ホーム > 書籍詳細:星野源論

1,056円(税込)

発売日:2026/06/17

  • 新書
  • 電子書籍あり

異端にしてど真ん中。芸能史と音楽批評から“アナーキーなポップスター”の創造の源泉と表現の神髄に迫る。

「異端にしてど真ん中」の傑作群を世に放ち、比類なき地平を切り拓いてきた星野源。しかし、その表現は音楽・演技・文筆など多岐にわたるため、誰もまだ全体像を語り切れていない。なぜ〈生まれ落ちた日から よそ者〉と歌うのか? どんな文化的影響を受けたのか? 生死を彷徨い、絶頂と奈落の先で掴んだものとは──。二人の論者が、「芸能史」から創造の源泉を探り、“アナーキーなポップスター”の神髄に「音楽批評」で迫る。

目次

はじめに 小田部仁

第一部 源流──芸能史の中の星野源 戸部田誠(てれびのスキマ)

序章 欲張りなエンターテイナー──「ばらばら」
「13の顔を持つ男」と「諦めない男」/ドロドロの向こう側にあるもの/SAKEROCKと大人計画/自分たちの時代のカルチャー/「欲張りエンターテイナー」

第一章 王道の継承と更新──『おげんさんといっしょ』
「ダラダラ」が生み出すマジック/日本の音楽バラエティの血脈/クレージーキャッツの遺伝子/ジャズメンの系譜/テレビの夢/にこやかに中指を/ちゃんと終わろう

第二章 くだらないの中に──『星野源のオールナイトニッポン』
やりきった10年/「くだらなさ」の英才教育/叩き上げのラジオリスナー/深夜ラジオの時代/誰がためのラジオか/ラジオの可能性を広げる/今日も生きられる/内村光良との共通点/ニセ明登場!/発酵と発光/「くだらないの中に」

第三章 アナーキーなポップスター──『逃げるは恥だが役に立つ』『紅白歌合戦』
恥ずかしさを学べ/「サブカル」への違和感/一人を超えてゆけ/今、何が一番良い選択なのか/アナーキーなポップスター

終章 「どうでもいい」絶望の中の幸福論──『LIGHTHOUSE』『MAD HOPE』
飽きたんじゃないかな/絶望しても幸せ/“どう”あってもいい/地獄でなぜ悪い

第二部 意味に支配されない音楽 つやちゃん

序章 なぜ人は星野源について語りつつ、いつも語り得ないのか
それぞれの星野源論/分散するイメージ/「人格横断」する力/同時代を生きる不思議なアーティスト

第一章 名のない不安の時代──孤独がつくった原型
「間違って地球に来てしまった宇宙人」/「反復と変奏」の感覚/言葉になる前の違和感/“役”と“型”/表現者としての基礎構造/言葉より先にあるもの

第二章 歌の前に、型があった──声を持つための回路
表現を可能にするための足場/「歌=私」が問われる時代/染み込む音楽/「歌のない歌もの」/梱包材のような音楽/「君は歌ったほうがいい」

第三章 踊るための型──『YELLOW DANCER』と、黒人音楽を引き受ける身体
黒人音楽という巨大な型/“折り返し”の設計/抱えたまま踊る/黒人音楽をめぐる議論/音楽的達成とシーンの転換点/重さに耐えるための予行練習

第四章 ポップという型の臨界点──「恋」と『POP VIRUS』
呼吸の速度を変えながら進む音楽/曖昧なまま続く音と言葉/仕組まれた居心地の悪さ/静かな違和感/複雑な温度の「恋」/意味の速度を変えていく/「言葉を遅らせる」実験

第五章 言葉を急がない音楽──意味過剰時代のポップと『Gen』
ポップはどのように生き延びうるか/「意味を語らない」という選択/美しいが、説明できない/「語らせすぎない」アルバム/速度から空間へ──ポップの身体の更新/最後に残された誠実さ

終章 ポップがまだ生きているということ
意図的に設計された「語りえなさ」/意味とともに生きる

おわりに 小田部仁

書誌情報

読み仮名 ホシノゲンロン
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 256ページ
ISBN 978-4-10-611127-3
C-CODE 0273
整理番号 1127
ジャンル 文芸作品、ノンフィクション
定価 1,056円
電子書籍 価格 1,056円
電子書籍 配信開始日 2026/06/17

担当編集者のひとこと

5冊目の「〇〇〇論」

 6月17日発売の『星野源論』は、テレビや芸能ドキュメントを主戦場とする戸部田誠(てれびのスキマ)さんが「芸能史」から、音楽やカルチャー批評を主戦場とするつやちゃんさんが「音楽批評」から、星野源さんの表現の神髄に迫るものです。音楽家・俳優・文筆家として大活躍する「アナーキーなポップスター」星野源さんについての理解が深まること間違いなしの一書です。
 個人的な話になりますが、私が編集者としてこの『人名+論』というタイトルを冠した新潮新書を担当するのは、『星野源論』で5冊目。ほかは、樋口毅宏『タモリ論』(2013年)、西寺郷太『プリンス論』(2015年)、戸部田誠(てれびのスキマ)『笑福亭鶴瓶論』(2017年)、スージー鈴木『桑田佳祐論』(2022年)と、どれも「ポップスター」の実像に迫った力作ばかりです。ぜひチェックしてみてください。

2026/06/25

著者プロフィール

1978(昭和53)年生まれ。ライター。ペンネームは「てれびのスキマ」。「週刊文春」やYahoo!ニュースで、番組レビューや芸人論などをテーマに執筆。著書に『タモリ学』『1989年のテレビっ子』『笑福亭鶴瓶論』『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』『売れるには理由がある』など。

つやちゃん

ツヤチャン

文筆家。音楽やカルチャー批評を中心に執筆する。著書に『スピード・バイブス・パンチライン』など。

小田部仁

オタベ・ジン

編集/文筆。音楽やカルチャーを中心に執筆、編集。星野源の『YELLOW MAGAZINE』に創刊から携わる。

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