
新聞社崩壊
858円(税込)
発売日:2018/02/16
- 新書
- 電子書籍あり
もはや限界。元朝日新聞販売局の部長が、全国43紙の経営を徹底分析。
十年で読者が四分の一減り、売上はマイナス六千億円。新聞業界の地盤沈下が止まらない――。限界を迎えつつあるビジネスモデルを、元朝日新聞販売局の部長が徹底分析。独自データを駆使した全国四十三紙の経営評価から、生き残る新聞社と消えてゆく新聞社の姿がはっきりと見えてくる。「なぜ新聞代は高いのか」「“押し紙”というタブー」「スクープで部数は伸びない」など、記者が知らない新聞販売の窮状と未来をレポート。
書誌情報
読み仮名 | シンブンシャホウカイ |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
装幀 | 新潮社装幀室/デザイン |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 240ページ |
ISBN | 978-4-10-610753-5 |
C-CODE | 0236 |
整理番号 | 753 |
ジャンル | ビジネス・経済 |
定価 | 858円 |
電子書籍 価格 | 858円 |
電子書籍 配信開始日 | 2018/02/23 |
薀蓄倉庫
新聞販売の舞台裏を全て知る男
著者の畑尾一知氏は、元朝日新聞社勤務。それも入社以来、一貫して販売畑を歩み、流通開発部長や販売管理部長などを務めた。まさに「新聞販売の舞台裏を全て知る男」と言えよう。
著書『新聞社崩壊』には、その経験がたくさん盛り込まれている。中でも興味深いのは、古巣の朝日新聞とそのライバル読売新聞を比較するくだり。それも紙面の内容や論調ではなく、販売面の特徴について。その例をひとつだけ挙げると、いわく、「(朝日と読売では)購読者に対する見方が根本的に異なる。端的に言うと、朝日は読者がずっと読んでくれると思っているのに対し、読売はいつやめられてもおかしくない、と考えている」。読売はハングリーで販促費も潤沢なのに対して、朝日は固定読者にはほとんどサービスをしないそうだ。それだけ聞くと、いかにも「殿様商売」と思われるかもしれないが、デジタル対応や購読料の支払いに口座振替をいち早く導入するなど、システム面においては進取の気性が読売よりもあるのだという。
掲載:2018年2月23日
著者プロフィール
畑尾一知
ハタオ・カズトモ
1955(昭和30)年兵庫県生まれ。東京大学文学部卒業後、1977年に朝日新聞社入社。2015年に同社を退社するまで、主に東京本社販売局に勤務。2000年に流通開発部長、2003年に販売管理部長を務める。著書に『新聞販売と再販制度』がある。