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「話が面白い人」は何をどう読んでいるのか

三宅香帆/著

1,078円(税込)

発売日:2025/09/18

  • 新書
  • 電子書籍あり

うまく話す人は、うまく読む。『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』著者のインプット術を大公開!

「とっさに言葉が出てこない」「アイスブレイク的な雑談が苦手」「飲み会で昔の話ばかりする大人になりたくない」……そんな時、話題の本や漫画、最新の映画やドラマについて魅力的に語れる人は強い。エンタメには、社会や人生の「ネタバレ」が詰まってもいるからだ。ただ、作品を読み解き、その面白さを伝えるには、実は知る人ぞ知る「コツ」がある。気鋭の文芸評論家が自ら実践する「『鑑賞』の技術」を徹底解説!

目次

まえがき

第一部 技術解説編
1 話が面白いという最強のスキルについて
2 味わった作品を上手く「料理」してネタにする
3 具体例でわかる! 物語鑑賞「五つの技術」
4 「鑑賞ノート」をつけてみよう
5 読解力があればコミュニケーション上手になれる

第二部 応用実践編
1〈比較〉ほかの作品と比べる
欲望と格差が引き起こす人間ドラマ──『地面師たち』vs『パラサイト』
「ここ」を肯定して生きる──「成瀬」シリーズvs『桐島、部活やめるってよ』『あまちゃん』
「推し」時代の師弟関係──『メダリスト』vs『ユーリ!!! on ICE』
強くなりたい少年たち──『ダイヤモンドの功罪』vs『実力も運のうち 能力主義は正義か?』
なぜ中年男性はケアをしないのか問題──『LIGHTHOUSE』vs『OVER THE SUN』
息子であり、父であり、夫ではない男たち──『君たちはどう生きるか』vs『街とその不確かな壁』
幸福は「つくる」時代──『キレイはこれでつくれます』vs『感性のある人が習慣にしていること』

2〈抽象〉テーマを言葉にする
ケアの倫理の物語──『ダンジョン飯』『アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か?』
父性の在り方を問う物語──『不適切にもほどがある!』『喫茶おじさん』
ネットがつれてきた感情──『エレクトリック』『##NAME##』『ハンチバック』
アンコントローラブルの文学──『ともぐい』『八月の御所グラウンド』
ローカル性の復活──『地図と拳』『しろがねの葉』『この世の喜びよ』『荒地の家族』
「親ガチャ」に外れた人生のその後──『水車小屋のネネ』

3〈発見〉書かれていないものを見つける
消えたブラザーフッドの行方──『女のいない男たち』『ドライブ・マイ・カー』
令和の「こじらせ男子」が持っていないもの──『こっち向いてよ向井くん』
ポスト「逃げ恥」時代の家庭問題──『海のはじまり』『西園寺さんは家事をしない』『SPY×FAMILY』
ブレーキをかけないという才能──『メダリスト』

4〈流行〉時代の共通点として語る
更新される青春小説──『成瀬は天下を取りにいく』『二木先生』
「おいしいごはん」は幸せの象徴か──『おいしいごはんが食べられますように』『デクリネゾン』
シスターフッドの潮流──2022年上半期芥川賞候補『おいしいごはんが食べられますように』
令和の源平ブーム──『鎌倉殿の13人』『平家物語』『犬王』
オリンピック・フィクション──『円』『NEVER SAY GOODBYE』『幻の旗の下に』
今なぜSFがウケるのか──『三体』『プロジェクト・ヘイル・メアリー』
AI翻訳と海外文学は交わりうるか──『プロジェクト・ヘイル・メアリー』
SNSでバズる短歌──『あなたのための短歌集』
「死にたい」をめぐる言説──『「死にたい」とつぶやく』『死にたいって誰かに話したかった』
「はて?」「なぜ?」が求められている──『虎に翼』
正しさをめぐる問いかけ──『〈公正(フェアネス)〉を乗りこなす』『訂正可能性の哲学』
右肩下がりの時代と若者たち──『先生、どうか皆の前でほめないで下さい』
芥川賞候補作は時代を反映する──『バリ山行』『サンショウウオの四十九日』

5〈不易〉普遍的なテーマとして語る
物語は陰謀論に対抗しうるか──『方舟を燃やす』『女の国会』『一番の恋人』
「推し」ブームの変遷──『推し、燃ゆ』
「私小説」が流行る理由──『文藝』「ウィーウァームス」『アイドル2.0』
名作リバイバル・ブーム──『THE FIRST SLAM DUNK』
村上春樹の継承者を考える──『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ブランチライン』
『光る君へ』と源氏物語──『光る君へ』『あさきゆめみし』
「ノンフィクション本三宅賞」を決めてみる──『太陽の子』『ネット右翼になった父』『母という呪縛 娘という牢獄』
ウクライナ、灰色の空──『ペンギンの憂鬱』『ウクライナ日記』

あとがき

付録 話が面白くなるブックリスト

書誌情報

読み仮名 ハナシガオモシロイヒトハナニヲドウヨンデイルノカ
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン
雑誌から生まれた本 から生まれた本
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 272ページ
ISBN 978-4-10-611101-3
C-CODE 0290
整理番号 1101
ジャンル 文学・評論
定価 1,078円
電子書籍 価格 1,078円
電子書籍 配信開始日 2025/09/18

著者プロフィール

三宅香帆

ミヤケ・カホ

1994(平成6)年高知県生まれ。文芸評論家。京都市立芸術大学非常勤講師。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程中退。主に文芸評論、社会批評などの分野で幅広く活動。著書に『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』『「好き」を言語化する技術』など多数。

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