楽観論
968円(税込)
発売日:2021/08/18
- 新書
- 電子書籍あり
絶望って、安易じゃないですか? 危機の時代、悲観的にならず生きるための思考法。
「日本はもうダメだ」「世の中悪くなる一方」。SNSでもメディアでも、聞こえるのは嘆きの声ばかり。たしかに世界は順風満帆ではないし、悲観論は人を賢く見せる。だが、僕たちはこの世界で生きていくしかない。だったらせめて、楽観的に捉えてみたらどうだろう。どんな出来事も視点をずらして眺めれば、違った景色が見えてくる。危機の時代、安易な厭世論に陥らず軽やかに生きるためのヒント。
書誌情報
読み仮名 | ラッカンロン |
---|---|
シリーズ名 | 新潮新書 |
装幀 | 新潮社装幀室/デザイン |
雑誌から生まれた本 | 週刊新潮から生まれた本 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 320ページ |
ISBN | 978-4-10-610918-8 |
C-CODE | 0236 |
整理番号 | 918 |
ジャンル | エッセー・随筆 |
定価 | 968円 |
電子書籍 価格 | 968円 |
電子書籍 配信開始日 | 2021/08/18 |
薀蓄倉庫
進化し続ける機械翻訳
英文を苦労して読んだのも今は昔、機械翻訳のクオリティはこの20年ですさまじい精度に達しています。著者が海外ニュースを読むのに日々活用していると紹介するのは「みらい翻訳」、そして「DeepL翻訳」。後者はドイツ企業の無料翻訳サービスですが精度が高く、特によく使うとのこと。海外に行った際は、スマホ用のアプリでカメラをかざすと瞬時に日本語を表示してくれるグーグル翻訳も便利です。世の中なかなか変わらないことも、時には悪くなったように思えることも多々ありますが、便利になった面にも目を向けたいですね。
掲載:2021年8月25日
担当編集者のひとこと
絶望の国の楽観論
コロナ禍が長引く中、日々のニュースにうんざり気味な方は多いのではないでしょうか。感染拡大、経済損失、災害や事件……不安や悲しみで溢れた報道ばかり。世間はどう見ているのだろうとSNSを開けば、誰かを糾弾したり叩いたり、あるいはこの国がいかにダメでお先真っ暗かといった、悪口や悲観論が次々出てきます。
もちろんそうした現実から目を背けるわけにはいきません。おかしいと思ったことはきちんと批判していかなければならないでしょう。一方、私たちはそんな危機や絶望ばかり目につく世界で、「それでも」生きていかなければならないのです。こんな心折れそうな中、どうやって?
そんなとき、古市さんの世の中を見る目はとても参考になります。いわく、そのコツは「あきらめながらも、腹をくくる。受け入れながらも、視点をずらす」こと。
コロナで判明したヨーロッパの弱さとは? 多くの死者を出したスペイン風邪はなぜ歴史教科書にほとんど載っていない? 強権発動を求める人たちが実は一番国家に期待している? 「グローバル化」は先史時代から始まっているのでは? etc……
ちょっとシニカルでクリアな文章を読んでいくうちに、「そんな視点があったのか」と驚きながらも、なんだか気が楽になっていることに気付きます。
1つの話題につき、およそ3ページ。この時代に必要な「あきらめから始まる楽観論」、少しずつ読んでいただくと、頭と心がちょっとほぐれること請け合いです。
2021/08/25
著者プロフィール
古市憲寿
フルイチ・ノリトシ
1985(昭和60)年東京都生まれ。社会学者、作家。『ヒノマル』『正義の味方が苦手です』『謎とき 世界の宗教・神話』など、著作多数。