ホーム > 雑誌 > 雑誌詳細:波 > 雑誌詳細:波 2018年6月号

今月号の表紙はジェーン・スーさん。

波 2018年6月号

(毎月27日発売)

102円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2018/05/28

発売日 2018/05/28
JANコード 4910068230683
定価 102円(税込)


阿川佐和子/やっぱり残るは食欲 第9回
[ジェーン・スー『生きるとか死ぬとか父親とか』刊行記念対談]
ジェーン・スー×しまおまほ/いつも親子は“真剣勝負”

小手鞠るい『炎の来歴』
中島京子/身を焼き尽くすほどの「平和あなた 」への恋

原田宗典『〆太よ』
三輪太郎/液状化させ攪拌して最後に残るもの

イアン・マキューアン、村松 潔/訳『憂鬱な10か月』
小山田浩子/冷笑と輝き

花房観音『うかれ女島』
吉田大助/性に搦め捕られた女達と、「普通の男」の物語

秋吉理香子『鏡じかけの夢』
大矢博子/幻想とミステリが融合した秋吉理香子版「鏡地獄」

[山田ルイ53世『一発屋芸人列伝』刊行記念特集]
[対談]山田ルイ53世×中瀬ゆかり/負けてからが本当の人生
武田砂鉄/君たちはどう生き残るか

澤見彰『白き糸の道』
末國善己/働くことの意義を問い掛ける

白尾 悠『いまは、空しか見えない』
彩瀬まる/輝き、切り裂いて、どこまでも

[小松 貴『昆虫学者はやめられない―裏山の奇人、徘徊の記―』刊行記念対談]
小松 貴×片桐 仁/昆虫愛!

茂木健一郎、恩蔵絢子/訳『IKIGAI―日本人だけの長く幸せな人生を送る秘訣―』
吉野 建/それが〈生きがい〉だからさ

永野健二『経営者―日本経済生き残りをかけた闘い―』
成毛 眞/「伝説の記者」が描いた日本の近代資本主義

大坊勝次、森光宗男『珈琲屋』
江部拓弥/「月のない真夜中のようなブラックさ

[水谷さるころ『目指せ! 夫婦ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』刊行記念対談]
水谷さるころ×駒崎弘樹/未来を先取り!? 夫婦関係をカスタマイズする

第31回三島由紀夫賞山本周五郎賞決定発表

[成田名璃子『咲見庵三姉妹の失恋』刊行記念特集](新潮文庫)
[対談]成田名璃子×燃え殻/小説は炎上しない
澁川祐子/記憶を花に結び留め

[新潮選書フェア]
池内 恵『【中東大混迷を解く】シーア派とスンニ派』
[インタビュー]池内 恵/やわらかい頭で中東を知りたい人に

佐藤 優『高畠素之の亡霊―ある国家社会主義者の危険な思想―』
[インタビュー]佐藤 優/今、どうして「高畠素之」なのか?
古市憲寿/佐藤優が取り憑かれそうになった危険な思想家

牧野邦昭『経済学者たちの日米開戦―秋丸機関「幻の報告書」の謎を解く―』
猪木武徳/「ゆがめられた通説」に挑む
筒井清忠/エリートは「暗愚」だったか

松田洋一『性の進化史―いまヒトの染色体で何が起きているのか―』
高橋真理子/「煩悩」を持つ人がヒトの生殖の未来を考えるための書

黒川祥子『PTA不要論』(新潮新書)
黒川祥子/居心地の悪さの根拠

アリカ/編、新潮社/編『祇園祭――その魅力のすべて』(とんぼの本)
とんぼの本編集室/もっと知りたい、未曾有の祭り

とんぼの本編集室だより

【連載】
伊藤比呂美/URASHIMA 新連載
川本三郎/荷風の昭和 新連載
ブレイディみかこ/ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 第6回
末盛千枝子/根っこと翼・皇后美智子さまに見る喜びの源 第6回
津村記久子/やりなおし世界文学 第49回
山下洋輔/猛老猫の逆襲 山下洋輔旅日記 第27回
堀部安嗣/ベーシックハウスを考える 第2回
谷川ゆに/境界紀行 たましいの行方をさがして 第14回
瀧井朝世/サイン、コサイン、偏愛レビュー 第99回
戌井昭人/煙たかろう、さのよいよい 第18回
編輯後記 新潮社の新刊案内 編集長から

立ち読み

編集長から

今月号の表紙はジェーン・スーさん。

◎今月の表紙は、幼い頃のジェーン・スーさんと、彼女の新刊『生きるとか死ぬとか父親とか』で忘れがたい印象を残すご尊父の記念写真。あの長篇エッセイが小誌で連載されていた時、毎号固唾を呑むように読み継いでいた方も多いと思います。迫力があって、情感が豊かで、真率で、品がよくて。誰かの子どもとして生まれた(生まれてしまった)人は必読、刊行と同時に現代の古典に数えられるような名著。毎年、父の日ならずとも読み返したくなる一冊です。
山田ルイ53世さん(髭男爵の髭の方ですね)の『一発屋芸人列伝』は「新潮45」に連載され、雑誌ジャーナリズム賞の作品賞を受賞した傑作ノンフィクション。タイトル通り、自身も〈一度だけは一世を風靡したことのある一発屋芸人〉として、不器用で不屈で不埒な一発屋芸人たちをルポしていきます。スーさんの本同様、人生の時間と感情という元手がたっぷりかかっていて、面白がるのが悪いような気の毒なような、身につまされるような気分になりながら、彼らの栄枯盛衰と諸行無常(!)を存分に面白がれます。レイザーラモンHG、テツandトモ、ジョイマン、波田陽区etc.、彼らの名前にも芸にも記憶がなくともクイクイ読めますので、ぜひ!
◎秋田県仙北市角館にある市立新潮社記念文学館では「新潮社の装幀展」を開催中(7月8日まで)。7月1日の〈本をジャケ買いさせる男〉小社装幀部長黒田貴ほかによるギャラリートークでは、貴重な本を直に触れて頂けます。どうぞお立寄り下さい。
▽神楽坂ブック倶楽部は会員募集をしております。詳細はホームページ、http://kagubookclub.com/をご覧下さい。
▽次号の発売は6月27日です。

お知らせ

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

波とは?

 1967(昭和42)年1月、わずか24ページ、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後という時代でした。こののち1969年に隔月刊に、1972年3月号からは月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしています。

 創刊号の目次を覗いてみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行したばかりの北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイがあって、続く「最近の一冊」では小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイで、続いての「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 創刊から55年を越え、2023(令和5)年4月号で通巻640号を迎えました。〈本好き〉のためのブックガイド誌としての情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。安部公房『笑う月』、遠藤周作『イエスの生涯』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』、池波正太郎『原っぱ』、小林信彦『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』、椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』、橘玲『言ってはいけない』、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』などなど。

 現在ではページ数も増えて128ページ(時には144ページ)、定価は100円(税込)となりました。お得な定期購読も用意しております。
 これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みを続けながら、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。