
患者と目を合わせない医者たち
1,056円(税込)
発売日:2025/06/18
- 新書
- 電子書籍あり
誰も書かなかった「医者の本心」と「病院の実態」。若手医師への疑念、「患者様」の無理難題……。ベテラン臨床医が明かす医療の内実。
医療技術は着実に進歩し、難病治療も可能になった。セカンド・オピニオンやインフォームド・コンセント、情報開示やAI活用もいまや当たり前だ。にもかかわらず、患者の不安が一向に減らないのはなぜなのか。現場で感じる「高邁な理想論」と「非情な現実」との乖離、そしてその狭間で治療を続ける臨床医の本心とは──。患者やその家族と対面する診察室では語りえない医師たちの苦悩、医療の実情を鋭く切り出す。
はじめに
I 患者の非常識、医者の非常識
1 「患者様」は無理難題を言う
2 患者にカルテを読ませても
3 モンスター患者の対処法
4 AI医師の優しさ
5 触診とセクハラの境界線
6 大先生の総回診
7 実物に触ることをしない人たち
8 チーム医療の無責任
II すっきりしないのは浮世の常
9 病理解剖の意義
10 「治る」とはどういうことか
11 新しいから良いわけではない
12 健康のことを考えて検査をやめましょう
13 安心と油断は地続きである
14 検診という名の余計なお世話
15 「小悪」を選択する
III 若手医師たちに覚える不安と疑念
16 医者に向いていない医学生
17 オンライン診療に抵抗があるのは「古い」のか
18 AIは医学生に死を教育できるのか
19 エビデンスの限界
20 医者が普通の仕事になってしまった
21 数字に振り回されすぎている
22 やはり数字にさらに振り回されすぎている
IV タダほど嬉しいものはなし、タダより高いものはなし
23 抗癌剤の量が減らない身も蓋もない理由
24 「医療費無料」の落とし穴
25 開業医と勤務医の格差
26 外科医の受難
27 「念のため」の成れの果て
28 手術の数値目標
29 患者の優先度
V 「理想の死」という虚構
30 安らかに逝くことは「贅沢」と化した
31 余命宣告は誰のため
32 私の遺志はスマホをご覧ください
33 治療のために生きていく
34 癌専門医はなぜ「癌で死にたい」と言うのか
35 治療をやめる勇気
36 患者は「様子を見ましょう」に耐えられない
37 誰も望まない延命治療をなぜやめられないのか
結びに代えて――SCPについて
付録(1) 我が国の保険医療制度について
付録(2) 財政破綻したらどうなるのか
書誌情報
読み仮名 | カンジャトメヲアワセナイイシャタチ |
---|---|
シリーズ名 | 新潮新書 |
装幀 | 新潮社装幀室/デザイン |
雑誌から生まれた本 | 週刊新潮から生まれた本 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 256ページ |
ISBN | 978-4-10-611092-4 |
C-CODE | 0247 |
整理番号 | 1092 |
定価 | 1,056円 |
電子書籍 価格 | 1,056円 |
電子書籍 配信開始日 | 2025/06/18 |