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移民リスク

三好範英/著

968円(税込)

発売日:2025/02/15

  • 新書
  • 電子書籍あり

【川口~トルコ~ドイツで現地徹底取材】「国際化」「多文化共生」の不都合な真実。

クルド人=政治難民というイメージ、メディアによる入管行政への批判、移民先進国ドイツの先例──人口減や人道的配慮など移民を受け入れるべき理由はあるものの、このまま押し進めて本当にいいのか? 欧州事情に通じたジャーナリストが、クルド人問題に揺れる埼玉・川口、彼らの故郷トルコ、移民流入に悩むドイツ、「入管の闇」問題をめぐって現地徹底取材。国家の基盤を揺るがす「日本的ゆるさ」に警鐘を鳴らす。

目次

はじめに

第1章 川口・蕨「クルド人問題」の真相
トルコ語表示のゴミ出しルール/コンビニでの長時間駐車/塀を破壊して知らんぷり/市議会もクルド人対策に本腰/節目となった病院前騒乱事件/頻発する事件、事故や迷惑行為/統計的に見たクルド人の犯罪率/解体業を中心に多数が不法就労/難民申請5回で20年在留/入管法の改正には反対しない/高級外車を乗り回し「炎上」/不法就労者の劣悪な労働環境/膨らむ外国人による医療費未収金/出産ラッシュで入院助産制度圧迫/急増するクルド人児童生徒たち/親についてきただけ/クルド人を集めない方がいい/クルド人の故郷はどんなところか/よりよい生活を求め海外へ/帰国後、農業で成功/日本で働けるようにしてほしい/クルド人を理由とした迫害はない/北欧のような民主主義ではないが/公教育でもクルド語使用を/投獄されているのはPKK戦闘員/トルコとの間を往復/活動歴で帰国できないと主張/政治的なクルド人/協会はテロ組織支援者か/多文化共生に熱心な川口市長/ようやく連携しだした関係機関

第2章 「入管の闇」という偏向
大原則は「外国人は日本人ではない」/難民受け入れは国家の判断/約7万人の不法残留者/急増する送還忌避者と難民申請/送還忌避者の4割近くに犯罪歴/申請を2回に制限した改正入管法成立/入国警備官の過酷な日常/立小便を繰り返す収容者/「弱者」としてのみ報じる全国紙/「異常なし」と診断されると怒りだす/刑務所から直接移送も/スリランカ女性死亡事案の背景/誇張を疑った女性看守/もっと打つ手はあったのでは/日本は本当に難民鎖国なのか/決定的な役割を担う参与員制度/申請者に難民はほとんどいない/現行制度に否定的な参与員も/書面審査への批判は妥当か/認定基準が厳しいのか/紛争国に囲まれた欧州との違い

第3章 移民規制に舵を切ったドイツ
「移民先進国」の苦悩/難民審査の現場から/面接は8時間に及ぶことも/クルド人の難民認定率は3・3%/ドイツでも「クルド人=難民」ではない/移民系が日常となった欧州世界/来たのは労働力ではなく人間/冷戦終結後の流入第1波/「移民国家」への転換を公約に/メルケル首相が引き寄せた「難民危機」/冷戦終結後の流入第3波/難航する不法残留者の送還/母国の対立が持ち込まれる/相次ぐイスラム原理主義テロ/送還促進、流入制限に追い込まれた左派政権/難民の犯罪を報じないメディアへの批判/右派政党拡大で進む政治の分断/主導文化と多文化主義/ドイツ人意識は育ったか/反ユダヤ主義を助長/イスラム教への警戒心の高まり/ヨーロッパの将来への悲観論

第4章 理想論が揺るがす「国家の基盤」
入管法改正で送還は進むのか/「子供在特」という特例措置/困難さを増す送還の現場/「家族送還」の難しさ/イラン人残留減少が成功したわけは/査証免除の停止が最善策/事前に飛行機搭乗を防ぐシステム/ホッとする日本/多数派が多数派に留まる意味

おわりに

書誌情報

読み仮名 イミンリスク
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 208ページ
ISBN 978-4-10-611077-1
C-CODE 0236
整理番号 1077
ジャンル 社会学、思想・社会
定価 968円
電子書籍 価格 968円
電子書籍 配信開始日 2025/02/15

著者プロフィール

三好範英

ミヨシ・ノリヒデ

1959(昭和34)年、東京都生まれ。ジャーナリスト。東京大学教養学部卒。読売新聞社でバンコク、プノンペン、ベルリン特派員。2022年退社。著書に『ドイツリスク』(山本七平賞特別賞受賞)『メルケルと右傾化するドイツ』『ウクライナ・ショック』など。

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