
つぶせ! 裁判員制度
748円(税込)
発売日:2008/03/17
- 新書
- 電子書籍あり
あなたは「死刑判決」を下せますか? 元判事が世紀の愚行を徹底批判。
結論。裁判員制度は違憲である。裁判員制度は人権を蹂躙する。裁判員制度は冤罪を作る。――ある日、突然、我々にやってくる「裁判員を命ず」という恐怖の召集令状。嫌々参加させられたら最後、一般市民が凄惨な現場写真を見せられ、被告人に睨まれ、死刑判決にまで関与しなくてはならない。国が進める世紀の愚行を、元判事が完膚なきまでに批判。いますぐこの制度を潰さないと、日本は滅びてしまうのだ!
そこから不条理のドラマが始まる……。
見せかけの「改革」が実現してしまったのである。
恐怖の珍制度はこうなっている。
それは三権分立と不可分の関係にある。
実際の裁判で求められる複雑で高度な判断能力とは――。
憲法違反の制度を許してはならない!
これでもまだ推進しようというのか。
それを無視して突き進む大マスコミと裁判所を許すな!
秘密を漏らせば逮捕されるうえ、被告人に逆恨みされる危険も。
今こそ立ち上がり、この最悪の制度をぶっつぶせ!
書誌情報
読み仮名 | ツブセサイバンインセイド |
---|---|
シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 208ページ |
ISBN | 978-4-10-610254-7 |
C-CODE | 0232 |
整理番号 | 254 |
ジャンル | 法律 |
定価 | 748円 |
電子書籍 価格 | 660円 |
電子書籍 配信開始日 | 2012/03/30 |
蘊蓄倉庫
『つぶせ! 裁判員制度』で紹介されているエピソードです。かつて江戸時代には、「入札(いれふだ)」による裁判があったそうです。これは村で起きた犯罪で犯人が不明なものについて、村人による投票で犯人を決めるというもの。民主的といえば民主的ですが、無茶な話です。「民主的」と言われる裁判員制度に同種の危うさが無いと言い切れるのでしょうか。
担当編集者のひとこと
裁判員制度の恐怖を知ってください
『つぶせ! 裁判員制度』は、判事として20年のキャリアを持つ井上薫氏(現弁護士)が、「このままでは大変なことになる」という危機感から書き上げた本です。
何が大変か、といえばタイトルの通り、裁判員制度がこのまま施行されると、ということです。
ですから、この本の結論はすでにタイトルに集約されています。
じゃあ読まなくてもいいじゃないか。そう言われるかもしれません。
しかし、ぜひともどれだけ危ない制度か、国家の根幹を揺るがし、国民の生活を脅かし、また被告人の人権も蹂躙するその恐ろしさを知っていただきたいのです。
井上氏は極めて論理的にかつ激しく、この制度の問題点を突いていきます。これでもか、これでもか、という感じです。国が進めている大きな流れに対して一人突っ込んでいきます。何となく大嵐の中、必死に演説を続けているようなイメージです。
これを読み終わって、それでも「いや、裁判員制度にもいいところがある」と思う方がいれば、凄いと思います。
そのくらい迫力がある一冊なのです。
2008/03/25
著者プロフィール
井上薫
イノウエ・カオル
1954(昭和29)年東京都生まれ。東京大学理学部化学科卒、同修士課程修了。司法試験合格後、判事補を経て1996年判事任官。2006年退官し、2007年弁護士登録。著書に『司法のしゃべりすぎ』『つぶせ! 裁判員制度』『狂った裁判官』など。