ワインをめぐる小さな冒険
748円(税込)
発売日:2007/11/19
- 新書
- 電子書籍あり
トンカツとの相性を探求し、世界の廉価なピノ・ノワールを飲み比べ、時にボルドーの古酒に酔う……。ワインの道は進むほどに面白い。
納得のいくボトルを仲間や料理とともに――。会社帰りの居酒屋でも、ちょっと気張った会食でも、これが楽しむ大前提。ワイン好きなら、そこからさらに一工夫、いや数工夫。「トンカツとの果てしなき闘い」「ロゼに栄光の日をふたたび」「イタリアの白もここまできたか」「強肩ボルドーからいかにして盗塁を奪うか」「廉価ピノ・ノワール世界選手権大会」……三十余年、ひたすら飲み続けてきた著者が繰り出す好手に妙手。
2 時にはブルゴーニュの白で贅沢を
3 スーパー・トスカーナと騒ぐ前に
4 ロゼに栄光の日をふたたび
5 世界最優秀ソムリエを前にワインを選ぶ
6 コルドバの夜はふけて
7 イタリアの白もここまできたか
8 武門の誉れシャトーヌフ・デュ・パプ
9 シェリーは吉田健一に学ぶべし
10 オーストラリア熱は居酒屋がきっかけ
11 わが偏愛のサヴィニ・レ・ボーヌ
12 ピエモンテには龍もいれば虎もいる
13 強肩ボルドーからいかにして盗塁を奪うか
14 ジンファンデルで焼鳥を
15 シャンパーニュのジレンマ
16 地下蔵の隅にその古いポートの黒い瓶はあった
17 まだまだあるぞ、あの長靴の国のすごい赤
18 廉価ピノ・ノワール世界選手権大会
19 甘露の雫ソーテルヌ
お薦めしたいワインの本
生産者名索引
書誌情報
読み仮名 | ワインヲメグルチイサナボウケン |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 208ページ |
ISBN | 978-4-10-610239-4 |
C-CODE | 0276 |
整理番号 | 239 |
ジャンル | ワイン・お酒 |
定価 | 748円 |
電子書籍 価格 | 660円 |
電子書籍 配信開始日 | 2011/10/28 |
蘊蓄倉庫
赤ワインの代名詞ともいえるボルドーの赤は、グレードと値段がほぼ一致していて、掘出し物やお買得が期待できない手ごわい相手です。リッチなボルドー通はともかく、一般のワイン好きはボルドーとどう付き合うべきでしょうか? 著者は廉価なクラスと高価な大物という両極端を避けたうえで、以下の3つの条件を挙げます。
1 やや地味なシャトーの当たり年をねらう。
2 向上が伝えられるシャトー、新星と話題のシャトーを早い時期に購入する。
3 良質なシャトーで納得のいく値段のオールド・ヴィンテージを根気よく待つ。
ほかにも、世界の廉価なピノ・ノワールを飲み比べたり、トンカツに合うワインを探し求めたり……。ワインと名のつくものは甘口やシェリーまで、自宅で居酒屋であるいはレストランで、このお酒を楽しむためのヒントが満載の一冊です。
担当編集者のひとこと
編集者が二人
もしお医者さんが自分の指導医の病気を診察したり、大工さんが自分の親方の自宅を建てたりする機会があれば、きっと相当に緊張することでしょう。本書の著者はワイン歴三十余年のベテラン愛好家ですが、同時にこの道40年の現役編集者でもあります。しかも担当編集者にとっては、書籍編集について一から教わった人物。「船頭多くして船山にのぼる」と言いますが、大先輩が(おそらく言いたいことも我慢して)著者に徹してくれたおかげで、本書は無事に仕上がりました。きれいにまとまった註や詳細な索引は、実は著者であるところの「編集者」の労作なのですが……。 そんな著者が、本文中では「北大路魯山人の視線を浴びながら器を選んだ人がいれば、私に大いなる同情をしてくれるに違いない」と、世界最優秀ソムリエ田崎真也さんを前にホストとしてワインを選択した、冷や汗ものの経験を語っているのもご愛嬌でしょう。
2007/11/22
著者プロフィール
柴田光滋
シバタ・コウジ
1944(昭和19)年東京都生まれ。編集者。早稲田大学第一法学部卒業。1968年から40年間にわたり新潮社に勤務。吉田健一、安部公房、丸谷才一、辻邦生など、多くの文学者を担当するかたわら、飲食関連の書籍も手掛けてきた。著作に『ワインをめぐる小さな冒険』。