ジャズの証言
836円(税込)
発売日:2017/05/17
- 新書
- 電子書籍あり
渡辺貞夫氏「彼らだから、語れる」白熱のトーク・セッション!
ジャズクラブにジャズ喫茶、時にはバリケードや紅テントの囲いの中で、誰もが前のめりで聴き入った時代の熱気、病に倒れながらも「自分の音」を探し求めた青春、海外フェスに演奏ツアーでの飽くなき挑戦、ジャズの成り立ちと音楽表現――演奏家と批評家として、終生無二の友として、日本のジャズ界を牽引してきた二人による、白熱の未公開トーク・セッション!!
みんな前のめりになって聴いていた
山下がライブ中に鍵盤に血を吐いた
そもそもジャズに規則なんてあるのか
ヘルメットに角材で「今日だけは聴かせろ」
何でも教則なしにやるしかない
自分で発見するから絶対に忘れない
高三で初めてのプロ仕事
「これが君の音なんだね」という言葉
こんなはずじゃない、もっとジャズを!
感性を聴き取れることが聴くことのプロ
感心の「うまいね」より感動の「すごいね」
「日本は遅れている」というのは無意味
日本人トリオで日本縦断サバイバル・ツアー
「ここから先はまずい」と分かる本能
どんな表現もあるべくしてある
正道を知ってこそのフリー
本番は全エネルギーを放り込む儀式
経験がフィードバックされてこそテクニック
ヨーロッパ製の音楽理論にとらわれない
「ブルー・ノート研究」の動機と成果
プレイヤーの数だけジャズがある
書誌情報
読み仮名 | ジャズノショウゲン |
---|---|
シリーズ名 | 新潮新書 |
装幀 | 新潮社装幀室/デザイン |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 224ページ |
ISBN | 978-4-10-610718-4 |
C-CODE | 0273 |
整理番号 | 718 |
ジャンル | 音楽 |
定価 | 836円 |
電子書籍 価格 | 836円 |
電子書籍 配信開始日 | 2017/05/26 |
薀蓄倉庫
入門書と二番目
本書の著者の一人、相倉久人さんは、残念ながら一昨年他界されましたが、打ち合わせをしていると、印象深い言葉をしばしば口にされました。
その中で、編集者として記憶に残っているのが、「いい入門書っていうのは、そのことをずっとやってきた人が、最後のほうになって書くものなんだな」。2007年刊の著書『新書で入門 ジャズの歴史』が、今も版を重ね続けていることが何よりの証拠です。
それともう一つ、「世の中に色んな賞はあるけど、優勝する人より二番目の人に注目だね。公約数の支持より、やっぱり独特の個性がその先を決めるから」。レコード大賞はじめ数々の音楽コンテストの審査を務めるなど、ジャズにとどまらず歌謡曲やポップスまで幅広い分野で活躍した方らしい経験則なのでした。
掲載:2017年5月25日
担当編集者のひとこと
この二人だから語れること
山下洋輔さんと相倉久人さんと言えば、演奏家と評論家として、戦後長く日本のジャズ界を牽引してきた名コンビ。その二人が、戦後という時代、それぞれが生きてきた人生、そしてジャズについて縦横に語り合います。
本書のもとになった未公表対談は、生前の相倉さんが、山下さんとジャズに関する本を書くために行われたものですが、演奏と活字と、表現形式こそ違っても、人生をかけて音楽に向き合ってきたことが言葉の端々から伝わってきます。
二人の古い知己でもある世界的ジャズプレイヤー、渡辺貞夫さんが本書の帯に寄せてくださったコメントの通り、「彼らだから、語れる」、そんな話が満載です。
2017/05/25
著者プロフィール
山下洋輔
ヤマシタ・ヨウスケ
1942年東京生まれ。ジャズピアニスト、作曲家、エッセイスト。国立音楽大学卒。1969年、山下洋輔トリオ結成、フリー・フォーム演奏でジャズ界に大きな衝撃を与える。1988年、山下洋輔ニューヨーク・トリオを結成、世界各国で演奏活動を展開する。1999年芸術選奨文部大臣賞、2003年紫綬褒章、2012年旭日小綬章を受章。国立音楽大学招聘教授。演奏活動のかたわら、エッセイストとしても知られる。著書に『風雲ジャズ帖』『ドバラダ門』、『ジャズの証言』(相倉久人との共著)など多数。
相倉久人
アイクラ・ヒサト
(1931-2015)1931年東京生まれ。音楽評論家。東京大学文学部中退。『ジャズの歴史』『相倉久人にきく昭和歌謡史』など著書多数。2015年死去。