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殺人の半数は家庭内で起きている。いまや家族が一番怖い!

身内の犯行

橘由歩/著

792円(税込)

本の仕様

発売日:2009/05/18

読み仮名 ミウチノハンコウ
シリーズ名 新潮新書
雑誌から生まれた本 新潮45から生まれた本
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 222ページ
ISBN 978-4-10-610314-8
C-CODE 0236
整理番号 314
ジャンル 社会学、事件・犯罪
定価 792円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2011/11/25

いまや殺人事件のうち、二件に一件が「身内」で起きている! 愛すべき家族同士で、なぜ殺意が芽生え、どのようにして殺害に至ったのか? 秋田連続児童殺害などの子殺し、板橋両親殺害爆破などの肉親殺し、渋谷「セレブ妻」夫バラバラ殺人などの夫婦間殺人、そして、中津川一家五人惨殺などから現代の家庭内殺人の深層を探る。あなたの家族から殺人者を出さないために、身内ゆえの歪みを活写したノンフィクション。

著者プロフィール

橘由歩 タチバナ・ユウホ

福島県生まれ。ノンフィクションライター。東京女子大学文理学部史学科卒業。専門紙記者を経てフリーに。雑誌を中心に、家族問題や人物ルポ、事件記事等を執筆。著書に『「ひきこもり」たちの夜が明けるとき~彼らはこうして自ら歩き始めた』がある。なお、黒川祥子(本名)で『同い年事典―1900~2008―』などの著作がある。2013年、第11回開高健ノンフィクション賞受賞。

目次

はじめに
第一章 わが子を殺める
秋田連続児童殺害事件
嘘という自然体/半年間の子育て/鈴香が生まれた場所
佐賀・長崎保険金殺人事件
普通の主婦/「お母さん、育ててくれてありがとう」
奈良長女薬殺未遂事件
子どもを可愛がる母親/子どもたちの夢を見る

子殺しという誘惑
第二章 なぜ親は殺される
土浦一家三人殺害事件
異様な法廷/出口なし/妄想の生まれる場所/決行
名古屋母親殺害事件
この化け物!/サバイバー・カップル/終止符
板橋両親殺害爆破事件
一緒の道を/子どもだけが生き残った/「愚かな犯罪者」/増殖する不遇感

わが子を殺人者にしないために
第三章 母親と息子
中津川一家五人殺害事件
抜け殻の男/静謐の家/怒れる母/強く、男らしい自分
茨城孫殺人未遂事件
川崎家の歩み/濁った空気/「そう思っちゃったんでね」

手放せない息子
第四章 妻が夫を殺す時
渋谷「セレブ妻」夫バラバラ殺人事件
法廷は舞台/暴君を支える母/DVという泥沼/「被害者で居続ける」選択/被害者の優位性/決壊の瞬間
名古屋「ネット依頼」夫殺人事件
いらない旦那、処分します!/DVからの解放/パチンコは麻薬/「殺し屋」の正体/殺さない決心

夫を殺したい妻たち
エリートの妻/裕福だが、殴られる暮らし/空っぽな自分
おわりに

担当編集者のひとこと

子をもつ親の皮膚感覚で

 橘由歩さんは、シングルマザーとして2人のお子さんを養育しながら、全国の事件現場や様々な分野の人物を取材し、執筆を続けている、活動的なノンフィクションライターです。これまでにも家族内に起きる不登校やひきこもりの問題をテーマにして、作品を発表されています。
 そんな橘さんは、今回の『身内の犯行』で、家族と密接に結びついた犯罪、特に家庭内殺人に迫っています。しかも最近世間から注目された、以下のような事件の深層と加害者の姿に活写しています。
 秋田でわが子を殺した畠山鈴香。九州で多額の保険金をかけた夫と実子を殺した山口礼子。両親らを殺害した土浦の息子。増幅する憎悪から父母を殺害爆破した板橋の少年。母や息子、そして孫まで一家5人を殺めた中津川の原平。誰もが羨むような結婚生活の末、夫を殺害し、バラバラにした三橋歌織など……。 愛すべき家庭という場で、なぜ殺意が生じ、なぜ殺人を犯してしまったのか。
 橘さんは、事件が起きる過程で、崩壊の前兆ともいうべき、さまざまなヒントを見出します。そこには、犯罪を糾弾する正義の論理よりも、大人の女性ならではの皮膚感覚による正直な実感と切実な願いがこめられています。
 本書を読むと、家庭内殺人は、遠い世界のことではなく、誰しもがいつでも陥る可能性がある落とし穴に気付かされます。
「いまや日本の殺人事件の二件に一件は家庭内殺人」という哀しい現状が改善されることを願うと共に、家庭から殺人者を出さないために、多くの方々にぜひ読んでいただきたい渾身作です。

2009/05/25

蘊蓄倉庫

発売直前に「出版差し止め申し立て」!

『身内の犯行』の刊行に先立ち、本書内で採り上げている多くの殺人事件のひとつをめぐり、その加害者と代理人から「出版禁止等の仮処分命令申立」を起こされました。事件の初出の記事が加害者の「名誉毀損」にあたるという旨でした。事件の経過は裁判などで明確になっているので、先方の指摘部分を再検証した上で、きちんと収録しました。
 ところが、刊行直前に、著者、編集長、編集担当者、弁護士が裁判所に呼び出されました。
 裁判所の広い裁判官室で他の裁判官たちも業務している傍ら、寄せ合わせの椅子を持ってきて、裁判官の机の前に双方が集まり、この審尋が開かれました。いわゆる「法廷」ではなく、会社の簡単な打ち合わせという雰囲気でした。
 この件には、著者と小社の主張および出版の経緯はまったく一貫しており、問題はありませんでした。当然のごとく、この申立は後に「取り下げ」となりました。
 しかし、著者が長期間かけて取材し、改稿を重ねて完成し、小社も編集や広告など事前にすべて準備した、かけがえのない1冊の出版の可否が、こんな格式ばらない形で決定されるのです。
 単行本や週刊誌などで「出版禁止等の仮処分」は時折報道されますが、出版に携わる者としてこの審尋のカジュアルさはあまりに驚きでした。
掲載:2009年05月25日

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