人を見る目
836円(税込)
発売日:2018/04/16
- 新書
- 電子書籍あり
お追従、お節介、横柄、臆病者、しみったれ……歴史の断層から掘り起こす「昭和史」の人間学。
お追従、お節介、しみったれ、臆病者、空とぼけ……時は流れて世は大きく移り変わっても、人の考えることやすることには、古来変わらない傾向がある。昭和史の第一人者が、『パンセ』『人さまざま』『徒然草』など東西の古典をひもときながら、軍人や政治家、財界人や文士たちの様々な言動をたどる。善悪のあいだでよろめき続ける人間の悲哀を歴史の断層の中から掘り起こす、大人のための人間学。
書誌情報
読み仮名 | ヒトヲミルメ |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
装幀 | 新潮社装幀室/デザイン |
雑誌から生まれた本 | 新潮45から生まれた本 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 224ページ |
ISBN | 978-4-10-610762-7 |
C-CODE | 0221 |
整理番号 | 762 |
ジャンル | 歴史・地理 |
定価 | 836円 |
電子書籍 価格 | 836円 |
電子書籍 配信開始日 | 2018/04/20 |
担当編集者のひとこと
世に忖度のタネは尽きまじ
昨年来話題の「忖度」という言葉、もとは他人の気持ちを推しはかることで、必ずしも悪い意味ではなく、日本人らしい心の働きともいえるでしょう。
しかし、かつては東條英機にベッタリで時局判断を誤らせる一因ともなった「納豆組」、戦後では田中角栄に取り入るために「腰を使い」続けた政治家など、権力者とその取り巻きという関係は、ときに重大な結果をもたらします。
本書で取り上げる「エピソードのひとつひとつは、私たち自身であり、私たちの生きている時代でもある」と著者はいいます。その上で、日々の欲望や計算、狡智などは、なまじの人格陶冶では克服できないことを知っておくことが重要だというのです。
時代は移り変われど、世に忖度のタネは尽きまじ――そのことを思い知らされる昭和史の人間観察学です。
2018/04/25
著者プロフィール
保阪正康
ホサカ・マサヤス
1939(昭和14)年北海道生まれ。ノンフィクション作家。同志社大学文学部卒。『東條英機と天皇の時代』『五・一五事件』『あの戦争は何だったのか』『昭和の怪物 七つの謎』『ナショナリズムの昭和』(和辻哲郎文化賞)、「昭和史の大河を往く」シリーズなど著書多数。