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「アベノミクス」という虚栄、「民意」という幻想、「憲法」というまやかし、「民主主義の断末魔」が聴こえる。

正義の偽装

佐伯啓思/著

799円(税込)

本の仕様

発売日:2014/01/17

読み仮名 セイギノギソウ
シリーズ名 新潮新書
雑誌から生まれた本 新潮45から生まれた本
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 238ページ
ISBN 978-4-10-610554-8
C-CODE 0210
整理番号 554
ジャンル 政治、ノンフィクション
定価 799円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2014/07/18

何を信じたらよいか、何を信じるべきか。景気回復、東京五輪など楽観的ムードが漂う中、日本人の精神に何が起きているのか。「アベノミクス」という虚構、「憲法」という誤謬、「復興」という矯飾、「天皇家」への警鐘……大震災後の出来事から表出する国家のメルトダウン。民意や国民主権という幻想の下、幸福を一途に追求してきた日本に今、民主主義の断末魔が聴こえる。稀代の思想家が真理を隠す「偽善の仮面」を剝ぐ。

著者プロフィール

佐伯啓思 サエキ・ケイシ

1949(昭和24)年、奈良県生まれ。社会思想家。京都大学名誉教授。京都大学こころの未来研究センター特任教授。東京大学経済学部卒。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得。2007年正論大賞。『隠された思考』(サントリー学芸賞)『反・幸福論』『日本の宿命』『西田幾多郎』『さらば、資本主義』『反・民主主義論』など著作多数。

目次

まえがき
第一章 時代閉塞をもたらしたもの
わずかずつでもまだ豊かに/「永久改革」という便利な言葉/「民意」の実現が民主主義?/黒板に板書できる類の「価値」/戦後の基軸価値そのものが問題
第二章 空気の支配
機能不全国家/「民主主義」との食い合わせ/無責任の体系/変節も状況次第
第三章 正義の偽装と「ミンイ」大合唱
便利なマジックワード/ルソーのやっかいな論点/「市民は国家のために死ね」/市民資格は民度の高い者に
第四章 領土を守るということ
「領土問題」と「実力行使」/「論理的」には戦闘状態/憲法を超えた事態/「主権」という絶対権力
第五章 成文憲法は日本人の肌に合うか
安倍政権の「戦後レジーム」/この憲法は本来無効/そもそも憲法とは何か?/近代憲法をもたない国/「国体」の軸
第六章 「石原慎太郎」という政治現象
もっと別の情念/“橋下的”なるもの/石原と三島の相違/奇妙な構図
第七章 「維新の会」の志向は天皇制否定である
「私こそが日本を変える」という幻想/日本を作り変える/支配の究極的な主体、天皇/石原氏は「天皇制反対論者」/日本が共和制になったら
第八章 「国民主権」という摩訶不思議
このわかりにくさ/殺し合う「人々」/「エゴ」の寄せ集め/模範的なホッブズ主義者?
第九章 「経済学」はなぜ信用されないのか
事態を混迷させる“専門家”/どうしてこうなった?/経済学が科学?/部分的には正しいが、全体は誤り
第十章 「皇太子殿下、ご退位なさいませ」が炙り出したもの
「継承」を論じる意味/「近代家族」と「象徴家族」/英国王室は「私的」な存在/天皇の「公」性
第十一章 「砂漠の経済学」と「大地の経済学」
大事な問題が隠される/ローの実験とアベノミクス/イギリス造幣局長官、ニュートン/「大地の経済学」
あとがき

担当編集者のひとこと

「正義」はどのように「偽装」されているのか

 社会思想家の佐伯啓思氏は本書で、大震災後の出来事や最近のニュースなどから、「めまぐるしく世の中が動き、速効性のある答えが求められ、誰もが現象に振り回される」という今の社会に巣食う「諸悪の根源」に迫っています。
 柔らかい筆致の中に、私たちの心に突き刺さる、鋭い指摘や根源的な分析が、全11章に詰まっています。
 その一部を挙げてみます。・理由なき不快感や閉塞感の正体
・民主主義が日本人に合わない理由
・「正義」はどのように「偽装」されているのか
・「空気を読む」ことの危険
・「選挙は民意の反映」という幻想
・「成長」と「便利」を偽る強欲資本主義
・「決断ができない」「責任のとれない」という非難のトリック
・指導者に「人並み外れた力量」と「庶民感覚」とを求める矛盾
・バブルを嗤えない「アベノミクス」
・「改革・改善」が格差を広げる
・「憲法」が日本人の精神を蝕んでいる
・「国民主権」という摩訶不思議
・大震災後に東京スカイツリーを建てる不可思議
・「東京五輪開催決定」というムードに隠された大罪
・民主主義が「平和主義」と同義という誤解
・「皇位継承」についての根源的問題
・「専門家」を警戒せよ
・経済学はなぜ信用されないのか

 また、「巨大な断層が目にみえない地下深くにエネルギーをため込んでいるように、今日のわれわれの精神の深部にやどる亀裂はますます増幅している」と佐伯氏は説いています。
『反・幸福論』『日本の宿命』とともに、ぜひご一読ください。

2014/01/24

蘊蓄倉庫

事態を混乱させる「専門家」

 メディアには、地震予測や原発問題から人生相談まで、驚くほど多くの「専門家」が登場しています。特に政治においては「専門家」の果たす役割は決定的で、何かが起きると、政府は「専門家」の意見を聞き政策を決めています。ところが一方で、往々にしてメディアには同じ分野の別の「専門家」が登場して、その政策批判を展開する。そのため、「専門外」の私たちは何を信じてよいのか、混乱してしまいます。
 この「専門家」は英語で「エキスパート」ともいいますが、もともと、「パート(pert)」には、「小生意気な」とか、「でしゃばり」という原義があり、つまりは「外へ(ex)向かってしゃしゃりでる小生意気な者」という意味合いがあるのだそうです。
「専門家」を過度に重視することは危険である、と本書で佐伯啓思氏は説いています。
掲載:2014年1月24日

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