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高野連

広尾晃/著

1,034円(税込)

発売日:2026/07/17

  • 新書
  • 電子書籍あり

「汗と涙と青春のドラマ」はもう限界。「甲子園という病」にこの組織は今、何をすべきなのか。

飛びすぎる金属バット、球数制限、暑さ対策、7回制の導入……。汗と涙と青春の舞台、甲子園をめぐっては近年、さまざまな問題が指摘されているが、「改革を阻む最大の元凶は高野連」との見方は根強くある。果たして、高野連は本当に「悪の総本山」なのか。関係者への綿密な取材と歴史の検証によって、高校野球を取り巻く「問題」の本質を探り、あわせて改革の方向性を提言する。

目次

はじめに 「月光仮面」の正体

第1章 不易流行の組織
1-1 大谷翔平も泊まった本部建物
「中沢記念」から「中沢佐伯記念」に/180ダースのボールを一つ一つ検査
1-2 高野連前史
「最高学府」から始まった日本野球/野球害毒論と朝日の手のひら返し/阪神甲子園球場の開場/「春の甲子園」の誕生/野球統制令
1-3 プロ野球に対する根強い不信感
「日本人に一生恨まれますよ」/「中等学校野球」から「高校野球」へ/なんでもありの青田買いが跋扈/「連帯責任」の徹底
1-4 プロとの雪解け
「甲子園の名将」の登場/「連帯責任」の緩和措置/「牧野会長通達」から/2004年、プロ志望届
1-5 特待生問題をめぐる虚実
「特待生」の存在を否定してきた高校野球/専大北上高に端を発した騒動/紆余曲折を経て「特待生」を容認
1-6 繰り出される野球離れへの対応策
連合チーム問題、学生野球資格回復/U-18ベースボールワールドカップへの参加/「高校野球200年構想」/「画餅」ではないか?

第2章 「球数制限」という踏み絵
2-1 板東英二、大野倫、斎藤佑樹、安樂智大、吉田輝星……
球史に残る「延長25回」の陰で/徳島商業、板東英二の異常な奮投/甲子園に「メディカルチェック」を導入/メディカルチェック導入後も続いた「エースの奮闘」/「外圧」によって問題化/金足農、吉田輝星の881球/新潟県高野連の先進的取り組み/有識者会議/桑田真澄の批判、レジェンド解説者たちの批判/拍子抜けするほどスムースに受け入れられる
2-2 アメリカの「球数制限」はどのように導入されたか?
MLBの年俸高騰によって生まれた少年の健康被害/ピッチスマートの実態/「課題」に取り組む姿勢の違い

第3章 時代の変化にどう向き合うか
3-1 飛びすぎ金属バット
金属バット導入を後押しした佐伯会長/統一規格を目指した日米協議/アメリカ側の主張/日本も新規格バット導入へ着手/新基準金属バットで甲子園はどう変わったか?/「バットのギャップ」は解消されるか?
3-2 暑さ対策
夏の甲子園、史上初の「二部制」/暑さ対策は予防的措置/リスクが高いのは、甲子園出場選手ではない/むしろ地方、弱小校の対策を/科学的知見の乏しさ
3-3 7回制は是か非か
3つの焦点/アンケート実施/衝撃のアンケート結果/現場の反応/「7回制」の先へ

第4章 「汗と涙と青春と」の限界
4-1 SNSで拡大される暴力問題
非公開での謹慎処分が反発を招く/「野球部寮」という矛盾に満ちた空間/「ビジネスモデル」によって生じた歪み/SNSが絡む難しさ/日大三高のわいせつ事件
4-2 「リーグ戦」が可能にすること
ドミニカ共和国の考えを取り入れた指導/「LIGA Agresiva」の目指すもの/LIGA サマーキャンプ/沖縄で行われたジャパンサマーリーグ
4-3 通信制高校という「野球校」
最大のメリットは「時間」/ひたすら甲子園を目指す
4-4 連合チームのリアル
連合チーム設立の経緯/「連合チーム」で生き延びた高校/かつては甲子園に出たチームも/いわゆる底辺高の野球部/特別支援学校も連合チームに
4-5 「学び」の甲子園

第5章 “佐伯天皇”の刻印
5-1 高校野球の申し子
村山龍平との「深い縁」/有能な指導者/文部官僚との確執/朝日新聞との共催にこだわる/「佐伯通達」の衝撃/日本高野連第三代会長に就任/唯一の「専業」会長
5-2 第四代会長、牧野直隆の役割
ベーブ・ルースと対戦/リベラリズム
5-3 継承と改革と
第五代以降の会長たち/佐伯イズムの超克/突然の辞任

第6章 高野連は何をすべきか
6-1 ネット社会へ対応せよ
SNSの危機管理の問題/データ野球に対する無知、無理解
6-2 メディアとの関係をフラットに
密着取材とセクハラ/「おまゆう?」を恐れる朝日、毎日
6-3 教育と商業化をバランスさせよ
甲子園は「慈善事業」/「1本足」の事業展開/「事業化」「商業化」は必須
6-4 地方高野連を専門家の組織に
トップは全員が公立高校校長/朝日新聞が「取材窓口」/新潟県高野連の取り組み
6-5 「学ばない人たち」を緩やかに遠ざけよ
指導の質より甲子園/「改革」は恩師を否定することになる

おわりに

参考文献

書誌情報

読み仮名 コウヤレン
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 224ページ
ISBN 978-4-10-611130-3
C-CODE 0275
整理番号 1130
ジャンル 実用・暮らし・スポーツ、スポーツ
定価 1,034円
電子書籍 価格 1,034円
電子書籍 配信開始日 2026/07/17

著者プロフィール

広尾晃

ヒロオ・コウ

1959年大阪府生まれ。スポーツライター。立命館大学卒業後、広告制作会社勤務、旅行雑誌編集長などを経てライターに。著書に『データ・ボール アナリストは野球をどう変えたのか』『野球の記録で話したい』『巨人軍の巨人 馬場正平』などがある。

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