
すべての人の死因は生まれたことである
968円(税込)
発売日:2026/07/17
- 新書
「死」からはじめる哲学。人生の本質を日常の言葉で語り続けた思考の精髄。
「死ぬという経験は、人生で一度しかできない」「病気のひとつも知らないと、人の心はヒダがなくなる」「人生には今しかない、寿命なんてものは結果にすぎない」「生死することにおいて、人は完全に平等である」「さて死んだのは誰なのか」──人生の根本にかかわる問題を常に日常の言葉で語り続けることで、哲学がすべての人のためのものであることを示した著者による、「死からはじめる哲学」の精髄がここに。
I 誰も死後を憂うことはできない
死ぬときは一人である/死は現実にはあり得ない/死ねば楽になれるのか!/死んだらどうなる/再び、死んだらどうなる/先のことはわからない。だからどうした?/「死ぬ」ことの意味がわかっていない/夢の安楽死病院/弔うとおっしゃるけれど/一人でさっさと死ねばいい/権利など必要ない/悲しみを恐れて愛することを控えるか/~かもしれない。で、どうした?/ボケた者勝ち/人生を渡るための舟/何かのために死ねるのか/アンチエイジでサルになる
II 生きている限り、死んでいない
パソコンに罪はない/言葉の力を侮るなかれ/世は言葉を巡り/誕生日雑感/年をとるなら/愛犬その後/大地震に想う/私は真面目に死にたいの
III 遅かれ早かれ死ぬというのに
長命も短命も/医者の心得/患者の心得/見られて死にたい/動物のお医者さん/大地震を待つ/恐怖のアンチエイジング/エイジングはおいしいぞ /寒い!/死に方四つ/死んでも治らない/私は年齢である/上手に死なせて/人生は暇つぶし/絶対安全人生
IV 生まれたから死ぬのである
自殺のすすめ/生死は平等である/奇跡のほんとう/お釈迦様でも/ご苦労さまでした/お正月の復権/墓碑銘
本書の成り立ちと初出について
書誌情報
| 読み仮名 | スベテノヒトノシインハウマレタコトデアル |
|---|---|
| シリーズ名 | 新潮新書 |
| 装幀 | 新潮社装幀室/デザイン |
| 発行形態 | 新書 |
| 判型 | 新潮新書 |
| 頁数 | 208ページ |
| ISBN | 978-4-10-611131-0 |
| C-CODE | 0210 |
| 整理番号 | 1131 |
| ジャンル | 哲学・思想、思想・社会 |
| 定価 | 968円 |
蘊蓄倉庫
「墓碑銘」に書かれた「墓碑銘」
『すべての人の死因は生まれたことである』の著者、池田晶子さんが亡くなったのは2007年のこと。同書収録の「墓碑銘」というタイトルのコラムを書いて間もなくのことでした。このコラムで池田さんは、いつもと変わらないユーモアある文章で、自身の墓碑銘についてあれこれ思索を重ねています。最終的に自分のお墓に刻む墓碑銘は、「さて死んだのは誰なのか」でどうだろう、と綴っています。
そしてこの意表をつく墓碑銘は、池田さんのお墓に本当に刻まれています。何も知らずに霊園に来て偶然見かけた人が驚いてくれれば、池田さんも喜ばれるのではないか、と思います。
掲載:2026年7月24日
担当編集者のひとこと
生老病死が胸に沁みる
新潮社に入ると、希望すれば毎週、週刊新潮は無料で貰えます。しかし無料というのは人を怠惰にするのか、私はあまり熱心な読者ではありませんでした。20代~30代の頃は、そもそも年より臭くて誌面やら言い回しやら論調やらに馴染めなかったのです。
そんなわけで、2003年~2007年にかけて連載されていた池田晶子さんのコラム「死に方上手」(のちに「人間自身」に改題)もほとんど読んだ記憶がありません。
昨年、あるきっかけで池田さんのコラムを読み、驚きました。とてもわかりやすい言葉で、とても大切なことを語っていました。しかも思いもよらぬ角度からの指摘が多々ありました。
これは今また読まれるべき文章だと思い、連載から「生老病死」に関するコラムのみを集めて編集したのが『すべての人の死因は生まれたことである』です。新潮新書の創刊時のコピーの一つ、「毒にも薬にもなります」がぴったりの一冊です。
「死ぬ時には、人は必ず独りである」
「人生は、わからないから生きられる」
「生死することにおいて、人は完全に平等である」
連載時の年齢の自分だったらよくわからなかったであろう言葉の一つ一つがとても胸に沁みます。
2026/07/24
著者プロフィール
池田晶子
イケダ・アキコ
(1960-2007)1960(昭和35)年東京生まれ。文筆家。慶応義塾大学文学部哲学科卒業。専門用語を使わずに、哲学するとはどういうことかを日常の言葉で語る「哲学エッセイ」を確立して幅広い読者を得る。2007年没。『14歳からの哲学』『無敵のソクラテス』など著書多数。

































