意にかなう人生―心と懐を豊かにする16講―
770円(税込)
発売日:2013/05/17
- 新書
- 電子書籍あり
生計、身計、家計、老計、死計。五計を意識すれば、人生は一変する。【老師の断言する人生リセット術】
人生に五つの計あり! 同じ職場に長居は禁物。仕事は人生の一部と心得よ。カネと家の算段に既成概念は無用。老いて死ぬ道はかくあるべし――金融と経済のエキスパートにして最前線に立つ時代小説家が、イジメに苦しんだ幼少期から、弱肉強食社会を見尽くして三度の転身を図った八十二年の人生を振り返りつつ、実用的サバイバル術を初公開。清貧でなく栄達でもない第三の道――意にかなわぬ人生よ、さらば!
目次
まえがき
第1話 生きること、働くこと
フツーの人々の仕事が奪われる/善意の悪党たち/学士サマの乱造の果てに/蜘蛛の糸とフランダースの犬/せめて機会均等の世を/棲み分け理論
第2話 意に適(かな)う人生でなければ
自殺が増えている/意に適う人生とは/もし未来が分ってしまったら
第3話 イジメについての体験的考察
生物界にイジメはつきもの/体験的イジメ論/イジメられっ子の父親よ、身体を張って我が子を守れ/教育者とイジメっ子の親に一言
第4話 男はなぜ疲れているのか
哲人たちは男性しか対象にしなかった/男性中心思想崩壊のきっかけは?/モノづくりでヘトヘトになった男たち
第5話 性の戦いの勝利者、敗北者
オルガスムは娼婦だけに許されるもの/性の戦いは女性軍の完勝/灰になるまで、ハイになるまで/熟年離婚は双方の大損
第6話 子供をつくること、育てること
セックスが独立した!/なぜ子供は必要か/どうやったらいい子が生まれるか/どうやったらいい子に育つか
第7話 必要条件としてのオカネ論
我がアブク銭体験/オカネ教育──その一〈稼ぐ〉/オカネ教育──その二〈使う〉/オカネ教育──その三〈文化として〉/オカネ教育──その四〈喜捨する〉
第8話 自由か、それとも平等か
自由と平等は対立する/性善説、性悪説、そして性弱説
第9話 本当の豊かさを求めて
住居についての彼我の差!/休みを取ることは豊かさの証明/下流と清貧/清富の思想を持とう/税金は無駄、寄付の妨げという発想
第10話 エリートについて
選良の負う義務は大きい!/サムライから薩長まで/東大、陸大、海大、そしてエリートたちの敗戦/GHQによる学制改革は中途半端
第11話 役人について
そもそも役人とは何か/官吏は無限の公務を遂行する/戦後は「公僕」となったが……
第12話 公僕の正しいあり方
国民のカネを思うさまに扱う人種/官吏がもたらした三つの弊害/三権分立実現のための処方箋
第13話 人生の五計について
南宋の哲人いわく/日用心法のススメ/相撲の星取り表を参考に/ダブル・スクーリングのススメ/現時点での花形企業はやめておけ/ポータブル・スキルを持て/野心の実現にはカネが要る
第14話 家計について
嫁選び採点表の効用/家を建てる
第15話 老計について
老いには二つの道がある/ふるさとを作る!
第16話 死計について
従容として死につく動物たち/美学的な死/美学的死のさらに上をゆく死に方/諧謔の精神に満ちた死
書誌情報
読み仮名 | イニカナウジンセイココロトフトコロヲユタカニスルジュウロクコウ |
---|---|
シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 208ページ |
ISBN | 978-4-10-610522-7 |
C-CODE | 0210 |
整理番号 | 522 |
ジャンル | 倫理学・道徳、教育・自己啓発、趣味・実用 |
定価 | 770円 |
電子書籍 価格 | 660円 |
電子書籍 配信開始日 | 2013/11/15 |
蘊蓄倉庫
就職先に花形企業を選ぶな
南宋の哲人いわく人生に五計あり――。その第二、立身してゆくための「身計」で注目されるのは、ダブルスキルの勧め。専門分野を複数持って、就活においても花形企業や公務員を避けるべしとの提言だ。実際、企業のピークは長く続かないし、欧米のエリートは創業間もない中小企業を好むという。
金融エキスパートでもある著者は、人生とお金の問題についても随所にアドヴァイスする。幼少期からお金教育に力を入れる欧米社会に比して、金勘定に長けた人物がとかく失脚しがちな日本社会。大ベストセラーを次々に産んだ時代小説家の眼は、日本史を概観しながら、日本人が意外に人生設計に無頓着であることを指摘する。
意にかなわなければ、意にかなうように人生を計画し直せば良い――現代日本の中高年はそんな気構えを持つべきなのだ。三度の転身に成功した著者八十二年の人生は、リセットのための提言に満ちている。
南宋の哲人いわく人生に五計あり――。その第二、立身してゆくための「身計」で注目されるのは、ダブルスキルの勧め。専門分野を複数持って、就活においても花形企業や公務員を避けるべしとの提言だ。実際、企業のピークは長く続かないし、欧米のエリートは創業間もない中小企業を好むという。
金融エキスパートでもある著者は、人生とお金の問題についても随所にアドヴァイスする。幼少期からお金教育に力を入れる欧米社会に比して、金勘定に長けた人物がとかく失脚しがちな日本社会。大ベストセラーを次々に産んだ時代小説家の眼は、日本史を概観しながら、日本人が意外に人生設計に無頓着であることを指摘する。
意にかなわなければ、意にかなうように人生を計画し直せば良い――現代日本の中高年はそんな気構えを持つべきなのだ。三度の転身に成功した著者八十二年の人生は、リセットのための提言に満ちている。
掲載:2013年5月24日
担当編集者のひとこと
現代人のための「人生論ノート」
三木清の『人生論ノート』は、戦争直後の日本人が自らをリセットするために供され、大ベストセラーとなった。しかし、現代日本の状況はその頃とあらゆる面で変化している。著者は新たな「人生論ノート」の必要性を痛感して本書の執筆にかかった。イジメに苦しんだ幼少期、一家の破産から立身した青年期、金融マンとして弱肉強食社会の修羅を見つくした壮年期。そして転身三度、遅咲きの時代作家としてデビューした老年期。16講にわたる人生への提言がリアリティに満ちているのも、むべなるかな、である。
2013/05/24
著者プロフィール
加藤廣
カトウ・ヒロシ
(1930-2018)東京生れ。東大法学部卒。中小企業金融公庫、山一證券にて要職を歴任。その後、経営コンサルタントとして奔走する傍ら小説を書き始め、2005(平成17)年に『信長の棺』で作家デビュー。『秀吉の枷』『明智左馬助の恋』と続く「本能寺三部作」が大ベストセラーになる。このほか『謎手本忠臣蔵』『空白の桶狭間』『安土城の幽霊』『神君家康の密書』等の著書がある。
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