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男はつらいらしい

奥田祥子/著

748円(税込)

発売日:2007/08/20

  • 新書
  • 電子書籍あり

あちこち男のグチだらけ。女の「負け犬」は元気なのになあ……。

しんどいのは女や若者だけじゃない。働き盛りの男たちこそ、誰にもグチを言えぬまま、仕事に家庭に恋愛に、心身の不調に悩んでいるのだ――。結婚できず、切実な思いで「花婿学校」に通う三十三歳。職場の人間関係に悩み、相談窓口に駆け込む四十歳。「立たない」つらさに苦しむ四十七歳……。女性記者(四十歳・独身)が時に共感し、時に自分を棚に上げ(?)ながら聞き出した、哀しくも愛しい男たちのホンネ。

目次
はじめに
第1章 結婚できない男たち
未婚男性の“怒り”/男性側から探る非婚化/三種類の「できない」男/奮闘する「モテない系」/「花婿学校」の登場/「花婿」代表の変身/変われるのは半数/代表の意外な過去/自分は負け組/「女は計算高い」/独身「理由」の深層/自信のない「ビビリー系」/フリーターと専業主夫/心も体も冷めた「低温男」/被害者は可憐な女性/「低温男」に迫る/白雪姫を待っている/近藤さんの女性論/見えすぎちゃって/ドタキャンのトラウマ/「できない」のはその心/女は変わったのか/男は弱くなったのか/心の叫び/ためらうなんてもったいない
第2章 更年期の男たち
「男にも更年期がある」/「不治の病」ではないかと……/男の駆け込み寺/昔「ぜいたく病」、今「更年期」/「男性医学」の確立を/「男性更年期」治療の現場/なぜ泌尿器科か/「立たない」つらさ/更年期を夫婦で/すれ違う性
第3章 相談する男たち
私は「弱虫」/男性相談事業/ホットライン/妻が分からない/「男らしさ」の呪縛/予想外の反響/「ママに頼る」男/パワーゲームに苦しむ男性/「男らしさ」と「自分らしさ」/だから男は悩んでいる/彼らへの共感
第4章 父親に「なりたい」男たち
立ちすくむ父親/父親が見えない/冷戦状態/団塊世代の父親たち/パパサークル/男が挑む仕事との両立/パパ雑誌も続々登場/父親たちのジレンマ/父親として「いる」こと
おわりに
主要参考文献

書誌情報

読み仮名 オトコハツライラシイ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 208ページ
ISBN 978-4-10-610228-8
C-CODE 0236
整理番号 228
ジャンル 社会学、暮らし・健康・料理
定価 748円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2008/05/16

担当編集者のひとこと

引きとめ力

「これだけはちょっと、聞いておきたいんですけどね」。
 打ち合わせが終わりに近付くと、著者の奥田祥子さんは何度かこうおっしゃいます。そうして、話したことの確認をされたり、新しい提案をされたりするのですが、つい引き込まれて、いつの間にか2時間経っていたということがあります。『男はつらいらしい』は、奥田さんが『読売ウイークリー』の記者として、5年の間に約100人の男性に取材したことをもとにしています。結婚したいという思い、どうも体調が良くないという不安、妻の気持ちが分からないという悩み、父親としての自信のなさ等々。なかなか人に話せないことを、聞き出さねばなりません。なんとか取材に応じてくれた男性も、最初は蚊の鳴くような声でぽつりぽつりと話すばかり。
 ここからが、奥田さんの腕の見せどころです。奥田さんは落ち着いた声でゆっくり、畳み掛けるように聞いていきます。相手の話をひとつひとつしっかりと受け止めます。次第に、乗り気でなかった人が「引きとめ」られていき、いつの間にか饒舌に語り出します。1人の取材には大体、2~3時間は掛かるのだとか。
 奥田さんは「家族や、友人には言いにくいことも、ふと現れた私には言いやすいのでは」と分析しますが、奥田さんの引きとめ力には、かなりの効き目があるのだと思います。

2007/08/24

著者プロフィール

奥田祥子

オクダ・ショウコ

1966(昭和41)年京都生まれ。ニューヨーク大学文理大学院修士課程修了。読売新聞社入社後、宇都宮支局などを経て、2002年から『読売ウイークリー』編集部に在籍。男性の晩婚・非婚化や中高年男性の心と体、夫婦・親子関係、働き方をテーマに取材を続ける。

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