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赤ひげ診療譚 第四集

山本周五郎/著 、嵐圭史/朗読

4,730円(税込)

発売日:2010/12/17

書誌情報

読み仮名 アカヒゲシンリョウタン04
シリーズ名 新潮CD
発行形態 オーディオブック
判型 [3CD]161分
ISBN 978-4-10-830244-0
C-CODE 0893
ジャンル 文学賞受賞作家
価格 4,730円

「医は仁術」を体現した究極の医師像がここにある。山本周五郎、円熟期の傑作をCD化!

困難と苦悩に満ちた一年の養生所勤めを終え、登は天野源伯の娘・まさをと祝言をあげることになった。そして、いよいよ目見医にあがるよう源伯から言い渡される。しかしこの時、登はすでにある決意を胸に秘めていた……。山本周五郎、円熟期の傑作より「おくめ殺し」と最終話「氷の下の芽」を収録。

目次
◆おくめ殺し◆ DISCI(1)~(6)53:37 DISCII(1)~(3)29:50
家主の息子の代までは家賃をただにするという奇妙な取り決めのある長屋があった。しかし息子・松次郎は自分の代になってこの約束を反故にし長屋の取り毀しを図る。住民たちは困惑するがこの取り決めにはある秘密が隠されていた。
◆氷の下の芽◆ DISCII(4)~(6)29:09 DISCIII(1)~(8)48:07
困難と苦悩に満ちた一年の養生所勤めを終え、登は天野源伯の娘・まさをと祝言をあげることになった。そして、いよいよ目見医にあがるよう源伯から言い渡される。しかしこの時、登はすでにある決意を胸に秘めていた……。

第四集解説(清原康正)

 病も背徳も罪悪も、その中に人間のもっともらしさがあるから仕事に打ち込むと言う赤ひげを知るにつけ、登は自分の軽薄さを思い知らされる。養生所に赴任した直後の狂女との愚かしいあやまち、汚辱が、登を立ち直らせた。赤ひげのひろい気持ちが柱になった。自分を「立直らせた辛抱づよさや、貧しい人たちに対する、殆ど限度のない愛情を見ると、自分の犯した行為のために贖罪をしている、というふうにさえ感じられる」と登は思う。
 麹町の家で、まさをと内祝言の盃を挙げた登は、来年三月の期変りから御目見医になることになったと知らされる。だが、養生所に残る決意をまさをに話す。登は赤ひげに養生所を辞めるつもりはない、力ずくでも養生所に残る、と宣言する。「ばかなやつだ、いまに後悔するぞ」と言う赤ひげに、「ためしてみましょう」と登は答えるのだった。
 かつて心に深い傷を負った者であり、裕福な者からは法外な治療費をむしり取る赤ひげを設定することで、安っぽいヒューマニズムに陥ることを免れている。一九六五年に「赤ひげ」のタイトルで黒澤明監督、三船敏郎主演で映画化された時に、赤ひげのキャラクターを単なるヒューマニストには描かないように、と周五郎が忠告したというエピソードが残っている。医学時代小説、成長小説、江戸市井の庶民の実態をとらえた人情小説、といった多角的な要素を含んでおり、いろんな読み取り方と楽しみ方ができる。

著者プロフィール

山本周五郎

ヤマモト・シュウゴロウ

(1903-1967)山梨県生れ。横浜市の西前小学校卒業後、東京木挽町の山本周五郎商店に徒弟として住み込む。1926年「須磨寺附近」が「文藝春秋」に掲載され、文壇出世作となった。『日本婦道記』が1943年上期の直木賞に推されたが、受賞を固辞。以後、「柳橋物語」「寝ぼけ署長」「栄花物語」「樅ノ木は残った」「赤ひげ診療譚」「五瓣の椿」「青べか物語」「虚空遍歴」「季節のない街」「さぶ」「ながい坂」と死の直前まで途切れなく傑作を発表し続けた。

嵐圭史

アラシ・ケイシ

1940(昭和15)年、五代目嵐芳三郎の次男として東京に生まれる。俳優座養成所(第八期)を経て前進座に入座。主な舞台作品には「心中天網島」「東海道四谷怪談」「勧進帳」などの歌舞伎や「子午線の祀り」(紀伊國屋演劇賞)、「怒る富士」(芸術祭賞)、「江戸城総攻」(芸術選奨文部科学大臣賞)などがある。また朗読の名手としても知られ、特に「平家物語」では全巻朗読したCDの刊行や舞台での朗読などに取り組んでいる。

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