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本当は怖い動物の子育て

竹内久美子/著

770円(税込)

発売日:2013/03/15

  • 新書
  • 電子書籍あり

「育児放棄したんです」“遺伝子の戦略”で読み解く自然界の真実。

まさか!? なんてこと!! パンダの母親は「できの良い子」をえこひいきして「ダメな子」を見殺しに。タスマニアデビルは生まれたての赤ちゃんにサバイバルレースを課し、リスはご近所の子を取って食う……子殺し、DV、虐待は日常茶飯事。極悪非道に映るメスたちの狙いとは? オスはその時どう動く? 「ヒト」は彼らと別物か? テレビ番組や動物園が伝える美談からは決して見えてこない、動物たちの恐ろしく、たくましい真実の姿。

目次
はじめに
第1章 パンダの育児放棄
アメリカ探検隊の狙い/アドベンチャーワールドはなぜか高打率/双子の「良い方」にだけ/「すりかえ」育児の劇的効果/お乳の量が物語る「戦略」
第2章 クマの産児調整
ときを待つ受精卵/子どもを産むのにまずい時期/まだある着床遅延の意味/一頭しか生まれてない!
第3章 ハヌマンラングールの子殺し
ハレムに生きる宿命/新リーダーが真っ先にすること/メスの秘策は「ブルース効果」/ゲラダヒヒの出産ラッシュ/私の飼育ケージの中で起きたこと/隣のオバちゃんにご用心
第4章 ラッコの暴力行為
鼻にキズ持つメスは/交尾排卵とはなにか/交尾排卵は人間にも?
第5章 タツノオトシゴの自己改造
こまめすぎる交尾/「凶悪」メス、あらわる/卵は背中に産んでくれ!/メスから「子宮」を奪ってまで/とにかく大きなメスがいい/出産前夜の怖い真相
第6章 タスマニアデビルのキョウダイ殺し
生き残るのは“先着四名”/巣のなかの一騎打ち/ブタの赤ちゃんと乳首“格差”/口裂け魚の好物は/マグロ完全養殖への難関/共食い屋が生まれる環境
第7章 オオジュリンの浮気対抗術
一夫一妻制はタテマエ/「怪しい」データを収集/「ヘルパーさん」の下心/「母親スイッチ」は人間の願望
第8章 先住民たちの虐待
南アヨレオ族の掟/子殺しが起きる三つの論点/人間が回避したリスク
第9章 赤ちゃんか、“精霊”か
むき出しの好戦的民族/少女の下した決断/スティングと日本人支援家/母系制社会で女が離婚すると……/母系制社会vs.父系制社会
第10章 母親たちは進化したか
児童虐待はいつ「罪」になったか/危険度合いが跳ね上がるとき/赤ん坊は「足手まとい」?/アメリカ人も、日本人も……/オーソドックスな虐待要因/現代ならではの三つのリスク
第11章 壮絶事件の根と芽
「双子」に重なったリスク/「子どもがいなくなればいい」/障害としつけのはざまで/「なぜ末っ子だけを?」に答える/里子はなぜ難しいのか
おわりに──虐待がありえないモソ人に学ぶ

書誌情報

読み仮名 ホントウハコワイドウブツノコソダテ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 208ページ
ISBN 978-4-10-610512-8
C-CODE 0245
整理番号 512
ジャンル 生物・バイオテクノロジー
定価 770円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2013/09/20

著者プロフィール

竹内久美子

タケウチ・クミコ

1956(昭和31)年愛知県生まれ。動物行動学研究家。京都大学理学部、同大学院博士課程を経て著述業に。著書に『ワニはいかにして愛を語り合うか』(日高敏隆氏との共著)、『男と女の進化論』、『そんなバカな!』(講談社出版文化賞科学出版賞受賞)、『女は男の指を見る』等。

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