生死の覚悟
814円(税込)
発売日:2019/05/16
- 新書
- 電子書籍あり
生死と出会い、惑う。実存の根拠を問う、作家と禅僧の対話。悲しみの中に立ち続ける。
「師と出会ったことで、不信心についての私の苦がいくらか薄らいできているのを感じる。この歳でまた少し生まれ変わったようなもの」(高村薫)、「同時代に彼女がおられることは、救いとしか言いようがない」(南直哉)。ある作品を媒介に作家と禅僧が出会い、七年越しの対話が始まった。信心への懐疑、坐禅の先にあるもの、震災とオウム……はたして仏教は、人生のヒントとなるか。実存の根源的危機が迫る時代に、生死の覚悟を問う。
目次
生死と出会い、惑う――高村薫
第一章 生命と死の門――二〇一一年一月二十五日
黒衣のダース・ベイダー/ふたつの「サンガ」/「紅顔の修行僧」への違和感/近代理性で“仏”に迫る/〈生命〉という到達点/阪神淡路大震災と「死の門」/生死の構造
第二章 坐禅の先にあるもの――二〇一一年一月二十五日
オウムに決定的に欠けているもの/懐疑の訓練/「葬式仏教の崩壊」から始まること/信心というハードル/縁起する実存/作家と禅僧の間にある“一線”/これからの僧侶に必要なこと/仏教の可能性と復興の必要条件
断章I〜IV
断章I 道元がたちあらわれるところ――高村薫
断章II 運動する『正法眼蔵』――南直哉
断章III 空海が現代人ならと想像させる書――南直哉
断章IV 「信心不問」の仏教史――高村薫
断章II 運動する『正法眼蔵』――南直哉
断章III 空海が現代人ならと想像させる書――南直哉
断章IV 「信心不問」の仏教史――高村薫
第三章 信心への懐疑――二〇一八年九月十三日
「住所不定住職」/「仏教の突破」/究極の宗教論/「人ではなく、神を信じなさい」/私の原点/「信じる」への違和感/「最初の人」と「次の人」/「悪人」という自覚
第四章 生死の覚悟――二〇一八年九月十三日
震災文学の決定版/生死の覚悟/自己からの逃走と宗教への接近/自己であることの負担に耐え続ける/池の奥底にある問い/南海トラフ地震/宗教家の条件/僧侶のある苦い経験/ふたたびオウム真理教について/終わりなき振り子運動/救世主になろうとした人/空海が現代に生きていたら……/自己を解体するために自己を保つ/「お前のやっているのは、仏教ではない」/「信じる」という主題
悲しみの中に立ち続ける――南直哉
書誌情報
読み仮名 | ショウジノカクゴ |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
装幀 | 新潮社装幀室/デザイン |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 208ページ |
ISBN | 978-4-10-610815-0 |
C-CODE | 0215 |
整理番号 | 815 |
ジャンル | 宗教 |
定価 | 814円 |
電子書籍 価格 | 814円 |
電子書籍 配信開始日 | 2019/05/24 |