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マイ遍路―札所住職が歩いた四国八十八ヶ所―

白川密成/著

968円(税込)

発売日:2023/03/17

  • 新書
  • 電子書籍あり

ただ、歩く。そして祈る。大自然、歴史、人情……。お坊さんが案内する、「四国遍路」の世界。

四国にある八十八の霊場を巡礼するお遍路。本書は、そのひとつ第五十七番札所・栄福寺の住職が、六十八日をかけてじっくりと歩いた記録である。四万十川や石鎚山など美しくも厳しい大自然、深奥幽玄なる寺院、弘法大師の見た風景、巡礼者を温かく迎える人々……。それらは人生観を大きく揺さぶる経験として、多くの人々を魅了する。装備やルートまで、お坊さんが身をもって案内する、日本が誇る文化遺産「四国遍路」の世界。

目次
はじめに
第一章 歩き遍路が始まる(一番霊山寺→二十二番平等寺)
「歩いてお寺をお参りするんだよ」/遍路の寺から遍路に向かう/我が力にあらず/「兄ちゃん、お経が上手いな」/遍路宿で情報を得る/寺ではゆっくり拝む/納経帳と線香を売っているコンビニ/新緑の季節、水田に囲まれて歩く/デンマーク人お遍路さんとの昼食/黄泉の国のような川中島/歩き遍路が真の遍路?/いきなり難関/下り坂で膝が痛む/遍路では男に注意/国分寺で貫首猊下に再会/徳島市街に入る/今までで一番楽しい旅/聖地中の聖地で空海を読む/「自受法楽」
第二章 高知の海辺をひたすら歩き続ける(二十三番薬王寺→二十四番最御崎寺)
ついに太平洋に到着/「迷悟、我に在り」/遍路の宿は食事も美味しい/思わぬホタル祭りの夜/半裸、全裸の入店お断り/強くなる痛みの中で/仙人との夜/「去去として原初に入る」/海の寺に吹く風
第三章 ひとりの楽しさと出会いのよろこび(二十五番津照寺→三十六番青龍寺)
遍路の再開は涼しい秋に/昨日は泳ぎました/お勤めが定まってくる/ドライブイン27/「四国仏教」としての四国遍路/海辺での修行/土佐くろしお鉄道の撮り鉄/大師に呼ばれる/穴の空いた石/思わぬ法話/さみしさもひとり遍路の魅力/弘法大師と話したおばあさん/「KUKAI IN YOU」/山本玄峰老師が出家した寺/スイス人彫師にとっての四国遍路/四国の清流、仁淀川/雨の宇佐大橋を渡る
第四章 「四万十川!四万十川!四万十川!」(三十七番岩本寺→三十八番金剛福寺)
宿がとれない/遍路問答は突然に/「オレ」は生きている限りずっといる/五つの本尊/「ひとり」の心地よさ/二者択一ではなくバランスをとる/鹿島で仏と死を思う/四万十川を歩いて渡る/馬が合う宿/足摺岬、補陀洛のような寺/「歩けるものだなあ」
第五章 愛媛に歩いて帰ってきた(三十九番延光寺→四十三番明石寺)
初日から暴風波浪警報/ついに「カメリア」に泊まる/はじめて山中に迷う/歩き続けて愛媛に戻ってくる/六塵悉く文字なり/獅子文六の部屋/宇和島に入る/友人の住職に再会/平安仏の冷たさ/痛みの中で出会った温泉/遍路は橋で杖を突かない
第六章 「逆風」を歩く(四十四番大宝寺→六十一番香園寺)
人々はこういう時代に手を合わせてきた/心ここにあらず/霧の日は晴れる/山岳修行の場・岩屋寺/朝夕と修行する姿をみれば/死の所去を悟らず/「どうしてお坊さんの格好をしていないんですか?」/空也上人と三輪田米山/裸だと勝負にならない/道後温泉も遍路道/「宿は逃げへん」/『八宗綱要』を書いた寺/リラックスした読経/栄福寺に帰ってくる/僕もコロナ不調になっていた/弘法大師像のある宿/聖地・星ヶ森での阿字観
第七章 弘法大師のふるさとへ(六十二番宝寿寺→七十八番郷照寺)
十一月の遍路がはじまった/お葬式に呼ばれる/子供の頃に住んでいた街/遍路を支える人たち/小林一茶の訪れた紅葉の山寺/歩き遍路の名物宿/「六大無碍にして常に瑜伽なり」/四国霊場、最高峰に登る/真言と天台の大師/「四種曼荼、各離れず」/遍路道のうどん屋/僕の大好きなお寺/弘法大師を救った釈迦如来/ついに弘法大師が生まれた場所へ/善通寺の宿坊に泊まる/遍路は終盤が危ない/最後の油断/岡田武史さんに教えてもらった禅僧
第八章 旅の終わり(七十九番天皇寺→八十八番大窪寺)
青春を過ぎても/郷照寺に再び参拝/天皇陵のある寺/源義経の古戦場/山の伽藍/力みのない善行/八十八番の山を登る/結願――月に大師を観じ/お祝いの赤飯/八十八番のあと/高野山へ
おわりに
【参考文献】

書誌情報

読み仮名 マイヘンロフダショジュウショクガアルイタシコクハチジュウハッカショ
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 288ページ
ISBN 978-4-10-610987-4
C-CODE 0215
整理番号 987
ジャンル 歴史・地理・旅行記、旅行・紀行
定価 968円
電子書籍 価格 968円
電子書籍 配信開始日 2023/03/17

著者プロフィール

白川密成

シラカワ・ミッセイ

1977年生まれ。第五十七番札所・栄福寺住職(愛媛県今治市)。真言宗僧侶。高野山大学密教学科卒業後、書店勤務などを経て、2001年より現職。デビュー作『ボクは坊さん。』が、2015年に映画化。著書に『坊さん、ぼーっとする。』『空海さんに聞いてみよう。』などがある。

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