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フィリピンパブ嬢の社会学

中島弘象/著

902円(税込)

発売日:2017/02/17

  • 新書
  • 電子書籍あり

「研究対象を恋愛対象にしてしまいました……」前代未聞、抱腹絶倒のノンフィクション系社会学。

「アイシテルヨ~」の笑顔のかげに、凄まじい人生があった。フィリピンパブを研究するうちに、あるパブ嬢と付き合うようになった筆者は、その奴隷同然の暮らしを目の当たりにする。月給6万円、偽装結婚、ゴキブリ部屋に監視付、休みは月に2回だけ……そしてある日、彼女に懇願されて、雇い主のヤクザのところに、なぜか乗り込む羽目に! 前代未聞、ノンフィクション系社会学。

  • 映画化
    フィリピンパブ嬢の社会学(2023年11月公開)
目次
はじめに
第一章 フィリピンパブって何ですか
フィリピンに行く/フィリピンおばさんたち/興行ビザ/ミカと出会う/ミカからの営業メール
第二章 ねえ、私と付き合ってくれる?
「千円だけでいい」/プライベートで会う/姉は他人のビザで不法入国
第三章 助けなんていらない
栄4丁日/フィリピンパブにはまる客/バブルの幻影/偽装結婚はホステス若返りが目的/「ばかにしないで」
第四章 信じてほしいと言うけれど
二つの嘘/ミカの部屋/共同生活
第五章 フィリピンパブ嬢のヒモになる
突然のマネージャーの訪問/先輩になる
第六章 母は絶対に会わないと言った
全員反対/母の猛反対/「家族に会わせないとダメ」/父は笑顔でおやじギャグ
第七章 どれだけ金があっても足りない
フィリピンへの帰国/大量の土産/飛行機に乗り遅れる/シバタさんにたかる/高級住宅街/すさまじい浪費/出稼ぎは「ヒーロー」/昔の生活/「家族の一員になってほしい」/日本へ帰国
第八章 そして彼らはいなくなった
離婚をせまられる/閉店後の店で/「強制離婚」の理由/ピースボート/ホステス同士の喧嘩/ナカタ、消える
第九章 ビザと就職と結婚と
両親に報告/婚姻届/現場労働者として働く/FAMILY TOGETHER/現在
解説的なあとがき 松本仁一(ジャーナリスト、元朝日新聞記者、編集委員)

書誌情報

読み仮名 フィリピンパブジョウノシャカイガク
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 240ページ
ISBN 978-4-10-610704-7
C-CODE 0236
整理番号 704
ジャンル 政治・社会
定価 902円
電子書籍 価格 858円
電子書籍 配信開始日 2017/02/24

薀蓄倉庫

なぜドゥテルテを支持するのか

 就任以来、何かと話題のドゥテルテ大統領。彼が掲げた麻薬撲滅を理由に、超法規的に殺された人の数は7000人を超えたとか。無茶苦茶に見えるドゥテルテを支持するのは貧困層で、それは皮肉にも麻薬にかかわる層とリンクすると著者は指摘します。本書のパブ嬢の親戚である麻薬の売人も「怖くない?」ときいた著者に「それでもドゥテルテを支持する」「もう俺は覚せい剤をやめるから怖くない」と答えています。
 遠いようで近い国、フィリピン。
 在日フィリピン人数は今や23万人を超えたそうです。


掲載:2017年2月24日

担当編集者のひとこと

フィリピンの家族は豪邸暮らし! の衝撃

 農村の出身なので、フィリピン人のお嫁さんというのは、もう随分前から珍しくない存在でした。「ニッポン カネモチト オモタノニ ダマサレタヨ」と愚痴りながらも、突き抜けて明るい彼女たち。そしてすぐに失踪してしまう人もいました。どこに消えたのか、そもそもどうやって日本に来たのか、そしてフィリピンではどんな暮らしをしていたのか、この本にはそれらすべてが描かれています。
 いわばミイラ取りがミイラになった著者ですが、パブ嬢のフィリピンの帰省に同行してみれば、家族は娘の仕送りで買った高級外車を乗り回し、メイドがいる豪邸に暮らしていました。そして親戚一同による「金むしり」の凄まじさは想像を絶します。顔も知らない自称「親戚」が100人を超えて押し寄せるのですから。パブ嬢本人は日本でヤクザに監視されながら、タコ部屋暮らしだというのに……。

 助けようという彼の申し出を、彼女は断ります。
 それはなぜか。
 そして二人の出した結論は……本書でご確認頂ければ幸いです。

2017/02/24

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著者プロフィール

中島弘象

ナカシマ・コウショウ

1989(平成元)年、愛知県春日井市生まれ。中部大学大学院修了(国際関係学専攻)。会社員として勤務するかたわら、名古屋市のフィリピンパブを中心に取材・執筆等を行う。『フィリピンパブ嬢の社会学』は映画化が決定された。

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