医者の逆説
814円(税込)
発売日:2018/01/17
- 新書
- 電子書籍あり
私、失敗しないので……なんて医者は信用できない。遠慮忖度一切抜き、真実を射抜く医療論‼
「医者にあるまじき発言」と批判されることもある。が、臨床の現場で悩み、考え抜いてきた著者の言葉は苦く、刺激的である。「“失敗しない”と言う医者を信用してはいけない」「希望はときに患者を苦しめる」「延命よりも大切なものがあるだろう」――コストも人的資源も限られている状況下で、私たちは医療に何を求め、何を諦めるべきか。遠慮も忖度も一切抜き、医者だから見える真実が詰まった比類なき一冊。
書誌情報
読み仮名 | イシャノギャクセツ |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
装幀 | 新潮社装幀室/デザイン |
雑誌から生まれた本 | 新潮45から生まれた本 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 208ページ |
ISBN | 978-4-10-610750-4 |
C-CODE | 0247 |
整理番号 | 750 |
ジャンル | 人文・思想・宗教 |
定価 | 814円 |
電子書籍 価格 | 814円 |
電子書籍 配信開始日 | 2018/01/26 |
担当編集者のひとこと
空気を読んでいません
新聞やテレビが紋切型の表現を多用するのは今に始まったことではありません。
代表的なのは、「誰もが納得する結論を出してほしいものです」の類。
誰もが納得する結論が出せればいいでしょうが、たいていのことはそれが出来ないから問題になっているわけです。
しかし一方で、紙面や番組ではそういう紋切型のほうが収まりがいいし、無難だから多くの人が多用します。そこで「いや、そんな結論は存在しないでしょう」と言ったら、多分「空気を読まない」と思われます。
本書の著者は、一貫して「空気を読まない」スタンスで問題提起をしてきました。その結果として、最近では高すぎる抗がん剤の問題が広く知られ、事態の改善につながりました。
実のところ、著者が講演会で「医者にあるまじき」発言をしても、「誰もがそう思っていることを、よくぞ堂々と言ってくれた」という反応が多いのだそうです。本当は多くの人が、紋切型にうんざりしている。「空気を読んだ」議論にもうんざりしている。そういうことなんだろうと思います。
本書は臨床医が現場で考え抜いた、遠慮も忖度も一切抜きの医療論です。
2018/01/25
著者プロフィール
里見清一
サトミ・セイイチ
本名・國頭英夫。1961(昭和36)年鳥取県生まれ。1986年東京大学医学部卒業。国立がんセンター中央病院内科などを経て日本赤十字社医療センター化学療法科部長。杏林大学客員教授。著書に『死にゆく患者(ひと)と、どう話すか』『医学の勝利が国家を滅ぼす』『医師の一分』など。