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推したちとどう生きるか

三宅香帆/著

1,034円(税込)

発売日:2026/07/17

  • 新書
  • 電子書籍あり

日本人にとって「推し」とは何か。その起源から現代の最前線までを徹底分析!

日本人にとって推し活はもはや一時の熱狂ではない。現代の推しは、私たちに「ハレの日」を与えてくれる一方で、「ケの日常」もまたともにあることを教えてくれる。それは、この社会に広く浸透した一つの文化なのだ。では、私たちはそんな推しと、どのように持続可能な関係性を築いていけるだろうか。「推し活」文化の源流から令和の最前線までをひもとき、ポスト消費社会における「推しの構造」を鮮やかに読み解く。

目次

まえがき

序章 日本は推しとどう生きてきたのか
日本はなぜ推し活が好きなのか/推しとは理想化された未来を夢見ることである/アイデンティティと化す推し/なぜ推し活は過激になるのか

第一章 近代日本とアマチュアリズム・アイドルの誕生
1 童謡少女歌手と日本コロムビア
アマチュア・アイドルの誕生/若衆歌舞伎とアイドル前史/新中間層と彼らの「見栄」/家で音楽を聴くようになった時代/新中間層に買ってもらうための仕掛け/童謡歌手というアマチュア・アイドル/新中間層の夢としての少女歌手/童謡歌手とプロフェッショナリズム
2 宝塚歌劇団と阪急電鉄
文化とモダニズム/関西モダニズム/小林一三がつくりだした住宅ローンの夢/小林一三の郊外プロデュース/学生野球への批判/なぜ朝日新聞は野球害毒論争を展開しつつ甲子園を主催したのか/武士道とアマチュアリズム
3 宝塚歌劇の「可愛い」生徒
「家族向け」の宝塚歌劇団/家族で観に行ける劇場/宝塚歌劇の「生徒」/「可愛い生徒」の舞台
4 立身出世物語と戦前推し文化
新中間層に向けられた日本的西洋近代文化/子どもというメディア/近代立身出世主義の戯画化としての「推し」/子どもは神聖なもの/「推される」立身出世の三条件

第二章 一億総中流社会に誕生したアイドルという子どもたち
1 日本の子育て
大衆化した「新中間層」のその後/アメリカの「核家族」大衆文化/「子ども二人と良妻賢母」/一家団欒という幻想の共有
2 1971年──アイドル文化の勃興と一億総中流社会
母と子のフジテレビ/言葉としての「アイドル」の誕生/推し活に未成年がハマることへの批判──沢田研二/ファンコミュニケーションの元祖──西城秀樹と郷ひろみ/オーディション番組の審査員という名の「父」──『スター誕生!』/1971年、アマチュア・アイドル文化のはじまり/少年文化から少女文化へ
3 「学校」の少年少女を生み出す仕組み
「茶の間」のスター/テレビの芸能人は「学校」から生まれる/子育てに寄り添う工夫としての「生徒」の役割
4 立身出世主義の解体とアスピレーションの変化
アイドル「おたく」文化の勃興/シラケ世代の変化/『成りあがり』とふたつのアスピレーション/アイドル文化と人気アスピレーション/「理想の娘」としての山口百恵

第三章 「母」化する現代日本の推し活
1 テレビからインターネットへ、「追っかけ」から「推し活」へ
インターネットからアイドルが登場する時代/「推し」の誕生/追っかけと推しは何が違うのか/消費社会から労働社会へ/ポストフォーディズム時代の自画像/「未来」としての推し──『君の名は希望』
2 聖化する推し活
推しによって聖化する日常/推しと炎上とファンダム
3 「母」としてのファン
なぜ聖性を必要とするのか/応援という推し活/聖化と親化が両立する理由
4 液状化する現実と母性の行方──『超かぐや姫!』と『ガチ恋粘着獣』
推しのいる世界を描いた『超かぐや姫!』/バーチャル空間のシームレスさ/表現と労働/推しと家族の違いは「秘密の共有」/推し活と母性の暴走/ポストフォーディズム時代の「推し」という自画像/愛情ゆえの搾取/推したちとどう生きるか

第四章 アメリカと共同性と推しの語り口
1 ディズニーと推し活
アメリカ文化の輸入/ミッキーとアイドル/ディズニーランドという永遠に強い子どもの楽園/進駐軍とテレビ文化
2 ジャニーズ事務所とアメリカ
テレビにおける「生徒」という主役/理想の息子としてのアイドル/マスカルチャーとしてのアイドル文化
3 島国という自意識
ジャポニズムとジャニーズ/2000年代の日本の自画像/島国と立身出世/ミッキーとアトム/VTuberというアイドル
4 大人の語り口
加害者を推していたファンを描く『成功したオタク』/ファンダムの功罪/語り口の問題/過激にならない言葉で語る技術/共同性を殺す語り口

終章 あなたは推しとどう生きるか

あとがき

書誌情報

読み仮名 オシタチトドウイキルカ
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン
雑誌から生まれた本 から生まれた本
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 240ページ
ISBN 978-4-10-611129-7
C-CODE 0230
整理番号 1129
ジャンル 社会学、思想・社会
定価 1,034円
電子書籍 価格 1,034円
電子書籍 配信開始日 2026/07/17

著者プロフィール

三宅香帆

ミヤケ・カホ

1994(平成6)年高知県生まれ。文芸評論家。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程中退。著書に『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(新書大賞2025大賞)『「好き」を言語化する技術』『「話が面白い人」は何をどう読んでいるのか』『考察する若者たち』など多数。

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