ホーム > 書籍詳細:政府破綻

1,210円(税込)

発売日:2026/01/17

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  • 電子書籍あり

「日本版DOGE」で、危機を回避せよ。若手起業家が設立した独立系シンクタンク[プログラム・ディレクター船橋洋一氏]が描く日本再生の処方箋。

止めようがない少子高齢化、膨張する行政ニーズ、縮小する政府キャパシティ……。日本の現状は厳しく、統治の仕組みを大きく変えない限り、「政府破綻」が現実のものとなりかねない。部分最適を脱し、長期的視点で全体最適に是正していくには、何をどう変えていけばいいのか。強い危機感に駆られた若手経営者らによって設立された独立系シンクタンクが、「2050年の日本」を想定して世に問う日本再生の処方箋。

目次

はじめに 長期最適、全体最適、グローバル

第一章 政府破綻の足音
1.2050年夏、東京都
2.膨張する行政ニーズと縮小する政府キャパシティ
(1)超少子高齢化社会と日本経済
ア 人口動態
イ 経済成長
(2)双子の財政負担:社会保障費と防衛費
ア 社会保障費
イ 防衛費
ウ その他の要因
(3)政府破綻の現実性
3.小さくて大きな政府──「次世代」のための政府効率化の提言
【コラム1:DOGEとは何か】

第二章 これまでの行革、これからの行革:反省と学び
1.日本行政改革小史
(1)第一次臨時行政調査会
(2)第二次臨時行政調査会(土光臨調)
(3)臨時行政改革推進審議会(行革審)
(4)行政改革会議(橋本行革)
(5)小泉政権から民主党政権へ
2.これからの行革:総括と学び
(1)2つのポイント
(2)持つべき2つの視点
【コラム2:DOGEに至るまで】

第三章 政府の無駄の削減
1.肥大化する補正予算・特別会計・官民ファンドの効率化
(1)補正予算
(2)特別会計
(3)官民ファンドの役割の明確化、ソブリン・ウェルス・ファンド(SWF)の設立
2.徹底した規制改革の実施
(1)イノベーションの社会実装をデフォルトとするKPIの設定等
(2)規制改革プロセスの可視化と将来世代の利益
(3)規制改革を前提とした「原則」
ア 規制自体に関する「原則」の策定
イ 「原則」を実現するための規制の可視化
(4)不合理なローカルルールの打破
(5)人的資本の最適活用とイノベーション加速のための規制改革
3.行政事務の無駄削減
(1)行政における日常業務の無駄削減・効率化
ア 省庁間調整の効率化
イ 省庁内調整の効率化
ウ 国民に開かれた政府に伴う施策と行政の効率化
エ 白書の廃止・縮小
オ 会計や人事関係手続の無駄
(2)法案作成過程の無駄削減・効率化
ア 法改正プロセスの効率化
イ 内閣法制局の役割の見直し
ウ Rule as Codeの推進
(3)国会・政党対応の無駄削減・効率化
ア 国会運営について
イ 質問主意書対応
ウ 議員と官僚の関係
(4)政治と行政の役割分担について
(5)意思決定機能の集約化とPDCAサイクルの実効化
4.まとめ
【コラム3:DOGEにみる契約の見直しと規制改革の実像】

第四章 徹底的なデジタライゼーションによる未来政府の実現
1.生成AIの徹底活用による行政の生産性向上
(1)文書作成
(2)申請・問合せ処理
(3)コンテンツ・システム構築
(4)調査・分析業務
2.公共サービス・インフラ維持におけるデジタル技術の徹底導入
(1)医療
(2)介護
(3)教育
(4)インフラ維持・災害対応
3.デジタル時代の国・地方自治体の役割再考
4.まとめ
【コラム4:DOGEとテクノロジー】

第五章 政府の組織経営に関する見直し
1.政策の意思決定プロセスの抜本的見直し
(1)個別最適の規模追求から費用対効果への転換
(2)人件費と事業費の最適配分
(3)将来世代の利益を意思決定に組み込むフューチャーデザイン
2.明治以来の行政組織運営の抜本的見直し
(1)スキルベースの人事制度への移行とリボルビングドアの促進
(2)行政組織のマネジメント機能強化とマネジメント人材の育成
(3)成果を出すための組織文化のアップデート
3.民間セクターとの共創による社会課題の解決
(1)個人の寄付を通じたファイナンスによる社会課題の解決
(2)企業による社会貢献を通じた行政課題の共同解決
(3)デジタル技術を通じた新しい官民連携
(4)新しい業界団体や官民の連携を橋渡しするプレーヤーとの連携
4.まとめ
【コラム5:テック人材が変える政府】

第六章 防衛力の有効性向上
1.「前線国家」日本
2.防衛費の更なる増額の必要性
3.兵力構成の見直し
4.新陳代謝と生産拡大を促す研究開発・調達手法
(1)防衛需要超過の時代
(2)研究開発プロセスの見直し
(3)先行投資に対するインセンティブ付け
5.「消耗戦」に対応した「有事の経済安全保障」
6.まとめ
【コラム6:DOGEによる国防予算効率化の論点】

終章 2050年に向けて我々が今すべきこと
1.2050年夏、東京都──もう一つの未来
2.プロジェクト総括
【コラム7:DOGEのその後と「日本版DOGE」への教訓】

本書執筆者その他関係者

書誌情報

読み仮名 セイフハタン
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 320ページ
ISBN 978-4-10-611111-2
C-CODE 0231
整理番号 1111
ジャンル 政治
定価 1,210円
電子書籍 価格 1,210円
電子書籍 配信開始日 2026/01/17

蘊蓄倉庫

技術と機密の相克

 イーロン・マスクが率いていたDOGE(政府効率化省)は、政府部門の無駄の洗い出しにAIを活用しました。DOGEチームには各省庁のネットワークや非機密データベースへの即時アクセス権限が与えられ、AIによる横断的なビッグデータ分析が可能な体制が整えられていました。
 しかし、AIとテック人材に依存した手法にはリスクも存在します。アメリカ国防省の内部では、経験の浅い技術者に広範なデータアクセス権限が与えられていることに対する懸念があったと言います。当然でしょう。防衛関連情報には、その重要度に応じてアクセスを可能にするためのセキュリティクリアランスが求められますが、DOGEの仕組みでは、その部分が飛ばされてしまうからです。
 政府の効率化を考えた時、日本も同じ問題に直面することになるでしょう。その意味からもDOGEの経験からは学べることが多くあります。

掲載:2026年1月23日

担当編集者のひとこと

新設シンクタンク、初のアウトプット

 本書は、一般財団法人ネクストジャパン・イニシアティブ(NXJI)が設立後はじめて世に問う成果物です。

 NXJIは、次世代の政治家を養成する「令和政経義塾」の運営を主な使命として、2024年に実業家の吉村英毅と山口功一郎の両氏によって設立された独立系シンクタンクです。同年9月に開塾した令和政経義塾からは、すでに4名の衆議院議員が誕生していますが、NXJIは同時に、日本政治が抱える本質的な課題を調査・研究し、新たな思想や構想を提案する活動も行っていく予定です。

 NXJIは最初のプロジェクトのテーマとして「政府破綻」を取り上げました。国際情勢が不安定化して防衛費の負担が増える、高齢化によって社会保障費が増える、インフラの更新費用が嵩むなど、政府の支出は今後も増えていかざるを得ませんが、一方で人口減少が進んでいるので負担の担い手は減っていきます。つまり、これからの政府は「より大きな役割を担い、より少ない負担で運用する必要があるわけです。それがうまくいかなければ、「政府破綻」が現実の懸念として浮かび上がってくるでしょう。これは、多くの先進国に共通する課題です。

 本書『政府破綻』では、4つほど柱を立てて提言を試みています。
 第一に、政府の無駄の徹底的な排除。第二に、AIの活用を含む徹底的なデジタル化。第三に、人事・雇用面での行政組織のあり方(ガバナンス)の根本的見直し。ここまでは行政組織全体の課題ですが、第四として防衛体制と防衛予算の問題を特に取り上げています。日本を取り巻く国際環境が危機的なものになっている一方で、防衛問題においては戦後日本の「一国平和主義」的な思考がまだ根強く残っているからです。ここを効率化しなければ、そもそも日本の「自主独立」すら危うくなってしまいます。

 本プログラムでは、船橋洋一氏がプログラム・ディレクターをつとめてワーキング・グループを統括し、各分野の気鋭の研究者・実務家が集って議論を重ねました。また、有識者会議も作り、そのメンバーからのフィードバックも反映させています。独立系シンクタンクゆえの根本的な提言を、ご一読いただければ幸いです。

2026/01/23

著者プロフィール

一般財団法人ネクストジャパン・イニシアティブ

イッパンザイダンホウジンネクストジャパンイニシアティブ

2024年に設立された独立系シンクタンク。創設者は実業家の吉村英毅と山口功一郎。次世代の日本を背負って立つ政治家を養成する「令和政経義塾」の運営を主たる使命とし、各種政策提言も行っている。

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