
悪党たちのソ連帝国
1,925円(税込)
発売日:2025/11/27
- 書籍
- 電子書籍あり
ソ連から現代ロシアまでを貫く「統治の鉄則」とは何か──?
共産主義革命で解体されたはずのロシア帝国は、いかにして強大なソ連帝国として再建され、現代ロシアのプーチン体制へと至ったのか──。レーニン、スターリンからアンドロポフ、ゴルバチョフまで、法の上に君臨し、ソヴィエト連邦という「巨大な家族共同体」を率いた領袖たちの姿から、ロシア特有の統治原理を炙り出す。
プロローグ 現代ロシアでソ連帝国を想起する
二〇世紀最後の夜、赤の広場で/大家族ソ連
第一章 レーニン 帝国の創始者
1.革命家の形成
レーニンのルーツ/ウリヤーノフ家/革命家の道/ウリヤーノフ、レーニンとなる/一九〇五年革命はレーニンを素通りする/ボヘミアン・レーニン/世界大戦のなか
2.ロシア革命から内戦へ
一九一七年/ソヴィエト政権の誕生/ソヴィエト=ウクライナ戦争/本格的な内戦へ
第二章 スターリン 帝国の育成者
1.ジョージアの革命家
勤勉な少年/神学生、革命家になる/レーニンとともに
2.書記長への道
一九一七年のスターリン/内戦を生きる/書記長誕生
3.スターリンの新しい帝国
レーニンの死/「上からの革命」へ/融和から大量弾圧へ/新しい人間
第三章 フルシチョフ 帝国の攪乱者
1.ドンバスからモスクワへ
炭鉱の革命家/出世の階梯
2.ウクライナの「長い第二次世界大戦」
戦争から戦争へ/終わらぬ暴力/冷戦下の緊張
3.スターリンのいないソ連
フルシチョフの権力闘争/スターリン批判の衝撃
4.必死のフルシチョフ外交
アメリカと対峙する/瀬戸際政策
第四章 ブレジネフ 帝国の大成者
1.ソ連市民としての自己形成
赤色技師ブレジネフ/独ソ戦を戦う
2.フルシチョフのかたわらで
最高指導部入り/フルシチョフ内政の混乱/ブレジネフ、イニシャティヴをとる
3.帝国の成熟
政治の名手/暮らしへの配慮/ロシア・ナショナリズムとの提携/核抑止力とソ連帝国
第五章 アンドロポフ 帝国の矯正者
1.有能な青年時代
謎の多い来歴/カレロ=フィン共和国にて
2.ブダペスト、ついでモスクワ
駐ハンガリー大使として/若き相談役たちとともに
3.KGB議長として
「二二が四」/異論派の取り締まり
4.最高指導部にて
アンドロポフとブレジネフ/アフガニスタン侵攻
5.書記長の一五か月
権力の継承/規律強化と人心一新/アンドロポフ、チェルネンコ、ゴルバチョフ/大韓航空機撃墜事件
第六章 ゴルバチョフ 帝国の破壊者
1.スターヴロポリからモスクワへ
コルホーズの青年/クラコフの引き立て/ブレジネフのもとで
2.チェルネンコ 帝国の保全者
機構の人/チェルネンコからゴルバチョフへ
3.ペレストロイカの始まり
「加速」と世代交代/科学技術導入の推進を目指して/「停滞」批判
4.期待と失望と
反アルコール・キャンペーン/新思考外交/情報公開と検閲の緩和/歴史の見直し
5.政治改革への着手
エリツィンの登場/全人民国家/最高会議議長ゴルバチョフ
6.ソ連帝国の終焉
大統領ゴルバチョフ/ロシアの覚醒/一九九一年八月
エピローグ ソ連帝国からロシア「帝国」へ
エリツィン 帝国の蘇生者/プーチン 帝国の再建者/家族共同体としてのロシア/プーチンと悪党たち
あとがき
註
書誌情報
| 読み仮名 | アクトウタチノソレンテイコク |
|---|---|
| シリーズ名 | 新潮選書 |
| 装幀 | 駒井哲郎/シンボルマーク、新潮社装幀室/装幀 |
| 雑誌から生まれた本 | Foresightから生まれた本 |
| 発行形態 | 書籍、電子書籍 |
| 判型 | 四六判変型 |
| 頁数 | 288ページ |
| ISBN | 978-4-10-603938-6 |
| C-CODE | 0320 |
| ジャンル | 歴史・地理 |
| 定価 | 1,925円 |
| 電子書籍 価格 | 1,925円 |
| 電子書籍 配信開始日 | 2025/11/27 |
イベント/書店情報
著者プロフィール
池田嘉郎
イケダ・ヨシロウ
1971年、秋田県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士(文学)。専門は近現代ロシア史。主な著書に『革命ロシアの共和国とネイション』、『ロシア革命 破局の8か月』、『ロシアとは何ものか 過去が貫く現在』、編著に『第一次世界大戦と帝国の遺産』、訳書にミヒャエル・シュテュルマー『プーチンと甦るロシア』、アンドレイ・プラトーノフ『幸福なモスクワ』などがある。


































