市川崑と『犬神家の一族』
858円(税込)
発売日:2015/11/16
- 新書
- 電子書籍あり
クールでスタイリッシュ。『犬神家の一族』徹底解剖&石坂浩二25000字インタビュー。
生誕百年を迎える、日本映画界の巨匠・市川崑。その作品は現在も色褪せない。『ビルマの竪琴』『黒い十人の女』『炎上』『東京オリンピック』『細雪』など、実に多彩なジャンルの名作を撮り続けたその監督人生をたどり、“情”を解体するクールな演出、襖の映り方から涙の流れ方まで徹底的にこだわり抜いた画作りなど、卓抜な映画術に迫る。『犬神家の一族』の徹底解剖、“金田一耕助”石坂浩二の謎解きインタビューも収録。
目次
はじめに
第一章 市川崑の監督人生
多岐にわたる仕事ぶり/弱い男、強い女/アニメーター出身/人為的な画作り/コンテの順守/映像に色を塗る/クールな人間描写/ルビッチを目指す/日本流喜劇への不満/「陰性」の演出/盟友・和田夏十との出会い/都会派コメディの時代/キャスティングの妙/文芸映画の連発/映画化できない小説はない/「水島は馬鹿な事をした」/市川雷蔵と《死神》浜村純/『東京オリンピック』の挫折/『木枯し紋次郎』/時代劇らしからぬキャスティング/『犬神家の一族』と日本語の解体/金田一シリーズの変遷/『細雪』盟友との別れ/監督クラッシャー・吉永小百合/日本映画界の人柱
第二章 なぜ『犬神家の一族』は面白いのか
角川映画の誕生/市川崑の登用/ミステリーの映画化をするということ/ミステリーとサスペンスの違い/ミステリーの映画的退屈/「ミステリーの退屈性」に挑む/坂口良子の重要性/徹底した誇張/時間の操作/金田一の再構築/石坂浩二起用の狙い/金田一=天使/金田一=ナレーター/名ナレーター・石坂浩二/声のアンサンブル/安全圏を作らない/金田一は「解決」しない/人間ドラマの前景化/ネタバレとミスリード/大団円の解体/シリーズのパラレル・ワールド化/傑作『悪魔の手毬唄』、それから……/『犬神家の一族』リメイクと天使の贖罪
第三章 石坂浩二による、市川崑の謎解き
頭から終わりまで、何度も撮る/松子との対決の裏側/実践的な演技指導/坂口良子の才能/金田一は時代遅れの男/若山富三郎と岸惠子/葛藤を抱えながら/スタッフの出演/『細雪』と谷崎の耽美/『細雪』ファーストシーンの裏側/女優を美しく撮る方法/『細雪』ラストシーンの涙/『ビルマの竪琴』リメイク/『犬神家の一族』リメイク/黒澤明との歴史的雑談
書誌情報
読み仮名 | イチカワコントイヌガミケノイチゾク |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 208ページ |
ISBN | 978-4-10-610644-6 |
C-CODE | 0274 |
整理番号 | 644 |
ジャンル | 演劇・舞台、映画 |
定価 | 858円 |
電子書籍 価格 | 792円 |
電子書籍 配信開始日 | 2016/05/13 |