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猫のいる人生

峯田淳/著

1,034円(税込)

発売日:2026/08/19

  • 新書
  • 電子書籍あり

同志にして、相棒。病を得た愛猫が教えてくれたこと──。猫との暮らしに知っておきたいコラム満載。

「体重が500グラムも減っている」──獣医師は猫の500グラムは人間にすると10倍の5キロ、とも言った。勧められた検査の結果、10年寄り添った愛猫はガンと判明する。無我夢中で過ごした闘病47日間、その間に胸をよぎった出会いの思い出、孤独な少年期にそばにいてくれたかつての飼い猫のこと、そして考えた猫という存在の意味。言葉はなくても大事な何かを教えてもらえた、そんな「猫のいる人生」。

目次

はじめに

CHAPTER I ガン宣告
47日間の闘病が始まった日/お腹のシコリが肺に転移の可能性/迷い猫への偏愛/大好物でも食べてくれない/「上皮系悪性腫瘍」の疑い

CHAPTER II ジュテとの摩訶不思議な出会い
「数カ月待ちのゴッドハンド」獣医師/猫の病気【腎臓病】【糖尿病】【甲状腺機能亢進症】【猫の高血圧と網膜剥離】【聞きなれないFIP(猫伝染性腹膜炎)】/突然、爆食いが始まった/3・11直後の魔訶不思議な出会い/猫のいる生活/「手術は無理。もう緩和ケアしかない」/2匹の弟猫たち/かかった医療費と戻った保険金/友人・知人に病状を報告/自宅でもできる「補液注入」
《コラム(1)》間違いだらけの猫の病院選び
《コラム(2)》マイクロチップ装着と60歳制限
《コラム(3)》保護猫団体の活動

CHAPTER III 奇跡を願う日々
猫のガン治療の最前線──東大動物医療センターの場合/何かできることは……一緒に散歩/奇跡を呼ぶ闘いがスタート/AIBOでストレス解消!?/呼吸困難には猫用の「酸素室」が必要
《コラム(4)》猫の医療費と保険事情
《コラム(5)》猫の高度医療

CHAPTER IV 闘病猫のいる生活
病院通いは猫の体にキツイ/「具合が悪い、助けて」のシグナル/「心配そうに体を舐める」と「ワレ関セズ」/腫瘍が腸を圧迫して便が細くなる/子供の頃に飼っていた黒猫クロ
《コラム(6)》猫のいる人生

CHAPTER V もう打つ手がない
ドロッとした液体、黄色い便/「グフッ」と嫌な咳/左肺の白い部分が拡大──酸素吸入が必要/自宅に酸素室を設置してはみたものの……/これ以上は打つ手がない/酸素室に入れるための「細工」/つきっきりで寄り添う弟猫たち/澄んだ目のまま息絶える
《コラム(7)》飼い主が帰るのを待って息を引き取った猫たちの話

CHAPTER VI 猫を見送る
ペット霊堂で「お立会い葬儀」/頭から尻尾までキレイに並べられた骨/ジュテがいない空虚な日々
《コラム(8)》猫の火葬・埋葬
《コラム(9)》峯田家のネコノミクス

あとがきにかえて──譲渡会のお誘いは「悪魔の囁き」

書誌情報

読み仮名 ネコノイルジンセイ
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 224ページ
ISBN 978-4-10-611133-4
C-CODE 0278
整理番号 1133
ジャンル ペット
定価 1,034円
電子書籍 価格 1,034円
電子書籍 配信開始日 2026/08/19

蘊蓄倉庫

「猫の足の指の数は、前と後ろで違う?」

「猫の足の指の数は、前と後ろで違う?」──飼い猫の足を見て気づいた疑問から、著者・峯田淳氏が調べた蘊蓄。実はお預かりしたものの紙幅の都合で本書に収録できなかったので、ここにご紹介します。
「通常猫は前足が5本×2で指が10本あり、後足が4本×2で指が8本ある。前後合計で18本指。
 前足の5本の指は人間と同じで親指、人指し指、中指、薬指、小指のような感じだが、そうは呼んでいないようだ。人の親指にあたる指は前の4本から離れたところにあり、狼爪(ろうそう)という。なぜ前足に1本多い、狼爪があるのか。狼爪は歩いている時には地面に触れず、木登りの時などに木を引っかけるとか引っ掻くのに便利な指だという。確かに、猫がキャットタワーなどに上る時には便利そうだ。
 一方、後足の指が4本あることで便利なのがジャンプする時などだという。1本指がないことで、ジャンプする力を集中させることができるという。元々は5本だったが、後足は引っ掻いたりするのに邪魔とか、ジャンプするのに必要がないといった理由なのか、退化して前足の親指にあたる5本目、狼爪がなくなったようなのだ。
 ちなみに、後脚はまっすぐ床に伸びているのではなく、「く」の字のように曲がっている。4本の指とこの曲がっている構造がジャンプの推進力のようで、一般的に猫は2メートルくらいジャンプ、飛ぶことができるそうだ」

掲載:2026年8月25日

担当編集者のひとこと

ジュテちゃんに捧ぐ

 本書を担当しながら、実は猫を飼ったことがありません。ン十年前に長女として生まれた実家には猫がいたそうですが、赤ん坊を噛むかもと人に言われたことを気にした今は亡き母が、よそにあげてしまった、という話だけ聞いたことがあります。名前を聞き忘れたのが残念です。
 現在の我が家に猫はいませんが、犬が1匹おります。
 猫と犬は、その性質の違いからよく対比されます。自由気ままな猫vs.忠実で従順な犬、呼んでも来ない猫vs.呼べばしっぽを振って走って来る犬……。でも、家族の一員としての存在感は、どちらもかけがえがないという点では同等でしょう。
 家族とはいえ、人間の平均的な寿命よりもずっと短い寿命の動物たち。責任を持って飼うということは、最期まで看取る、と同義にもなります。ガンが発覚して47日間で逝ってしまった「ジュテ」ちゃんのことを語る峯田さんは、辣腕芸能記者のキレキレさが影を潜めて、ジュテちゃんを心から愛していたことが痛いほどわかる柔らかな表情をしていました。動物は、人の一番優しく、弱く、無垢な部分を引き出す存在……そんな風に思いました。
 峯田さんの辣腕記者ぶりは、ジュテちゃんと暮らすようになって調べたり、取材して執筆した本書収録コラムに発揮されています。「ジュテのことを形にして残したかった」という気持ちが思い切り詰め込まれた一冊です。

2026/08/25

著者プロフィール

峯田淳

ミネタ・アツシ

1959(昭和34)年山形県生まれ。コラムニスト。埼玉大学卒業。フリーランスを経て日刊現代入社、芸能文化編集部長を経て編集委員。退社後も「日刊ゲンダイ」の編集を含め執筆活動。編著に『おふくろメシ 80のごはんの物語』、著書に『旅打ちグルメ放浪記』など。

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