド合意 93
九・一一事件 92、115
脅威 19、31、79、97、107、123、127、131
教義 33、34、35、36、47、49、50、51、52、53、54、55、56、58、59、60、64、67、68、69、74、80、84、86、132
虚偽意識 43、46
「拒否権大国」 138
「拒否権パワー」 136、138、140
ギリシア正教 50
キリスト教 29、34、49、50、51、59、109、110、111、112、117、120、121、132
近代の超克 73

〈く〉

クウェート 14、53、91
クウェート侵攻 91、93、112
クーデタ 75、129、132、139
クライシュ族 67
クルディスターン地域政府(KRG) 139
クルディスターン労働者党(PKK) 139
クルド愛国同盟 100
クルド人 24、25、99、100、102、130、134、142

〈け〉

携帯電話 128
ケリー、ジョン 114
権威主義体制 21
原初論 43

〈こ〉

ゴア、アル 114
紅海 82
後継者問題 57、58
構成主義 43、44
構成主義とリアリズムの折衷 43
公正発展党(AKP) 143
国民協約 110、112
国連レバノン暫定軍 124
コミュニティ 18、32、33、34、45、47、49、50、51、52、69、108、109、131、135
コーラン 54、59、64
コルニーシュ 117

〈さ〉

サイクス=ピコ協定 23
『サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』 23、141
最後の啓示 60
ザイヌルアービディーン 66
サウジアラビア(サウジ表記も含む) 14、19、26、27、28、29、31、35、36、41、45、53、74、80、82、83、84、85、86、88、93、111、112、113、117、120、125、129、133、135、137、139、142
「サウジアラビアからの手紙」 87
サウード家 82、88
サッルーフ、バースィル 41、42
サドル、ムクタダー 98、100、101
サヌア 31
サファヴィー朝 69
サーマッラー 102
ザルカーウィー、アブー・ムスアブ 26、102
サルマーン(サウジアラビア国王) 87
三月十四日運動 120、121、123、142
三月八日運動 120、123、142

〈し〉

シーア派 13、14、16、19、20、21、22、24、25、26、27、28、30、31、32、34、35、36、40、41、46、47、48、49、50、52、53、54、55、56、57、58、62、63、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、78、79、80、82、83、89、90、91、93、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、110、111、113、119、125、132、133、134、135、139、141、142
シーア派アラブ人 25、99
『シーア派の復活 いかにしてイスラーム世界内部の摩擦が未来を作るか』 40、106、107
ジハード 81、86、132、133、138
ジハード戦士 26、80、84
シャー 71、72、73
ジャアファリー、イブラーヒーム 25、99、100
宗教対立 51
宗教紛争 50
自由愛国運動 112、120、121、122
自由主義 72、76、126、127、128、129、131、135
十二イマーム派 34、35、52、66
宗派主義 18、19、28、31、32、36、41、42、44、45、46、47、48、108、109、110、111、119、120、131、133、134
宗派主義化 42、133
『宗派主義化――中東の新しい政治の布置』 42
『宗派主義的な湾岸――バーレーン、サウジアラビア、そして来なかったアラブの春』 41
宗派対立 13、14、15、16、17、19、20、21、22、23、24、25、26、27、29、30、31、32、33、34、37、40、41、42、43、45、46、47、50、51、52、71、83、89、93、94、95、97、98、99、101、102、106、107、133
儒教 127
主流派 20、52、57、58、66、69、98
巡礼 66、82、96、104
植民地主義 17、21、23、35、75、79、109、130
ジョージ・ワシントン大学 106
ジョンズ・ホプキンズ大学高等国際問題大学院(SAIS) 106
シリア 13、26、27、28、29、30、31、34、35、42、102、104、105、109、111、112、113、118、119、120、121、122、123、124、129、130、132、134、135、136、137、138、139、140
シリア・アラブ王国 109
シリア民主部隊(SDF) 134
新宗教 60、61
新世界秩序 94
神秘主義 78、106
親米思想 97
人民防衛隊(YPG) 134

〈す〉

スィースィー政権 139
スィスターニー、アリー 96、97、98
スィニューラ 121、122
スーダン 31、36
スンナ派 20
スンニ派 13、14、20、21、22、24、25、26、27、28、29、30、31、32、35、36、41、46、47、50、52、53、54、55、56、57、58、61、62、67、68、69、70、72、74、79、80、84、86、90、91、95、97、98、99、100、101、102、103、105、110、111、117、118、121、131、132、133、134、135、141
スンニ派アラブ人 25、90、99、101
『スンニ派とシーア派を超えて――変化する中東における宗派主義の根源』 42

〈せ〉

聖書(旧約・新約) 59
正統 52、54、55、58、61、62、63、67、68、72、85、91、105、109、114、135
正統カリフ 67
精密誘導爆弾 138
西洋中心主義 17
石油国有化 75
一九七九年 19、70、71、81、82、83、84、85、88、93

〈そ〉

ソーシャル・ネットワーキング・サービス 128
ソ連 81、84、85

〈た〉

ダアワ党 25、99、100、101
大アーヤトッラー 77
大恐慌 103
ターイファ 51
ターイフィーヤ 51
ターイフ合意 111、112、123、117、125
大量破壊兵器 92
タハリール広場 126
ダマスカス 109
タラバーニー、ジャラール 100

〈ち〉

地域大国 14、19、36、111、112、125、135、136、137、138、140、143
地中海 31、42
忠誠の誓い 62
『中東 危機の震源を読む』 29
「中東の地政学の宗派主義化」(論文) 42
「注目――サウジの皇太子は急いでいる」(記事) 83
チュニジア 126

〈て〉

ディクソン、ポール 42、43
ティグリス河 105
テヘラン 75、86
テロリズム 84、86、139

〈と〉

ドイツ 87
統一イラク同盟 25、100
道具論 43、44
トゥーデ党 72
東南アジア 55
ドーハ合意 125
トランプ 136、137、138
トルコ 35、36、130、137、139、142、143

〈な〉

『内戦後のレバノンの宗派主義の政治』 41
ナイル河 105
ナジャフ 104
ナスラッラー、ハサン 120
ナスル、ヴァリー 40、106、107
ナスル、サイイド・フセイン 106

〈に〉

二〇〇六年のレバノン侵攻 123
二〇〇六年(の)レバノン戦争 28、123、124、125
日本 15、20、22、24、26、27、33、37、38、39、50、51、61、73、81、82、87、103、108
ニューヨーク・タイムズ 83、86、87、88、107

〈ね〉

ネオ・コンサーバティブ 92

〈は〉

バアス党 25、26、27、90、96、101
バイア 62
背教者 30、60、82、132
バイデン、ジョー 103
バイデン・プラン 103
パキスタン 31、36、82
白色革命 73
バグダード 24、90、96、102
ハサン(アリーの息子、第二代イマーム) 63、66
ハーシミー、ナーディル 42
ハーシム家 105、109
ハッダード、ファナル 40
ハディージャ 63
ハディース 54、64
ハーバード大学 103
パフラヴィー、モハンマド・レザー(シャー) 71、81 
パフラヴィー朝 70、71、73、75、78、81
パリ 71
ハリーリー、サアド 120
ハリーリー、ラフィーク 27、117、118、119、120、121、122、123
パレスチナ 22、105、122
パレスチナ解放機構(PLO) 122
パレスチナ難民 28、111
パレスチナ問題 22、28、111
パーレビ朝 → パフラヴィー朝
バーレーン 14、31、41、53、74、133
反主流派 57、58
反体制運動 31、41、74、75、81、133
ハンチントン、サミュエル 127、129
反米感情 75、115
反米路線 73

〈ひ〉

東日本大震災 81
非国家主体 30、134、135
ヒジャーズ地方 105
ヒジャーブ 35
非主流派 74、76、113
ヒジュラ暦 65
ビジョン二〇三〇 84
ヒズブッラー 27、28、29、30、31、108、113、119、120、121、122、123、124、125、135、139
ヒズボラ → ヒズブッラー
肥沃な三日月地帯 42、104、105、106
ヒラー山 63

〈ふ〉

ファイサル一世 109
ファキーフ 73、77、78
ファタハ 122
ファーティマ 55、63
フィナンシャル・タイムズ 87
フェイク・ニュース 86
フォーサイト 29
フォーリン・アフェアーズ 107
『不確実性の時代』 103
フクヤマ、フランシス 127、129
フーコー、ミシェル 73
フサイン 63、65、66、78、96
フサイン・モスク 66
フーシー派 13、31、129、135
フセイン、サダム 17、89
フセイン政権 17、24、25、26、27、80、89、90、91、92、93、94、95、96、97、99、100、104、108、115、116、125、132
仏教 51
復興人道支援局(ORHA) 95
ブッシュ、ジェブ 114
ブッシュ、ジョージ・H・W(父) 91、92、93、94
ブッシュ、ジョージ・W(子)24、89、92、94、95、101、114、115、116、119、122
フランス(「仏」表記も含む) 23、29、35、73、81、82、109、112、121、125
フランス委任統治 109
フリードマン、トマス・L 83、84、85、86、87、88
不倫の讒訴 64
ブレマー、ポール 95、96
プロテスタント 50、92
分派 16、50、51、52
『文明の衝突』 127、129

〈へ〉

米軍 24、25、26、95、96、97、101
米航空母艦エイブラハム・リンカーン 94
米国(「米」表記も含む) 17、24、25、26、27、29、40、75、78、81、83、85、86、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、101、102、103、106、107、112、114、115、116、122、123、129、134、136、137、138
米大使館占拠人質事件 75、86
米中央情報局(CIA) 75
ベイルート 27、87、111、117、123、125
『ベイルートからエルサレムヘ』 87
ペルシア人 69、80
ペルシア人サルマーン 80
ペルシア帝国 62、69、80
ペルシア湾(「ペルシア湾岸」も含む) 14、31、35、36、41、42、52、53、75、82、91、93、94、120、133
『ペルシア湾の宗派主義の政治』 41
ペルハム、ニコラス 40
ベン・アリー政権 126

〈ほ〉

ポステル、ダニー 42
ポスト・モダン 73
ポッター、ローレンス 41
ホメイニー 71、72、76、77、78、81、97、98

〈ま〉

マイノリティ 53
マグリブ諸国 53
マシーセン、トービー 41
「まだら状の秩序」 126、130、135、136、137、138、140
マーリキー、ヌーリ・カメル 101
マルクス主義 43、46、73、76、78
マルジャア・タクリード 77
マレーシア 53、55
マロン派 29、50、109、110、111、112、117、120、121、122

〈み〉

ミッレト 109
南アジア 36、40、52
未来潮流 117、118、120、121
民主主義思想 97
民族主義(「アラブ民族主義」は別項) 21、44、73、79、80、98、109、130、131、134、139

〈む〉

ムジャーヒディーン 80、81、82
ムジュタヒド 77
ムスリム 81、132
ムスリム同胞団 36、128、131、132、139
ムハッラム月 65
ムバーラク政権 126
ムハンマド(預言者) 20、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、80、82、105、107
ムハンマド・ビン・サルマーン(サウジアラビア副皇太子→皇太子) 83、84、85、87、88
ムハンマド・ビン・ナーイフ皇太子 87
ムハンマド・ムンタザル(第十二代イマーム) 66

〈め〉

メッカ 65、82、105、109
メッカ占拠事件 84、85、88
メディア 83、85、87、88、105、108、118、128、130
メディナ 82、105、109

〈も〉

『もう一つのサウジ人――シーア派、反体制、宗派主義』 41
モサッデク 75
モジャーヘディーネ・ハルグ 72
モーセ 59
モロッコ 53

〈や〉

ヤズィード(カリフ) 65
ヤズィード教徒 132
ヤーワル、ガーズィー 99

〈ゆ〉

唯一神アッラー 54、59
『ゆたかな社会』 103
ユダヤ教 59
ユーフラテス河 105、134

〈よ〉

預言者 20、54、57、59、60、66、68、77
預言者たちの封印 59
ヨルダン 26、102、104、105
ヨルダン川西岸 122
四代正統カリフ 61、62

〈ら〉

ラムズフェルド、ドナルド 89

〈り〉

リアリズム 43、44
リビア 29、129、135、137、140

〈れ〉

冷戦 38、81、94、103、127
歴史修正主義 86
『歴史の終わり』 127
『レクサスとオリーブの木』 83
レッドライン 137
レバノン 19、26、27、28、29、31、40、41、42、52、53、66、74、87、104、106、107、108、109、110、111、112、113、114、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、135、136、139、142
レバノン憲法 113
レバノン杉革命 108、117、118、119、121、122、125
連合国暫定統治機構 25、95、99

〈ろ〉

ロシア 29、129、137、138
ローマ帝国 62

〈わ〉

ワシントンDC 106
ワッハーブ派 80、82、85、86、88
湾岸協力会議 35
湾岸戦争 91、92、93
『湾岸の宗派主義の政治――イラク戦争からアラブの反乱まで』 42

作家自作を語る

参考文献

[関連コンテンツ]

参考文献案内

 中東情勢については英語で次々と著作が刊行されており、学術雑誌に載る論文も数知れない。そして日々に世界の有力紙や雑誌に報道・分析・論説が載って、認識が日々に改まっていく。特に「シーア派とスンニ派」「宗派主義」については汗牛充棟の様相を呈している。
 本書で示した考え方は著者自身のものであるが、中東情勢の先行研究・文献に大いに刺激を受けながら本書を著した。日本語の一般書ではあまりないことだが、英語の最新の文献や有力な議論に直接言及しながら論を進めることも意図的に何度か行なった。中東に関する世界の支配的な論調がどのように形成されるかを、議論の媒体や、背景をも含めて読者に知ってもらうためである。前作『サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』から続くこの「中東ブックレット」シリーズで、読者を世界の最新の思潮と直接つなげながら、日本語での議論を高め、深めていきたい。
 本書10頁に記しておいたように、紙幅の制約から本書には参考文献の書誌情報は掲載せず、ここ新潮社ウェブサイトに文献案内を公開することにした。章ごとに、本書『シーア派とスンニ派』を執筆するために参考にしたものを中心に、読者がさらに読み進めてみる、取り組んでみるといい著作を、日本語と英語で挙げておく。本文で言及、参照した箇所の順に並べ、関連書籍も若干加えた。

はじめに

"Behind Stark Political Divisions, a More Complex Map of Sunnis and Shiites," The New York Times, January 5, 2016.

第1章

Vali Nasr, The Shia Revival: How Conflicts within Islam Will Shape the Future, W. W. Norton, 2006.

Nicolas Pelham, A New Muslim Order: The Shia and the Middle East Sectarian Crisis, I.B.Tauris, 2008.

Fanar Haddad, Sectarianism in Iraq: Antagonistic Visions of Unity, Oxford University Press, 2011.

Bassel F. Salloukh, Rabie Barakat, Jinan S. Al-Habbal, Lara W. Khattab and Shoghig Mikaelian, The Politics of Sectarianism in Postwar Lebanon, Pluto Press, 2015.

Geneive Abdo, The New Sectarianism: The Arab Uprisings and the Rebirth of the Shi'a-Sunni Divide, Oxford University Press, 2017.

Toby Matthiesen, Sectarian Gulf: Bahrain, Saudi Arabia, and the Arab Spring That Wasn't, Stanford Briefs, 2013.

Toby Matthiesen, The Other Saudis: Shiism, Dissent and Sectarianism, Cambridge University Press, 2014.

Lawrence G. Potter (ed.), Sectarian Politics in the Persian Gulf, Oxford University Press, 2014.

Frederic Wehrey (ed.), Beyond Sunni and Shia: The Roots of Sectarianism in a Changing Middle East, C. Hurst & Co. Publishers Ltd., 2017.

Frederic Wehrey, Sectarian Politics in the Gulf: From the Iraq War to the Arab Uprisings, Columbia University Press, 2013.

Nader Hashemi and Danny Postel (eds.), Sectarianization: Mapping the New Politics of the Middle East, Oxford University Press, 2017.

第2章

モハンマド=ホセイン・タバータバーイー、森本一夫訳『シーア派の自画像──歴史・思想・教義』慶應義塾大学出版会、2007年

桜井啓子『シーア派 台頭するイスラーム少数派』中公新書、2006年

菊地達也『イスラーム教 「異端」と「正統」の思想史』講談社選書メチエ、講談社、2009年

Abdulaziz Abdulhussein Sachedina, The Just Ruler in Shi'ite Islam, Oxford University Press, 1988.

Hamid Dabashi, Shi'ism: A Religion of Protest, Belknap Press, 2011.

第3章

ルーホッラー・ムーサヴィー・ホメイニー、富田健次編訳『イスラーム統治論・大ジハード論』平凡社、2003年

Juan R. I. Cole(ed.), Shi'ism and Social Protest, Yale University Press, 1986.

Said Amir Arjomand, The Turban for the Crown: The Islamic Revolution in Iran, Oxford University Press, 1988.

Ervand Abrahamian, Khomeinism: Essays on the Islamic Republic, University of California Press, 1993.

Thomas L. Friedman, "Attention: Saudi Prince in a Hurry," The New York Times, November 7, 2017.

Thomas L. Friedman, "Dear Arab League," The New York Times, February 6, 2002.

Thomas L. Friedman, "An Intriguing Signal From the Saudi Crown Prince," The New York Times, February 17, 2002.

Thomas L. Friedman, "Letter From Saudi Arabia," The New York Times, November 25, 2015.

第4章

Vali Nasr, The Shia Revival: How Conflicts within Islam Will Shape the Future, W. W. Norton, 2006.

Patrick Cockburn, Muqtada: Muqtada al-Sadr, the Shia Revival, and the Struggle for Iraq, Scribner, 2008.

Peter W. Galbraith, The End of Iraq: How American Incompetence Created a War Without End, Simon & Schuster, 2006.

Joseph R. Biden Jr. and Leslie H. Gelb, "Unity Through Autonomy in Iraq," The New York Times, May 1, 2006.

"Hardball with Chris Matthews: King Abdullah II of Jordan," NBC News, December 7, 2004.

Robin Wright and Peter Baker, "Iraq, Jordan See Threat To Election From Iran: Leaders Warn Against Forming Religious State," The Washington Post, December 8, 2004.

第5章

Kamal Salibi, A House of Many Mansions: The History of Lebanon Reconsidered, University of California Press, 1989.

安武塔馬『レバノン―混迷のモザイク国家』長崎出版、2011年

第6章

池内恵「中東の紛争は『シーア派とスンニ派の対立』なのか? 宗派主義という課題」『UP』第47巻第3号・通巻545号、東京大学出版会、2018年3月、40−46頁

著者プロフィール

池内恵

イケウチ・サトシ

1973年、東京都生まれ。東京大学先端科学技術研究センター准教授。東京大学文学部イスラム学科卒業。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員、国際日本文化研究センター准教授を経て、2008年10月より現職。著書に『現代アラブの社会思想』(大佛次郎論壇賞)、『書物の運命』(毎日書評賞)、『アラブ政治の今を読む』、『イスラーム世界の論じ方』(サントリー学芸賞)、『中東 危機の震源を読む』、『イスラーム国の衝撃』(毎日出版文化賞特別賞)、『サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』などがある。第12回中曽根康弘賞優秀賞受賞。

関連書籍

この本へのご意見・ご感想をお待ちしております。

感想を送る

新刊お知らせメール

池内恵
登録
宗教
登録

書籍の分類