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教養としての歴史 日本の近代(下)

福田和也/著

770円(税込)

発売日:2009/06/17

  • 新書
  • 電子書籍あり

1919→1945、日本人は何を失ったのか。激動の歩みがたった2冊でわかる。

日本の近代は焼け野原となって幕を閉じた。しかし、敗戦も一つの達成であった――。第一次大戦の戦勝から大東亜戦争の敗戦までの約三十年間、日本は何を成し遂げたのか。五大国として列強と肩を並べた日本は、帝国主義の終焉と相次ぐ大不況に方向性を見失う。国家が迷走するなか、主導権を握った軍部は、次第に最強国アメリカとの対立を深めていく。たった二冊で黒船から敗戦までの九十年がわかる特別講義の完結編。

目次
まえがき
第一章 五大国になったが、日本は時代に取り残されてしまった
国際政治の主役に躍り出たアメリカ
生産方式だけではないフォードの功績
普通選挙に反対だった平民宰相
温泉から始まった日本の総動員体制
第二章 都市のサラリーマンという生き方
不景気だけど、一円もあれば……
ラジオが運んでくる洋楽、甲子園、大相撲
女給が小説を読む世の中にしたのは誰だ
大衆化し拡散した日本が求めはじめたもの
第三章 いつも戦争の遠因には不況があった
はたして歴史はくり返されるのか
恐慌に喘ぐ日本の息の根を止めた一手
なぜ共産党は輝いてみえたのか
台頭する軍部、揺れる政府、混乱する中国
第四章 昭和デモクラシーを担った陸軍という政治集団
獄中の怪写真から生まれた国体問題
満州事変に熱狂する世論が変えた政治
首相が簡単に殺される恐怖
軍部だけが国民の心をつかむことができた
第五章 中国との戦争に終着点はあったのか
リットン報告書が傷つけた日本のプライド
尊敬されていないのに、観念として祭り上げられる天皇
革命の季節は終わった、指導者もいなくなった
日中戦争における海軍の責任を考える
第六章 第二次世界大戦の中の日本の戦略
ヒトラーの悪意と戦争を結びつけた紙一重の齟齬
不信と憎悪と恐怖が渦巻く日ソ国境
勅令一つで、なんでもかんでも全部総動員
日本のファシズムは中途半端だった
世界中がびっくりした日ソ中立条約
南方も真珠湾も中国戦線のため
第七章 アメリカとの戦争、そして敗戦
真珠湾攻撃の勝利と山本五十六の無責任
国民の心を解放した緒戦の快進撃
年功序列人事を大事にする軍隊を持った不幸
八十万の兵士が張り付いた日中戦争の行方
ポツダム宣言黙殺を歓迎したスターリン
終戦の詔書に凝縮される天皇の役割
近代の九十二年間が達成した日本という国
あとがき――「敗戦」は悪くない結末だった

主要参考文献

書誌情報

読み仮名 キョウヨウトシテノレキシニホンノキンダイ2
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 208ページ
ISBN 978-4-10-610262-2
C-CODE 0221
整理番号 262
ジャンル 日本史
定価 770円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2012/06/29

著者プロフィール

福田和也

フクダ・カズヤ

1960(昭和35)年東京生まれ。慶應義塾大学文学部仏文科卒。同大学院修士課程修了。慶應義塾大学環境情報学部教授。『日本の家郷』『教養としての歴史 日本の近代(上・下)』『人間の器量』『死ぬことを学ぶ』『昭和天皇』『〈新版〉総理の値打ち』等、著書多数。

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